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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

シラクーザ王国編

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113.スリップダメージ

 くじ引き所から異世界に戻ってきて、ワープの羽を使って飛んだ。

 王都アドリアから少し離れた野外、奴隷兵が駐屯してるところ。

 万が一何があって一網打尽されてはいけないって事で、主力の奴隷兵を離れた所に置いた。

「どうした! もっと来い。もっと踏み込んでこい!」

「えいっ!」

「やあああ!」

 そこで、ナナが奴隷兵に訓練をつけていた。

 20対1。

 片方は奴隷兵の基本単位である二十人小隊、もう片方はナナの一人っきり。

 ナナは奴隷兵たちに攻撃させて、それをあしらっていた。

 力の差は歴然、二十人を一遍に相手にしても、ナナは『教育』をする余裕があった。

 それをしばらく見てから、ナナに声をかけた。

「ナナ」

 キキキキキキーン!

 ナナはギヤをあげて、攻撃してきた奴隷兵の武器を全部はじいてから、悠々とおれの所に向かってきた。

「主よ、何かあったのか?」

 おれの前に立って、質問するナナ。

 すると、奴隷兵の間に緊張が走る。

 緊張は訓練によって即座の行動に変わる。奴隷兵達は一斉に武器を持って、整列しておれに注目した。

「安心しろ、そういうのじゃない。ナナ、お前にちょっと協力して欲しい事がある」

「協力とは?」

「新しい技を開発した、そのテストに付き合って欲しい」

 そういうと、奴隷兵は一斉にほっとした。

 戦いではない、ってことでほっとしたんだろう。

 同時に大半が興味津々って顔になった。

 今までも何回か似たような事があったからだ。

「またカケル様が新しい技を編み出したの?」

「確かにナナ様じゃないと試しにもならないもんね」

「今度はどんな技なんだろ」

 がやがやと、女達が口々に興味をしめした。

 今までの事ですぐに納得した奴隷兵たち。

 一方、ナナは動じることなく、剣を構えておれに聞いてきた。

「わたしはどうすればいいのだろうか、主。受けるのか、それともこちらから攻めるのか」

「その前に――ニキ、第一小隊前に出ろ」

 ニキ・セフェリスが率いる第一小隊が命令通り前にでた。

「なんでしょうか」

「耳を貸せ」

 おれはニキに耳打ちした。

 ニキは驚きつつも頷いた。

「了解しました」

 おれはナナに向き直って、エレノアを抜き放つ。

「待たせたな、こっちから行くぞ」

「はっ」

 ナナが剣を構える。

 緊張が高まる。おれ達の間だけじゃなくて、観戦気分の奴隷兵達も固唾をのんで見守った。

 そんな中、おれは無造作に踏み込んで――無造作にエレノアを振り下ろした。

 ガキーン。と、やや気の抜けた金属音が聞こえる。

「……」

 エレノアの斬撃を受けたナナが戸惑った。

 なんだ今のぬるい一撃は、って顔だ。

「ニキ」

「はっ。第一小隊、かかれ!」

 おれが一歩下がって、代わりに第一小隊の二十人が一斉にナナに飛びついた。

 さっきと見てたものまったく同じ光景、小隊一つvsナナという構図だ。

 先陣を切ったニキがナナに攻撃する、ナナがそれを難なく受け止めた――瞬間。

 バシュッ! という音がした。

 ナナの剣に黒いオーラがはじけ、彼女の身体に衝撃が走った。

「なっ――」

「はあああ!」

 オーラの衝撃で一歩後ずさったナナ。そこに別の奴隷兵がすかさず追撃する。

 攻撃をして、ナナがまた受ける――するとまたオーラが爆ぜる。

 おれはエレノアを鞘に収めて、腕組みして眺めた。

 これが、シラクーザの秘宝でおれが考えた技だ。

 おれは考えた。

 おれが一人無双するだけなら、777倍の能力と追加攻撃、それに魔剣の母娘さえあれば事足りる。

 多分だが、天下取れるくらいの力だ。

 だからおれ自身を強化する必要はもうない。

 かわりに、考えた、最近おれがやろうとしてること。

 マイブーム、とも言える事を。

 女達を、おれが自分の女達を率いて、一緒に戦うためにはどうしたらいいのか。

 女達を最大限に使い――活躍させる。

 その発想を元に作ったのがこの技だ。

(なにがどうなってる?)

 目の前の光景にエレノアは疑問を持った。

 おれが一人で考えたものだから、彼女は詳細を知らない。

「あの一撃でお前のオーラを打ち込んだ。オーラは普通にしてたらなんともないが、攻撃を受けると反応して衝撃を内側から与えるようにした」

(ふむ。あやつが奴隷兵の攻撃を受ける度に追加のダメージを負う、ということだな)

「そういうことだ」

(ならばこういうのはどうだ?)

 エレノアがそう言ったあと、頭の中にダイレクトでイメージが流れてきた。

「おまえ、エグいな」

(魔剣だからな)

「なるほどな」

 おれは頷き、声を張り上げた。

「第六から第十小隊。弓矢構え、ナナに斉射。第一小隊はすぐに下がれ」

 奴隷兵は即座に動いた。躊躇することなく、100人が一斉に弓を構え矢をナナに放った。

 ナナに対する信頼、日頃している訓練、そしておれの命令は絶対服従。

 様々な要素が合わさって、命令をノータイムで実行した。

 100人の矢が一斉にナナに降り注ぐ。

「――はああああああ!」

 ナナは息を吸い込んで剣を振るった。

 嵐の如く舞う剣の電光が次々と矢をはじいていく――が。

「くぅっ!」

 形のいいナナの眉がひそめられ、苦悶の声を漏らした。

 矢をはじく度に――奴隷兵の攻撃をはじく度に、魔剣のオーラが爆ぜていくのだ。

 エレノアの提案。

 攻撃の度にオーラが爆発するのなら、矢の一斉射で手数を増やすのはどうなのかと。

 彼女の提案は、まったく想像通りの効果を生んだ。

 あのナナが奴隷兵の攻撃に押されている!

「本当エグいな、お前」

(したたかと言ってくれ)

「ものはいいようだな」

 矢が全てはじかれた。

 ナナは地面に剣を突き立て、肩で息をした。

 体に怪我はない、100本の矢は全部はじかれた。

 なのにナナは疲れ切ってる。剣を杖にしなければ今にも倒れそうなくらいふらふらだ。

 こんなに短期間で消耗した彼女を見たのは多分初めてだ。

 そして、同じくはじめてナナの消耗を見た奴隷兵達は。

「やっぱりカケル様すごい……」

「あのバケモノみたいに強いナナ様が……」

「知ってたけど……知ってたけどやっぱりすごい……」

 その姿が、ストレートにおれへの尊敬に結びついたのだった。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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