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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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140.デルフィナのミス

 デルフィナ商会、デルフィナの部屋。

「今日はどのようなご用で?」

「昨日頼んだことはどうなった」

「ネオラ・コメネナのことでございますね」

「そうだ」

 頷く。

 ネオラの父親のことはデルフィナに頼んだ。

 事の発端はクソ親父の借金の件――つまり金だ。

 金に関してはデルフィナに聞いた方が一番早い、って事でおれは話をデルフィナのところに持ってきた。

 そもそもネオラは奴隷兵の一人、奴隷兵は全員デルフィナに調達してもらった。

 それもあって、彼女に話を持ってくるのは当然の流れといえる。

 おれから話を聞いたデルフィナは条件付きで任せろと言った。

 条件の詳細は聞いてないが、デルフィナも実質おれの女だ、信頼してそのまま任せた。

 それがどうなったのか、一応聞きに来た。

「ゼノ・コメネナの身柄は拘束いたしましたわ」

「早いな」

「ちょうどわたくしの街にいましたので」

「お前の街? ……ああ、アイギナから一つ丸ごと買い上げたってあれか」

 前になんかの件でデルフィナに会いに来たときにその話を聞いたことがある。

 アイギナ王国からマロネイという街を丸ごと買い上げたと。

 その時は流石だな、って思った記憶がある。

 ……ん? その時誰かと会ってないか? おれ。

 うーん、うーん。

 思い出せん、会ったような気がするんだが。

(男だ、しかも中年の)

 ああ、じゃあ覚えてないわ。

 一度しか会ってない中年男なんか覚えてるはずがない。

(あれはあれで重要人物なのだがな)

 そうなのか?

 まあ、どうでもいい。所詮男だ。

 おれは改めてデルフィナを見た。

「そのマロネイにいたのか」

「ええ。もともとネオラはアイギナの出身。父親はずっと元アイギナのマロネイにいましたわ。捕捉するのに四半日もかかりませんでした」

「流石だな。で?」

「しかるべく」

「詳細を聞かせろ」

「今後一切金を無心できないように通達いたしました。マロネイ、そしてアイギナ領内で。ゼノ・コメネナはアイギナ出身ですので、そこを重点に。もちろん、他国に流れた場合もそれなりの手は打ってありますので、ご心配なく」

「なるほど。確実なのか?」

「カケル様はもう少しわたくしを信じて下さいな」

「……そうだな、金の話だしな」

「ええ」

 婉然と微笑むデルフィナ。

 確かに最後の念押し確認は余計だった。

 金の話だ、デルフィナなら問題ないだろう。

「礼を言う」

「アフターサービスですわ。今後もごひいきに」

「ああ」

 デルフィナに頷いて、ワープの羽でそこを離れた。

     ☆

 レイウースに戻って、奴隷兵の訓練場にやってきた。

 そこに奴隷たちが集まっていた。

 何十人もの奴隷が集まってくるっと円陣みたいなのを組んで、中心にニキとネオラがとナナがいる。

 ニキとネオラが互いに武器を構えて向き合って、ナナが審判的な位置に立ってる。

(第一小隊長様と第二小隊長様の組み手だな)

 つぶやくエレノア。面白いな。

 それ以上近づくのをやめて、遠くから見守った。

 ナナの手が振り下ろされた――のを合図に、ニキとネオラが切り結んだ。

 火花が散って、空気がふるえる。初太刀だけで分かる、強者同士の戦いだ。

 内容はと言えば、ニキが一方的に攻め続けて、ネオラが受ける、と言う形だ。

(七:三ってところか)

「そこまでニキの分が悪いか」

(よく鍛えている、が一対一ではな。前に見た時よりも集団戦闘に動きを合わせてきてる。まわりを守る動きだな、あれは)

「へえ」

(健気だな、貴様の言いつけを守るために一生懸命戦闘スタイルを変えてきたと見た)

「後で可愛がってやらないとな……第一小隊全員」

 ちょっと前に、第一小隊だけ他の小隊に突出して損耗が激しい時期があった。

 おれが第一小隊を全員抱いて自分の物にした後に、そいつらが「おれの為に戦う」って気持ちで、我が身を省みず気持ちが攻撃によりすぎた時期がある。

 それを知って、稽古をつけてたたき直してやった。

 ニキの変化はそこから来てるんだろう。

 エレノアが言うとおり健気だ、可愛いって思う。

 攻め続けたニキが隙を見せた一瞬に、ネオラの技にかかって、バランスを崩されてトドメの一撃をのど元に突きつけられた。

 ネオラの勝利、ほぼエレノアの予測通りだ。

 組み手が終わったから、おれは改めて歩き出して、奴隷達に近づいていった。

 しかし、おれがたどりつくよりも先に、横から一人の男が出てきて、奴隷たちに向かって行った。

 長身で猫背の男、どこかで見たことがある顔だ。

 ……だれだ?

(借金取りだバカ者)

 エレノアに怒られた。

 ああそうか、前にネオラのところに取り立てに来た男か。

 どうも男の事は覚えにくい。

 ……いや待て、なんでそいつがここにいる。

 そうこうしてるうちに男がネオラの前に立ち止まって、にやけた顔で何かをいった。

 ネオラの顔色が変わった。何事かと近づいていく。

「嘘はいってねえぜえ? ほれ、これをみろ。ちゃあんとおめえの父親のサインだろうが? しかも日付は」

「昨日……」

 借金取りが一枚の紙をネオラに突きつけた。ネオラの顔が真っ青になった。

「おい」

 おれは話に割り込んだ。

「なにしてんだ」

「おお、これはこれはゴシュジンサマ。いやあ、借りたモンを返してもらいに来ただけですわ。ほれこの通り、次の日に返すってちゃあんと」

 男は紙を、借用書をおれの目の前でひらひらさせた。

 びっしり文字が書いてあって、最後にサインがある。

 ネオラを見た。

「本物か?」

 ネオラは真っ青になった顔のまま頷く。そして絞り出す様に。

「サインは、本物、です」

「……」

 デルフィナ、何をしてやがる。

「どうする? 今回もゴシュジンサマに肩代わりしてもらうかい」

「それは……」

「払えばいいんだろ。待ってろ」

 とにかくこの男を追い払って、それからデルフィナに話を聞きに行く。

 そう思って、おれは金を出すため異次元倉庫を開こうとした――が。

(待て)

 エレノアに止められた。

「なんだ」

(ヤツを見ろ。様子がおかしい)

「様子?」

(我を使え)

 なんの事かと思ってると、頭の中にイメージが流れ込んできた。

「あれか」

 イメージ通りに動いた。

 オーラを出して、腕にする。

 取り憑かれたメルクーリ王からクシフォスを駆除する時に編み出した技だ。

 黒いオーラの腕で男の顔をつかんで、そのまま持ち上げる。

「てめえ、何を――ぐはっ!」

 男はいきなり苦しみだした。

 自分で首をつかんで、苦しみ、もがいている。

 やがて、男は地面に落ちた。

 エレノアの黒い腕はつかんだまま――黒い魂のようなものをつかんだままだ。

(これだな)

「……これがこいつを乗っ取ってたのか」

(うむ。この感じ……覚えがあるな。思い出したぞ、アウラの一件の時だ)

「あのトカゲ女か」

 変身する前は美女だったから覚えてる。

 言われて見ると、つかんでる黒いものはあのトカゲ女と雰囲気が似ていた。

(何かが起きてるようだな……)

 珍しく真面目なトーンでつぶやくエレノア。

 つかんでる黒いものをみて、おれも彼女と同じ感想を持ったのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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