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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

シラクーザ王国編

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99.とんでもないスキル

 くじ引き所から戻ってきて、ワープの羽でイオをピックアップして、オリクトの谷にやってきた。

 谷の主、不死身の魔物オリクトはおれを見るなり逃げ出した。

 コミカルなマンガとかだと汗を吹き出しながらの、それくらいの勢いで逃げた。

「おー、逃げる逃げる」

(逃げて当然だ、今まで貴様がやってきた事を考えると)

「止めちゃいます?」

 イオが魔法の杖を構えて、オリクトを見ながら聞いてきた。

「いい、今日はあいつが目的じゃない」

「じゃあどうしてここに?」

「ちょっと待ってろ」

 呪文を唱えて、雷の魔法を壁にぶっ放した。

 イオから覚えた魔法で、岩壁のオリクダイトが轟音をたててバラバラに砕け散った。

「うぅ……カケルさんずるいです」

「ずるい?」

「そうですよ、そんなに強い魔法を使えるなんて」

「強いって言ってもイオの八割程度だし、そもそもお前から覚えた魔法なんだから」

 この世界で魔法を覚える方法は二つある。

 一つは真っ当に修行して覚えること。

 もう一つは魔法を喰らうこと。

 喰らった魔法の適性があり、かつ生き延びる事ができればそれだけで使える様になる。

 全能力777倍をもってこの世界にやってきたおれは生命力も魔法の適性も777倍だ。

 体制もあって、イオから喰らって生き延びた。それで使える様になった。

「魔法使いじゃないのに」

「ふむ。剣士って感じでもないんだけどな、おれ的には。というかなんになるんだおれ」

 魔法を使えるけど、剣とか肉弾戦がメイン。

「勇者とか英雄とかか?」

(どっちもろくなものではないな)

 エレノアがゲラゲラ笑う感じで突っ込んできた。

 大勢の英雄達を知ってるからこその言葉だな。

 まあ、そんなのはどうでもいい。

「さて、テストをはじめるか」

「あっ、はい。わたしは何をすればいいんですか?」

「立ってるだけでいい」

「え?」

 戸惑うイオに微笑みかけて、能力を発動する。

 確定くじ引きで引いた、『コピープラス』。

「イオの雷の魔力をコピー」

『イオ・アコスから雷の魔力をコピーします』

 能力をイオの雷の魔力に指定する。

 次の瞬間、魔力の高まりを感じた。

「さがってろ」

「はい」

 首をかしげながらも言われた通り下がるイオ。

 それを確認してから、もう一度雷の魔法を唱えた。

 組み上げる魔力が爆発する。

 さっきの倍近い規模で魔法が炸裂した。

「すっごーい。さっきのは手加減したんですかカケルさん」

「いやそうじゃない」

 否定して、イオをまっすぐ見る。

「おれの新しい能力だ。目の前にいる人間の能力をコピーして上乗せするんだ。今のはお前の雷の魔力をコピーしたんだ」

「そうなんだ! あっ、だから倍くらいに」

「そういうことだな」

 少し考えて、イオに言った。

「イオ、お前も魔法使ってみてくれ。おれも一緒につかう。コピーなのかどうかを確かめたい」

 前に引いた能力の貸し出しだし、倍率を貸し出してる時はおれ自身それを使えない状態になる。

 だが今回のは「コピー」で、「貸し出し」じゃない。

 だったらイオに残るんじゃないか、って思う。

「わかった」

 頷くイオ、魔法の杖を構えて、魔力を高める。

 おれも同じようにする。

 アイコンタクトをかわし、うなずき合って、同時に魔法を放った。

 雷の魔法が炸裂した、オリクダイトの破片が辺り一帯に飛び散る。

「イオは全力か?」

「うん! いつも通りだよ」

「なるほど。ちゃんと『コピー』になってるな」

「うわ……カケルさんってすごい。だってだって倍になるって事だから」

「まあそうだな」

 予想よりもかなり使える能力みたいだ。

 能力貸し出しの上位互換ってところか。一つしかないのがネックだが、それを補ってあまりある性能だ。

(強力だが貴様にはあまり意味のない能力だな。貴様の能力値よりも高い、それか匹敵するものはそう多くない。貴様より弱い人間をコピーしたところで上乗せはたかがしれてる。それに)

「それに?」

(貴様より強い相手がいるときに一番効果を発揮する能力ではないか。そんな相手……いるのか?)

「……まっ、マイナスの能力じゃないからそれでいいだろ」

(それはそうなんだがな)

 脳内でエレノアが肩をすくめたのを気配で感じた。

 確かに強力だが、爆発的に強くなるわけでもない。

 最初はいいものだと思ったが、エレノアの指摘で肩すかし感を感じるようになった。

「さてかえるか。付き合ってくれてありがとうな」

 イオにお礼をいって、ワープの羽を取り出す。

 さて、そろそろフィオナ達の話が終わってる頃かな。

(ねーねーおとーさん)

 ワープする直前、黙ってたひかりが口を開いた。

「どうした」

(どうしてつよいイオおねーちゃんをこぴーしないの?)

「強いイオ?」

 どういう事だ、と首をかしげる。

(うん。おとーさんの力でつよくなったイオおねーちゃんだよ?)

(……能力貸し出し後か)

 エレノアがいう、おれははっとした。

「イオ、ちょっとそのまま立ってろ」

「うん!」

「イオに雷の魔力を貸し出し」

『イオ・アコスに雷の魔力を貸し出します。残り4分59秒』

「イオの雷の魔力をコピー」

『イオ・アコスから雷の魔力をコピーします』

「イオ、全力で撃て」

「うん!」

 イオが魔力を高める、おれも同じように呪文をとなる。

 二人分の魔力がたかまる。

十界百雷陣ライトニングハンドレッド!」

「はああああ!」

 魔法が炸裂する、777倍の雷の魔法が二人分同時に。

 無数の雷が岩山に降り注ぐ。

 轟音、地鳴り、そして衝撃。

 それらが全て収まった後――。

「山が……ない」

 驚愕するイオ。

 魔法が直撃したそこはぽっかり穴が空いていた。さっきまであった岩山が跡形もなく吹き飛んでいる。

 そこでオリクトが再生していた。

 逃げたはいいが広範囲魔法×2に巻き込まれたようだ。

 不死身故の超再生が逆に哀愁を誘う。

(わあ、おとーさんすごい。イオおねーちゃんすごーい)

 ひかりは無邪気に喜んだ。

(ふむ、前言撤回しよう)

 エレノアが神妙な顔で言った。

(とんでもない能力だ)

「そうだな」

(そして貴様はいよいよとんでもない域に足を突っ込んだな)

「ああ」

 くじ引きのスキルにシナジーが生まれ、とんでもない効果を生み出していた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
+注意+
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