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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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157.悪魔と聖女

「話してもらおうか、お前らは何者だ」

 オーラの腕で顔をつかんで持ち上げたまま、黒装束に聞く。
 魔剣の力が完全にそいつを支配した。感情を感じられない声で答えた。

「我らは調律者」
「調律者?」
「世界の秩序と混沌を管理し、あるべきバランスに保つ者」
「秩序と混沌を管理ってえらい大げさな話だな。集団の名前は?」
「……」

 黒装束の覆面のしたの口が動いたが、そのまま固まった。
 質問に答えない、もう一回聞く。

「答えろ」
「……」
「おい、こいつ答えないぞ。手を抜いてるのかお前」
(単に知らんのだろう、そもそもない可能性もある)
「ないって、そんなのあり得るのか」
(貴様の女を捕まえて、集団の名前を問うた場合どうなる? 魔剣使いと愉快な仲間達とでも答えるのか)
「……ありえたか。知ってるけど話せない可能性は?」
(ありえんな)

 エレノアが冷笑する。

(われが操れないのはこの世でたった一人しかいない)

 おれのことか。

(なんで始末するのか聞いてみるのはどうだ?)
「そうだな。なんでこいつを始末しに来た、仲間だろ?」
「魔剣使いと関わったからだ」
「おれと?」
「カランバの宦官たち、コモトリアの王妃、僭王チオザ。今までそうしてきたように、魔剣使いと直接接触をする前に口封じをしなければならなかった」
「おれと接触する前に口封じ――まて」

 ……。
 今なんて言ったこいつ。
 カランバ?

「カランバの宦官たちってどういう事だ。奴らが牢の中で死んでたのもお前の仕業か」
「命を受け、この手で始末した」
「おいおい」
(衝撃の新事実だな)
「あれにも関わっていたなんて」

 カランバの三宦官。リカを操り人形にしてカランバ王国を操っていた連中。
 リカに協力してそいつらを牢屋にぶち込んだけど、いつの間にか死んでてうやむやになってしまった。
 あれにも……いやあの時からこいつらが絡んでたのか。
 コモトリア、シラクーザの時だけだとおもったが、そうじゃなかった。
 カランバの時から絡んでたのか。
 そして、このアイギナか。
 この世界のほとんどの国に入り込んでるじゃないか。

「しかし、なんでおれと接触したから消すんだ」
「魔剣使いは危険すぎる、と判断された」
「危険すぎる?」
「悠久の歴史の中で唯一、魔剣エレノアを屈服させ、完全に支配下においた男。天秤の一方を傾け、混沌を加速させる男」
(われは屈服などしてないぞ!)

 抗議するエレノア。
 普段ならいじるところだが今は無視した。

「だから避けるのか」
「魔剣を完全に屈服させる存在は危険すぎる。正面から相手すれば、我らといえどただではすまない。だが」
「だが?」
「魔剣使いといえど人間。死ぬまで待てばいい。人間の生涯など我らからすれば取るに足らない時間。だから、僭王が倒れたあと、関わらないようと決めた」
(なるほど、うまい手だな。かなわないから寿命までまつ。くく、いい手だ)
「感心してどうする」
(貴様といえど寿命はあるのだろう?)
「……どうだろうな」

 これまでにもちらっと考えたけど、結論を先送りにしてきた事が一個だけある。
 寿命のことだ。
 おれの寿命がどうなるのか、それが分からん。777倍の影響を受けてるかも知れないし、受けてないかも知れない。
 体力、いわゆるHP的な事なら確認できるが、寿命は検証のしようがない。
 ないが、向こうがそう考えるのは分かる。
 おれは人間、普通なら寿命は数十年。
 こいつらは分からない、だが転がってる青い肌のヤツ、悪魔っぽい見た目のそいつをみると、普通に人間よりも長生きなんだろうなってのは分かる。
 おれが死ぬまで待つのは戦略としてはアリだと思う。

「おれに関わらないのなら、なんでこいつが出てきたんだ。僭王ってシラクーザの事だろ。その時に決めたんなら何故」
「キモンの口車に乗せられた跳ねっ返りだったからだ」
(くく、組織の下っ端まではコントロール出来てなかったようだな。他山の石だな)
「どういうことだ」
(そのうちわかる)

 何がわかるってんだ?
 まあいい、そのうちならそうなった時に考えよう。

(これでおおよその話が分かったな)
「そうだな。最後にもう一つ教えろ、お前らのボスは誰だ」
「ソロン様」
「ソロン、それがボスの名前か」
(ソロンだと)
「知ってるのかエレノア」

 魔剣と魔族(多分)同士、つながりがあるのか。

(なにをいう、貴様にもその名前を知っているだろうに?)
「しってる? ソロンをか。そんな名前の人間知らんぞ」
(呆れた男だ……)
「男の名前なら覚えてないぞ」
(そうではない)

 はあ、とため息つくエレノア。なんかすごく呆れてるけど、なんだ?

(メリッサ)
「メリッサ? 彼女はソロンって名前じゃ……ソロン教?」

 はっとした、そういうことか。
 人名じゃないから気づかなかったけど、メリッサの名前で思い出した。
 不死の聖女、メリッサ。
 彼女が聖女と呼ばれてるのは、ソロン教という宗教の人間だったから。
 ソロンと、ソロン教。

「偶然」
(と切り捨てるのは危険だな)

 エレノアの言葉に、おれは静かにうなずいたのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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