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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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139.ある奴隷の身の上

 ベッドの上。

 しばらくあぐらを組んだままネオラを眺めていたが、つかれたからごろんと寝っ転がった。

「あっ」

 ネオラが小さな声を漏らす。

 直後、肩がちょっと触られて、体全体が反対方向に引っ張られた。

「おっ?」

 覚えのある感覚、訓練の時にネオラが使った動きの流れを誘導する技だ。

 面白いなって思ってると、後頭部に柔らかい感触がした。

 誘導されたおれの頭はネオラの太ももの上、膝枕の体勢になった。

「そんな使い方もできるのか」

「はい。あの……」

「うん?」

「ニキちゃんから、カケル様はこういうのが好きだってききました。それで」

 ネオラは恥ずかしそうに、それでいて不安そうにいう。

 やって恥ずかしいのと、本当におれが膝枕好きなのかって不安か。

「ああ、すきだぞ。いい女がやってくれることは大抵好きだ」

「ほっ……あの、すみません」

「うん?」

「初めてで……上手くできなくて」
「気にするな。誰だって最初は初めてだ」

「はい。でもよかったんですか?」

「なにがだ」

「わたしのような初めての女が相手で。その……カケル様はわたしたちの様なオボコは相手にしないって」

「だれだ? そんな噂流してるの」

 ネオラの太ももから起き上がる。

「あっ……」

 残念そうな顔をされた。

「戻せ」

「……はい!」

 ネオラは大喜びでまだあの技でおれを引っ張って、太ももの上にもどした。

 膝枕の柔らかい感触を堪能しつつ、質問を続ける。

「だれ? そんな根も葉もない噂を流してるの」

「えっと……だれがっていうか、わたし達の間で普通にそういう認識っていうか」

「わたしたち? 奴隷たちがか」

 ネオラはうなずいた。

「カケル様のまわりに女王様とお姫様がいっぱいいて、みんなすごく可愛いし綺麗な方だから、わたしたちの様なオボコを相手にしてるヒマはないって」

「別にそんな事はないぞ」

「でも……」

「いい女は抱く。処女とかそういうのは気にしない。大体そんなことを言ったら」

 壁際に立てかけたエレノアを指す。

「あいつなんか手垢まみれだぞ」

(われを引き合いに出すな。そして手垢まみれとか言うな!)

 大声で抗議するエレノア。珍しく頭がキーンって響く大声。

 まあ、無視する。

「そうだったんですね」

「にしてもそんな根も葉もない噂が立ってたとはな。……ネオラ」

「はい、なんですか?」

「お前、第二小隊の小隊長だったな」

「そうですけど……?」

「よし」

 体を起こして、ベッドから降りる。

「第二小隊の全員を集めろ。まとめて相手してやる」

「は、はい!」

 ネオラが慌ててベッドからとびおりた。

 おれに服を着せてから、自分もてきぱきと服を着て、先に部屋の外に飛び出した。

 おれはゆっくり出た。ネオラに準備をさせるために。

「濡れ衣もいいところだ」

(くく、そういえば貴様は生娘しか相手にしたことがなかったな。生娘は相手にしない、というのは確かに濡れ衣ではあるな)

「自分の事を忘れてないか?」

 エレノアにデコピンをした。

(子を成す様な事をされたのは後にも先にもあれがはじめてだ)

「……へえ」

 立ち止まって、エレノアを見た。

 ってことはこいつも処女なのか。

 魔剣だし、だからなんなのかって話だが。

 歩き出し、ネオラの後をゆっくり追う。

(それよりも本気か?)

「うん?」

(生娘なのか気にしないというのは)

「別に意識してない。いい女はそんなこと関係なくいい女だろうが」

(そうか)

 ちょっとだけ声が和らぐエレノア。本人が気づいてるかどうかってレベルの、ちょっとだけ、だ。

 廊下を歩き、兵舎の玄関にやってきた。

 そこで、ネオラが立ちつくしてるのがみえた。

「ネオ――」

(様子がおかしいな)

 エレノアの声のトーンが変わった。

 立ち止まって様子見した。

 玄関を開けたポーズのまま固まってるネオラ、その向こうに人の気配がした。

「こっちもよ、何も変なことをいってるわけじゃあねえ。それはわかるよなあ?」

「……はい」

 目を伏せて、苦しそうにうなずくネオラ。

 声は男だ、口調からして大した人間じゃない。

 ネオラの方がいい女で、数百倍いい人間だ。

 そんなネオラが何故か言われっぱなしでいる。

 なんでだ? って思ってると、すぐに理由が分かった。

「親の借金を子が返す、当たり前だよな?」

 借金取りか。

(どうする)

「決まってる」

 大股で歩き出し、ネオラと男の間に割って入った。

 玄関の外にいる男の顔が見えた。

 長身だけど、猫背のせいでひょろくかんじる男だ。

「なんだお前は」

「借金っていくらだ?」

「カケル様!?」

 ネオラが驚く、とりあえず無視。

「いくらだ」

「おめえが払ってくれるのか? んん?」

「奴隷の借金は主が返す、当たり前だよな?」

 男のセリフをもじってそのまま返す。

「へっ、かっこいいなあおい。いっとくが気軽に払える額じゃねえぜ?」

 にやける男、口臭がキツくていらいらしてくる。

 おれは無言で異次元倉庫を開いた。

 そこから流通をはじめたばかりのメルクーリ紙幣を札束で取り出す。

「これで足りるか?」

「なんだ? 手品か」

「そんなのどうでもいい、足りるかどうかって聞いてる」

「へ、へへ。おめえ、いいご主人様を見つけたな」

 男は札束を指ではじいて、満足げにイヤミをいう。

 足りてるみたいだ。

「とっとと失せる」

「へいへい。それじゃあまた来るぜ」

「まて」

 男を呼び止めた。

「またくるってどういう事だ。それで借金全部じゃないのか?」

「へっ」

 男は鼻で笑った、ネオラが背後で鼻をすすった。

「借金はもうないが、借金癖の親はまだいるんだよなあ」

     ☆

 ネオラ・コメネナ。

 それなりに裕福な、剣士の家の四代目として生まれた。

 じいさん(二代目)が生きてた頃は全部うまく回って、それなりの資産を積み上げたけど、父親(三代目)になると急速に没落した。

 能力はないくせに見栄を張りたがる父親はいろんな商売に手をだしては失敗する。

 その一方で見栄を張ることはやめないどころか失敗する度にひどくなっていって、やがて家は没落した。

 それでも父親は借金することをやめない、娘のネオラが奴隷になっても。

 借金取りは、たびたびネオラのところに来ていたという。

 話をネオラから聞き出して、状況を全て理解した。

     ☆

 朝になって、ワープで兵舎にやってきた。

 つまらない(、、、、、)ことをやってきたせいで、大分つかれた。

「おはようございます! 閣下!」

 またニキと出くわした。

「お疲れ。ナナは?」

「ナナ様はネオラの部屋であります!」

 昨日とまったく同じやりとりをしたあと歩き出す。

 ネオラの部屋にやってきて、ノックした。

「はい」

「おれだ」

「カケル様! すみません待ってください」

 慌て出すネオラ。それを無視して中に入る。

 ネオラがいた、ナナもいた。

 ネオラが必死にナナを起こしている。

「今日の朝めひ……かひゃい」

 寝ぼけて全裸のナナは、ネオラから渡されたパンツを噛みだした。

 昨日と同じ光景、プライベートじゃ大分残念なナナと、その世話を一生懸命やくネオラ。

 ナナがシャキッとして、三人一緒に訓練場に向かった。

 先導するナナ、真ん中におれで、一歩後ろにネオラが続く。

「ありがとうございます」

 ふと、か細い声でネオラが言った。

 ほとんど吐息の様な声、おれ(777倍)の耳じゃなかったら聞き逃してたな。

 察したか、おれが父親をどうにか(、、、、)してきたのを。

(貴様のなすことは単純だからな、特に抱いた女には)

 軽くエレノアにデコピンをした。

「ネオラ」

「はい!」

 ぴくっとなって、背筋をピンと伸ばすネオラ。

 何を言われるのかとビクビクしてる様子だ。

「今日も全力で来い。上手くできたらまた抱いてやる」

 一瞬だけキョトンとなるネオラ。父親のことじゃないのか? って顔だ。

 しかし、それも一瞬で。

「頑張ります!」

 と、晴れやかな表情をした。

 その顔が綺麗で、この後振るった剣は更に鋭くて。

 訓練の後、昨日よりもメチャクチャセックスした。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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