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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

アイギナ王国編

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137.プライベート・ナナ

「暇だな」

 おれは屋敷のリビングで大あくびした。

 この日は朝からのんびりしてた。

 ミウを呼びつけてもふもふしたり、ひかりと遊んだり、ギルドの仕事に出かける前のイオを押し倒した一発やったり。

 色々やってのんびり過ごしてきたけど、昼飯食ったあとでだいぶ飽きてきた。

(いい暇つぶしを教えてやろうか)

「なんだ、いい暇つぶしって」

(我に体の主導権を明け渡すのだ。人の寿命では飽きないような人生を送らせてやるぞ)

「明け渡すかバカ」

(そうか? せっかくだし魔剣流の女の抱き方も実演してやろうと思ったのだがな)

「そんな事も出来るのか?」

(過去の連中を操っていたときにな)

「へえ」

 そういえば覇王とか英雄とかと行動を共にしてたっけ。

 そう言う連中は女をバンバン抱いてるってイメージあるし、なるほどその時に取った杵柄ってヤツか。

「ちなみにどうやるんだ? 魔剣だし触手でも出すのか?」

(それもできるが、趣味ではない)

 できるのか。

(宿の主のモノ(、、)を使って、女体の内部からじわじわと精神を侵食していくのだ。この世のモノとは思えない悦楽を得られることができるぞ)

「こういうのか?」

 意識してオーラの腕を出す。

 クシフォスと兵士どもを精神的に攻めた時に使った技だ。

(原理は一緒だな。貴様もそれを女どもに使うといい)

「つまらんからやらん」

 こんなので女を抱いてもつまらん。

(くく。体を動かすのが好みならナナ・カノーと遊んできたらどうだ?)

「ふむ、ナナか」

 奴隷兵の兵舎がある方角を見る。

 最近はナナあっちに泊まり込んでるから、そういえばまともにあってない。

 久しぶりに会ってくるか。

     ☆

「閣下!」

 兵舎に入ると、奴隷兵第一小隊隊長のニキ・セフェリスと遭遇した。

 おれをみたニキはビシッとかかとを揃えて、今にも敬礼しだしそうな雰囲気だった。

「ご用件を承るであります!」

「ナナはいるか?」

「ナナ様はネオラの部屋であります」

「ネオラ?」

 聞き慣れない名前だな。

「第二小隊長のネオラ・コメネナであります。部屋にご案内するであります」

「いや自分で行く。部屋はどこだ?」

 ベッドの上とは別人のニキからネオラの部屋を教えてもらって、そこに向かう。

 部屋の前にやってきて、ドアにノックする。

「だれ?」

「おれだ」

「おれ……ってカケル様?」

 落ち着いた声から一変、中でドタバタする音が聞こえてきた。

 すぐにドアが開いて、一人の女が姿を見せる。

 第二小隊長ネオラ・コメネナ。名前はほとんど今知ったばかりだけど(多分前に聞いてるはず)、顔は知ってる。

 小隊長を任せられてるだけあって、剣の腕がそれなりに立つ女だ。

 おれやナナとはスタイルが違って、力はないが、狙い澄ました鋭い一撃を敵に叩き込む、ってタイプの戦い方をする女。

 同時に奴隷兵の中で上位になる巨乳の女でもある。

(名前は覚えてないのにそういうことばかり……)

 エレノアの呆れ混じりの声が聞こえてきたが、無視する。

「どうしたんですかカケル様」

「ナナがここにいると聞いて」

「いらっしゃいます。中へどうぞ」

「ああ」

 ネオラの部屋の中に入る。

 奴隷兵の部屋。二百人の奴隷部隊を作った後に立てさせた建物にあるこの部屋は、一言で言えばワンルームのアパートの様なものだ。

 大した部屋じゃないけど、奴隷達には大好評だった。

 奴隷なのに個室をもらえるなんて信じられない、とか言われた気がする。

 そのワンルームの中でナナが寝ていた。

 普段見ないような薄着で、あられもない姿をさらして寝ている。

「寝てるな」

(寝てるな)

 そういえばなんでナナがここで寝てるんだ?

 疑問に思って、ネオラを見た――が。

「ん……ネオラ」

「おはようございますナナ様。あの、カケル様がお見えになってます」

「カケルさま……?」

 体を起こしたが、ぼんやりしたままの目でおれを見るナナ。

 体に掛けてるシーツがぱらりと床に落ちる。

 寝るための薄着だからか、方から片方ずれ落ちてて、ついでにパンツもはいてない。

 ……ノーパンか。

「――ッ! カ、カケル様。何故!?」

 あっ、普段に戻った。

「ね、ネネネオラ、何故カケル様がここに!」

「ナナ様を訪ねてきたみたいです。ナナ様、まずは下着を」

「下着――うわあああ!」

 ネオラが差し出したパンツをひったくるナナ、それを履こうとしたが。

「ナナ様それ逆。あっ、上下じゃなくて前後逆です」

「こ、こうか!」

「こちらが鎧です」

「いえナナ様、まずはその肌着を脱いでからです」

「えっ? ああああ!」

 さっきからずっとあたふたしてるナナ。

 ネオラはそんなナナをみて、おれに言った。

「すみませんカケル様、時間かかりそうなので、外で待っててくれませんか」

「……ああ」

 頷き、部屋の外に出る。

 ドアを閉じても、中からバタバタしてるのが聞こえてくる。

「意外だな。これだけ見るとナナがダメな女みたいに見えるぞ」

(そういえばやつのプライベートを見たのははじめたかもしれんな。今までは剣を握ってるヤツと、貴様に抱かれてるヤツしか見てなかったな)

 エレノアがつぶやく。

 言われてみたらそうかもしれない。

 ナナのプライベート……ちょっと気になってきたかもしれない。

     ☆

 奴隷兵の訓練場。

 青空の下、ナナと向き合っていた。

「参る!」

 凜然とたたずまいから、両手で剣を構えて突進してくる。

 切っ先が地面をえぐり、反動をつけた鋭い一撃。

 エレノアで真っ向から受けた。片手で振り下ろして、真っ向から撃ち合う。

 火花が舞い散り、立て続けに鳴る金属音が繋がって一回のように聞こえる。

 追加攻撃を持つおれとナナが撃ち合う時にだけ生じる現象だ。

「もっと打ち込んでこい」

「はっ!」

 嵐のような斬撃が飛んできた。

 残像すら残る剣の軌跡がまるで網のようにおれを包む。

 それを一つずつ受けていく。

 速くて、重い。

 並みの武器なら一撃でへし折るほどの攻撃を、ナナは秒間で十回以上繰り出してきた。

「また腕を上げたな」

「恐悦」

 言った瞬間、ナナの動きが変わった。

 嵐のような斬撃から一変、初太刀のようなまっすぐな一撃。

 同じようにエレノアで受けた――が。

 キキキキキキキーーーーン!

 壊れたレコードのように、一つの音が数珠つなぎに鳴り響いた。

 受けた瞬間二十以上の衝撃を感じた。

 一撃に見えたものが、実は十発もの連続攻撃だった。

(くく、どこぞのへぼ魔剣なら今ので折れていただろうな)

 エレノアが楽しげにつぶやく。

 そんなどっかのクシフォスなんかよりナナの方が気になった。

(まったく楽しそうにしおってからに)

 楽しそう? そうだな、楽しいのかもしれない。

 ナナはまた一段と腕を上げた。

 前に比べてスピードもパワーも格段に上がっていたが、それだけじゃない技まで開発した。

 そんなナナと撃ち合うのは楽しい。

 ものすごく楽しい。

 エレノアを握って戦う中で、一番楽しい時間だ。

 どれくらい撃ち合っただろうか。

 ナナが息せき切って、自分の剣に視線を落とす。

 エレノアと切り結んだせいで、至る所に刃こぼれが出来ていた。

 もはや「斬る」というより「たたきつける」くらいしか出来ない。

 おれはエレノアをおさめた。

「これまでだな」

「はっ。……無念です」

「うん?」

「今日も主を動かせず終いだった」

「ああ」

 その事か。

 ナナと戦う時だけ、おれはある事を心がけている。

 下がらないことだ。

 テクニックとして、真っ向から撃ち合う時は後ろに飛んで威力を分散させるものがある。

 あるいは撃ち合って、後ろに押されることもある。

 そのどちらでもなく、ナナと戦う時は、同じ場所に立ったまま受けきることを心がけている。

 なんでそうなのかは、別に大した意味はない。

(見栄っ張りだけだろうに。ヤツにいいところを見せたいだけなのだろう)

 うるさいな。

(しかし、本当に強くなった。人間の女最強なのではないか? ヤツは)

 そんなにか。

 エレノアが言うのならそうなんだろう。

 こと戦いに関して、この魔剣の意見は大抵正しい。

(慌ててパンツを後ろ前に履きかけた女とはとても思えんな)

「……プッ」

 その光景を思い出して、思わず吹き出した。

 ナナのそのギャップがちょっとおかしかった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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