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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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162.最強の味方

 アイギナの人間が帰ったあと、デルフィナがいる部屋にはいった。
 部屋に入った途端、違和感で立ち止まった。

「どうかなさいまして?」
「この部屋なんかおかしくないか? 妙な違和感があるんだ」
「それは」

 デルフィナは婉然と微笑んだ。

「わたくしを()におくように作られた部屋だからですわ」
「下に?」
「間取り、調度品、装飾、配置。建築的に、そして呪術的にわたくしを下に見せる様に設計された部屋ですわ。そうする必要のある相手を相手にする為の部屋ですわ」
「そんなのがあるのか」
「徹底的にもちあげた方が気をよくしてもらって、商談も上手く行きましょう?」
「へえ。いろいろやってるんだ。だけど……」

 デルフィナをじっと見つめた。
 部屋には違和感があるが、デルフィナが普段と違って見えるかと言われればそうでもない。
 普段通りだ。

「カケル様には効果ありませんわ」
「そうなのか?」
「むしろカケル様相手にはわたくしを大きく見せる様にしてますの」
「手の込んだ作りだな」
「この部屋だけでカケル様の屋敷の十個分はしますわ」
「たけえ!」

 さすが国に匹敵する財力を持つ豪商、やる事が普通と違うな。部屋一つに屋敷十個分の金をかけるとか。
 そんなデルフィナの向かいに座った。

「マロネイはどんな感じだ?」
「あれ以来発症するものもいなく、ほぼ普段とおりに戻りましたわ。状況からして、やはりキモン殿下が元凶だったようですわね」
「そうか、よかった」
「今となってはこんな街などどうでもいいのですけれど」
「ふーん?」

 どういう意味なんだそれは。

「それよりも、いくつか面白い動きがございますわ。アイギナ王国で」
「どんなんだ?」
「まず、キモン殿下の体調不良が発表されましたわ。同時に総理王大臣の返上も」
「体調不良? あいつは死んだぞ」
「表向きの発表ですわ。ほとぼり冷めたのを待ってから病でみまかったと発表するつもりなのでしょう」
「へえ」
「その中で面白い動きを見せているのが、先ほど来た者の主。第一王女、セレーネ・ミ・アイギナ」
「それを聞きたかった。そいつ、変な役職に就いてなかったか? しかも昇進? してないか」
子爵(、、)様にところに訪れた使者は?」

 おれの爵位でこっちにも来たと読んだかデルフィナ。

「厩番長だった」
「少し前は厩番でしたの。そして今日は准武尉」
「厩番……厩番長のしたか」
「ええ、一つ」
「昇進……してるのか本当に?」
「それにつきましては。おそらく最終的に同じ総理王大臣を狙ってるのでしょう。しかし王女とはいえ、無官から一気に最上位に任命するのは国王のみ可能、一方で少しずつ昇進させるのは王女でも可能。つまり――」
「ああ、制度の抜け穴をついたって事か」
「さすがカケル様、その通りですわ」

 そうだったのか。

「ですが、それも難しいでしょう」
「なんでだ?」
「本人の浅知恵か――」

 浅知恵っていいきったよデルフィナ。

「――進言した人間がよほどおろかなのかは知りませんが、アイギナ王国で一定以上の昇進は戦功が必要となります」
「戦功……戦いの功績ってことか」
「ええ、ですのでいずれ行き詰まりましょう」
「そういうもんか」

 面白いことやってるなあって思ったけど、今の話が本当なら肩すかしだ。
 ちょっとがっくりきた。

「ですので――」

 ドアがノックされて、女が部屋に入ってきた。
 見慣れた顔、デルフィナの部下のメガネ女だ。

「デルフィナ様、アイギナ王国から連絡です」
「連絡?」
「マロネイ近郊に本拠を置くとおもわれる盗賊団、『赤いクチバシ団』の討伐をする為に兵をだすから、一切の邪魔をするな、とのこと」
「分かったと返事しなさい」
「はい。それと……一つ気になる点が」
「何?」
「討伐軍を率いるのは飛鷹将軍イシゴニスですが……その、従軍に……」
「誰かいたのかしら?」
「……セリーヌか」

 おれが言うと、デルフィナはハッとして、メガネの女が静かにうなずいた。

「第一王女、武尉、セレーネ・ミ・アイギナ殿下が同行するとの情報が」
「また昇進してる。出世街道まっしぐらだな」

 なんかちょっと面白かった。王女のくせに「出世」してるセリーヌの事が面白かった。
 報告が終わってメガネの女が出て行って、おれとデルフィナの二人っきりに戻った。

「武功をたてる事を知ってたみたいだぞ」
「そのようですわね。しかし盗賊討伐程度では到底足りませんわ」
「大きな戦いか、それに準ずる功績が必要ですわ。例えばですけど、カケル様との戦闘でキモン殿下をたすけ出す、とか」
「……へえ。それでいいのか」
「カケル様、何を企んでますの?」
「なんで分かった」
「そんな悪い顔をすれば嫌でも分かりますわ。何をなさるおつもりなんですの?」

 おれはにやりとして、立ち上がった。

「面白そうだから、出世の手伝いしてくる」

 そういってワープの羽根で飛んだ。

     ☆

 その場に残されたデルフィナは微苦笑を浮かべて。

次の(、、)総理王大臣に取り入る準備をしなければなりませんわね」

 誰にも聞かれることなくつぶやいた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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