挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

シラクーザ王国編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

102/288

101.カケルの加護

 チグリスの町から少し離れた所にある、ピションという名の砦。

 そこから数キロ離れて、遠目に見える所に来ていた。

「主。ナナ・カノー以下204名、準備完了した」

「ご苦労」

 振り向き、部隊に目を向ける。

 おれとナナが鍛え上げた精鋭揃いの奴隷兵の前に、三人の女がわくわくした様子で立っていた。

 ヘレネー、リカ、アウラ。

 三人とも奴隷兵と同じ服を着てるが、紛れ込んではいない。

 同じ格好をしても、隠しきれない程のオーラが出ている。

(カケルー)

 今度は空から声が聞こえてきた。

 半透明姿のメイド幽霊が二人着陸する。

 タニアとペギーの二人だ。

 二人は砦に偵察に行ってもらった。

「どうだった?」

「警戒してるよ。数はね……」

「531人」

 ペギーが答えた。

 またちょっとおれに怯えてるのか距離を取ってるのか、それとも単にそういうきっちりした性格なのか。ペギーはタニアに比べて正確な報告をしてきた。

(そうそう、531人。こっちの2.5倍くらいだね)

「よくやった」

 二人をねぎらう。タニアは素直に喜び、ペギーは複雑そうな顔をした。

(500人か)

「丁度いい数だ」

(貴様一人でもな)

「それじゃあ意味がない」

 エレノアが言うように、500人ってのは「丁度いい数」だ。

 砦にこもったことを加味すれば、おれ一人が「ちょっと手こずる」くらいの数である。

 だが今回はそう言う話じゃない。

 振り向き、三人の女の元にむかう。

「これから突撃してピションの砦を奪う。準備は出来てるか?」

 三人が一斉に頷く。

「能力を貸し出す。ヘレネーは前と同じ短刀術でいいな?」

「ええ」

「リカは?」

「こういうのが得意よ」

 そういって炎の玉をだした。

 弱くて、実用性がなさそうな感じだ。

「炎の魔力だな、わかった。アウラは?」

「こういうのをならってきたんだけど」

 アウラはそう言って一本髪を抜いた。それをあわせた手のひらの中で揉みしだく。

 手を離しあと、それが細かく切れていた。まるでミキサーにでもかけられたかのように。

「攻撃に使えるのか?」

「そういう技よ」

「ふむ。ならおれに使ってみろ」

 そう言ってアウラから距離を取った。

「いいの?」

「ああ」

 事もなさげに頷く。

 アウラは少し迷った。左右のヘレネーとリカをチラ見した。

 二人は頷いた。大丈夫、やって見て、と言わんばかりに。

 アウラは腹をくくって、今度は片手でちぎれた髪を握りしめ、それを飛ばした。

 飛んできた髪は鋭い風斬り音を上げた。

 まずい!

 その考えが一瞬頭をよぎった。

 エレノアを抜いた。

 キキキキキーン!

 金属音がして、髪を全部刀身で受けきった。

 予想外の攻撃力だ。

(油断するからだ……なんだそのにやけツラは)

 楽しいからだ。

 一瞬肝を冷やしたが、それはむしろ嬉しい。

「やるなアウラ」

「そう?」

 アウラはまんざらでもなかった。

「それを強化する。どういう原理でやってるんだ? 魔力か? なんかの生命エネルギーか?」

「風の魔法と回復魔法の応用技よ」

「回復? なるほど」

 よく分からんが、それだけわかれば問題ない。

「よし、じゃあ行くか。まずは小手調べにあの砦を落とす」

 頷く三人、顔がわくわくしてる。

「ヘレネー・テレシア・メルクーリに短刀術を貸し出し」

『ヘレネー・テレシア・メルクーリに短刀術を貸し出します。残り2分59秒』

「リカ・カランバに炎の魔力を貸し出し」

『リカ・カランバに炎の魔力を貸し出します。残り2分59秒』

「アウラ・トリデカ・コモトリアに風の魔力を貸し出し」

『アウラ・トリデカ・コモトリアに風の魔力を貸し出します。残り2分59秒』

「アウラ・トリデカ・コモトリアに回復の魔力を貸し出し」

『アウラ・トリデカ・コモトリアに回復の魔力を貸し出します。残り2分59秒』

 限定くじ引きでゲットした能力貸し出しをつかった。

 二倍期間中に引いた二等賞が大量にあるから、それを三人に使ってやった。

「えっ? なにこれ」

「力が……みなぎる?」

 リカとアウラが困惑した。

「二人とももう一度力を使ってみて。さっきとだいぶ違うはずですわ」

 経験のあるヘレネーが二人にいう。

 リカは炎の魔法を使った。

 炎の玉が出た、さっきよりも遙かに巨大で、フレアが飛び回る小さな太陽の様な炎の玉だ。

 アウラはもう一度髪の毛を飛ばしてきた。

 ぶおおおーん! というぞっとするような音と、受け止めたエレノアを握る手がちょっとしびれた。

「カケル様の力だわ。それを二人に貸したの。いまの二人はカケル様の加護を得てる状態よ」

「カケルの……」

「加護……」

 つぶやく二人。おれを見る目がますますうっとりした。

 そんな彼女らを引き連れてピション砦に突撃していく。

 喚声をあげて、突撃する。

 反撃がくる、矢が雨あられの如く降り注いできた。

 エレノアを振って矢をはじく。

 ちらっと三人を見る。

 経験のあるヘレネーはやっぱり落ち着いてて、短刀で矢をはじいた。

 リカは炎の魔法で矢を溶かした。

 髪で迎撃したアウラは打ち落としきれず、一本、矢を受けてしまった。

「あれ? 怪我がない……」

 不思議がるアウラだが、すぐに納得した。

「そっか、これも加護なんだ」

 と納得した。

 厳密にはおれであって、おれではない。

 アウラが怪我をしなかったのは、奴隷兵の中に紛れ込ませた、一等賞の貸し出し一時間を使った、体力マシマシのメリッサのおかげだ。

 不死の聖女メリッサ、それに777倍の貸し出しつき。

(過保護だな)

 何とでも言え。

 エレノアのからかいは無視した。

 女達の無事と、好きに活躍させるのが大事だ。

 砦は一時間も経たない内におちた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ