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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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170.娘を教育する母

「出会え! 出会え!」

 アブラアムがわめきながら部屋の外に飛び出していった。
 それを追って部屋の外にでると、大量の兵士がわらわら集まってきてた。

 部屋をでた廊下、左右から兵士が同時に襲いかかってきた。
 普通のものの倍近い長いヤリで突いてきた。
 魔剣でヤリを同時にヤリを真っ二つにして、反復横跳びで兵士をほぼ同時に切り伏せた。

(おかーさん、勝負だね)
(うむ、魔剣の年季を見せてやる)

 オーラを纏って進み始める、それを出したエレノアとひかりはまたカウントを始めた。
 まるで鬼ごっこのカウントをする様に、歌うように数え上げる二人。

 そんな歌を聞きながら、一般兵の群れを斬り進んでいく。

「ええい、敵はたった一人ではないか!」
「隊長!」
「鍛え上げた三連突をくらえ!!」

 一般兵よりちょっと強いヤツが出てきたけど、それも一太刀で斬り伏せる。
 ちょっと強いけど母娘の中ではそれも「1」としてカウントされた。

 斬り進んでいくと、アブラアムが見えた。
 そいつはおれをみてぎょっとして、更に逃げる。
 逃げながら、兵士たちに何かを吹き込む。

(おっ? 軍気があがったな)
「だいぶやる気をだしたな、どうしたんだ?」

 疑問に思うが、すぐに溶けた。

「反逆者か」
「あれを倒せば出世が思いのまま」
「やってやる、やってやるぞ!」

 どうやらアブラアムにニンジンをぶら下げられたようだ。
 兵士達は目を血走らせて、おれに挑んできた。

 ヤリが十数本、全身を覆うように突いてきた。

「甘いな」

 エレノアで弧をあがいてヤリの切っ先を全部砕いて、ひかりで正面の兵士を一太刀でまとめて真っ二つにする。

(無双しているところわるいが。目的をわすれぬようにな)
「わかっている」

 エレノアにそう言って、腰が引けている兵士の一人の懐に踏み込んだ。
 首筋に魔剣を当てて、低い声で脅かしつける。

「王はどこだ、言えば助けてやる」
「へ、へ、へ……」
「へ?」
「へ……ぇ…………」

 兵士はそのままへなへなとへたり込んだ。
 白目を剥いて、泡をふく。よく見れば股間に黄色いしみが広がっている。

(脅かしすぎだな)
(おとーさん、てかげんだよ)
「むっ、それは難しい」

 物理的な手加減は割と簡単だ。魔剣を乱舞させれば相手が必死に抵抗しても綺麗に全身の毛をそり落としてつるっぴかに出来る。
 でも精神的な手加減はどうすりゃいいんだ? 脅かしの度合いをどうコントロールするんだ?

 わからん。
 わからんから、数打つことにした。

 もう一人兵士を捕まえて脅しつける、今度は正気を失うほど逆上して抵抗してきた。
 切り倒して次のを脅す、また泡をふいて気絶した。
 何人かやって、ようやくまともに答えられるのが一人いた。

「ふ、冬の宮殿にいる」
「冬の宮殿? どこだそれは」
「外に出れば――分かる」

 そう言ったきり、その兵士も気絶した。

 外に出れば分かるくらいの建物ってことか?
 なら外に出よう。

 カウントする魔剣母娘で兵士を斬り進んでいく。
 抵抗が激しくなったけど、まったく関係なく進んでいく。

 宮殿をでると、あの兵士が行ったことがわかった。
 遠くにぼんやりながらも見える立派な建物がある。
 まるで雲の向こうに見えるようにちょっとぼんやりしてる、でも作りは一目で「王宮」だってわかるヤツだ。
 なるほどあれば冬の宮殿とやらか。

 冬の宮殿の方角に向かっていく。
 更に兵士がふえ、もはや戦場の様になっていた。
 それを斬り進んでいく。

(おとーさん!)
(右!)
「――っ!」

 エレノアとひかりの警告が聞こえた直後、右から斬撃が飛んで来た。
 ひかりで受ける、剣戟音が耳をつんざく。

 反撃にエレノアで払う――がからぶった。
 急襲してきた男は一瞬で距離をとった。

 そう、男だ。
 細身の長剣を構えるロン毛の男、目をつむってて、耳をおれの方に向けている。

 雰囲気がただ者じゃなかった、油断していい相手じゃなさそうだ。

「誰だお前は」
「クセノ・フォン」

 静かに名乗るクセノ。穏やかな分他とは違う感じがした。

「魔の者よ、ここから先へは進ません」

 魔の者と来たか。

「悪いが通らせてもらう」
「なら――斬る」

 クセノの姿がブレた――直後に背後に現われた。
 一瞬で背後に回り込んで、斬撃を飛ばしてくる。
 振り向いて迎え撃つ――がもうそこにいない。

「知ってる!」

 ガキーン!
 逆手で背中(正面)にとんでくる斬撃を受け止めた。
 その手のヤツはこういうことばっか。
 後ろに回り込んだと思ったら更に回り込んで斬ってくる。

 技量は高いがありふれたパターンだ。

「……奥義」
「むっ!」
「封魔剣」

 とっさに地面を蹴って後ろに下がった。
 クセノは追撃してこなかった。
 着地したおれは思わず眉をひそめた。

 魔剣の母娘が出して、おれを包んでいる黒いオーラ。
 魔剣使いの代名詞のオーラが喰われた(、、、、)

 クセノの斬撃が通り過ぎていったところだけ、かぷりつかれたケーキのように喰われていた。
 そして喰われたところは再生しない――いや。

(再生まで十分以上はかかるな)
(うぅ……つらいよぉ……)

 元にもどせるが時間がかかるみたいだ。
 エレノアに十分かけさせる、ひかりにつらさを強いる。
 それだけでかなりの奥義だ。

「わが奥義を避けるとは」
「やるな」
「だがこれではっきりした。魔の者といえど、やはり魔の者である」

 奥義が効くと確信したクセノ。だが油断も増長もない。

(ひとかどの男だな)

 エレノアすら感心しているほどだ。

「……参る」

 クセノの斬撃と打ち合う。
 また奥義をうってきて、オーラを喰っていったが、構わず魔剣で反撃。
 クセノはとっさに避けたが、首筋に深手を負って、血が噴き出した。

 それでもまったく構うことなく、剣を構えて、耳をおれの方に向けてくる。

「……引け、このままでは死ぬぞ」
「そうかもしれん」
「なら」
「だが、王には恩がある。七生涯かけても報いきれないほどの大恩だ。だから――引けぬ」

 更に挑んでくるクセノ。
 既に勝負はあった。パワーもスピードもあるが、それはおれの10分の1程度。
 奥義はやっかいだが、避けるものだって分かればくらいはしない。

 飛んで来た斬撃を避けて、回り込むクセノより早く回りこんで当て身で気絶させた。

(やさしいではないか。相手男なのだぞ)
「気まぐれだ」

 クセノをその場において、冬の宮殿に向かって再侵攻を開始。
 が、それより先に騎士らしき男が現われた。

「やられたか、口ほどにもない――」

 騎士を瞬殺する、一呼吸で踏み込んで秒間16回に及ぶ斬撃でばらばらにする。

「ザコ以下が」

 吐き捨てて、今度こそ先に進む。
 兵士を切り倒して進んで、冬の宮殿にたどりついた。

 足を踏み入れると、今度はモンスターが現われた。

 宮殿の庭、地面がぱっくり開いて、そこから大型トラックサイズの竜が現われた。

(おーちゃん? うーん、なんか違う)
(下等竜族だな、本能のみに生きる獣だ。上位種に言わせればトカゲども、という連中だ。ちなみに名は鱗竜(りんりゅう)

 首をひねるひかりに、解説をするエレノア。

 鱗竜が襲いかかってきた!
 前足を振り下ろして地面を揺らす、洞窟の入り口ほどもある大きな口を開いてぱっくりかみついてくる。

「これしき!」

 復活したオーラで竜を捕まえて、踏み込んで二頭の首を同時に飛ばす。

 鮮血が間欠泉の如く吹き出し、巨体は倒れて地面を揺らした。

 それを踏み越えて、宮殿の中に入る。
 兵士の何人かに手加減できない脅迫をして、王の居場所を聞き出す。

 それに向かって進んでいく。

(む?)
「どうした」
(抵抗の弱まった気がしないか?)
「言われてみると」

 エレノアに言われるまで気づかなかった。

(あきらかに弱まっている……しかも作為的だ)
「罠だって言うのか」
(十中八九)
「つまり偽物の王がいるってことか」
(おそらくな)

 エレノアと話ながら進んでいく。
 王の部屋にたどりついた。表を守っている兵士を斬って、中に入る。

 豪華な部屋の中に巨大なベッドがあった。
 ベッドの上にガイコツのような老人が寝てる。

「死んでるのか?」
(生きてるみたい)
(むぅ? あれは……本物の王か)
「知りあいか」
(昔にすこし、な)
「偽ものじゃなかったのか。まあいい、本物なんだな、じゃあつれて行く」

 そう言って、王に近づくが、ベットのそばにやってきた瞬間、足元から魔法陣が広がった。
 魔法陣に囚われて、体が動かない。

「罠か!」

「なんだこれは」
(タルタロス。戦略級魔法陣の一つだ、本来は大軍相手に使うものだな)
「大軍相手だと?」
(発動したら範囲内のものを飲み込んで、跡形ものなく消滅させる。高価で希少なものだと人間ともから聞いた事がある)
「そんなものを――」

 瞬間、目の前が真っ暗になった。
 ものすごい力の奔流が押し寄せてくる。
 今までに感じた事がないほどの力だ。

 押し寄せてきた力を耐えた。
 飲み込まれ、すりつぶされそうな感覚。
 それを耐える――オーラでアイギナ王を守りながら耐える。

(おとーさん! 危ないからその人離して!)
(ひかり)

 焦るひかり、対照的に落ち着いてるエレノア。

(おかーさん?)
(覚えているがいい、男の見せ場を奪わないのがいい女の条件だ)

 よくいうぜエレノア、お前しょうっちゅチャチャ入れてくるくせに。
 だが、その通りだ。そして今落ち着き払ってなにもしないでくれるのはありがたい。

 深呼吸する、腹の下に力を入れる。
 全身の力を込めて、エレノアとひかりを握り締める。
 耐える、そして守る!

 やがて、力が引いていく。
 光もおさまって、魔法陣がしぼんでいく。

 真っ黒にそまった視界が回復する。

 まわりが――宮殿がすりつぶされる中。
 おれのまわり半径一メートルと、アイギナ王が寝ているベッドだけが無事だった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
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