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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

メルクーリ王国編

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123.S級とA級

「アイギナの後宮にとある秘宝が納められているらしい」

 イリスはいつもの表情に戻って、いった。

「秘宝?」

「元々はメルクーリ王国の物だったのだけど、建国後間もないころに、両国の結びつきを強めるために輿入れしたメルクーリ王女の嫁入り道具として持参した物が、そのままあそこに残ったのだとか。それを取り戻したい、というのが父う……王の狙い」

「……それが目的なら返せって向こうにいえばいいだろうが。外交ルート? とかそういうので」

「アイギナの後宮は深いの」

 オルティアが横から口を挟んで、何回か聞いた言い回しで言ってきた。

「人も物も、一度あそこに入ったら出られない。出られるのは国王だけ」

「ふーん、でもゴミとか出すだろ。他にもいろいろさ。人間ならともかく、ものだったらそういうのに混ぜて出せばなんとかなるだろうが」

「アイギナの後宮は深い。ゴミって言ったね。そういうのは中に処理する設備があって、ゴミとかは塵一つ残らず消滅させるような設備がね」

(大仰だが、徹底してもいる。そこまで行けば好感を持てるな)

「というより、ずいぶんと詳しいなオルティア」

「だってそのシステムを考えて、構築して上げたのわたしだもの」

「なに?」

「……え?」

 驚くおれと、きょとんとなるイリス。

「えええええ」

「ちょっと待て、お前がやったのか?」

「ええ。当時のアイギナ王に乞われてね。大層嫉妬深い男だったわね」

 オルティアはクスクスと笑った。

(そういえば一時期、こやつがアイギナに力を貸していた時期があったな。なるほどそんなことをしていたのか)

 エレノアも楽しげに言った。

 長命のもの同士、過去にいろいろあるみたいだ。

「でもそれで話はわかった。メルクーリ王が欲しいのは『クシフォス』ね」

「クシフォス?」

「メルクーリの秘宝といったらそれしかないわね。アイギナの後宮に流れ着いたのは知らなかったけど」

「そうか」

「興味なさそうね」

「ああ、ない」

「どうでもいいってわけでもなさそうね」

 無言で頷いた。

 クシフォスってのはどうでもいいけど、それのためにイリスを犠牲にしようとしたのは腹がたつ。

「話が大分ずれたから戻すね。あなたはこの輿入れを止めたいと思っている」

「そうだ」

「ならば方法は大きく分けて三つある」

 オルティアの口調が変わった。

 おれに何か知識を教える時、アイデアを授けるときになる口調。

 上から目線の、先生口調だ。

 オルティアは三本の指を立てた。

 指折り数えて、一つずつ言った。

「一つ、アイギナ王国を滅ぼす。さっきまでアイギナ王と王太子の暗殺も選択肢に入ってたけど、もうないわね」

「ああ、次のトップに輿入れ先が変わるだけだ」

「一つ、なりふり構わずこの子を自分の物にする。そうすれば輿入れの資格がなくなる」

「それはさっき説明したときにやらないといっただろ」

「一つ。クシフォスを壊す」

「壊す?」

「そう、クシフォスは対となるもの。そして二つ揃っていないとただのオブジェクト。話を聞くに片方はメルクーリにあって、もう片方はアイギナの後宮にある。と言うことは……?」

 これもオルティアがおれに何か教えるときによくするやつだ。

 結論、答えの一歩前で止めて、おれに考えさせて、おれの口から言わせようとする。

 たまに難しいのもあるけど、今回のは簡単だった。

「どっちか片方でも壊せばイリスの輿入れの意味がなくなる」

「そういうことね」

 なるほど、話は分かった。

「それでいいか、イリス」

「うん。わたしはそれでいい」

 話は決まったな。

 メルクーリにあるクシフォスの片割れを見つけ出して壊す。

 それが今回の目的だ。

「ところで、そのクシフォスってのは何なんだ?」

「そうね。武器よ、」

 オルティアは少しかんがえて、答えた。

「エレノアがS級の魔剣だとして、クシフォスはA級の武器、って言えばわかるかしら?」

「それは……」

 結構、すごいものなんじゃないのか?
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活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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