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くじ引き特賞:無双ハーレム権 作者:三木なずな

くじ引きの異世界編

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9.魔法戦士カケル

 山ウシ相手に色々試してみた。
 正面から受け止めた後、担ぎ上げて頭から地面に落とした。
 腰を深く落として、見よう見まねの正拳突きでカウンタした。
 ローキック、ハイキック、体をひねって回し蹴り。それっぽいコンビネーションをやってみた。

 色々やった。どれもこれも山ウシを瞬殺できた。
 その結果、山ウシ三頭分の収入を確保できたけど、力の使い方を覚える、うまく使いこなすという目的はまったく果たせていない。
 結局技とかじゃなくて、身体能力に頼ってる感じが強い。

 強キャラを適当にガチャガチャ動かしたら勝てたって感じだ。
 それは面白くない、もっとこううまく動かしたい。

「やっぱり、どっかでちゃんとした技とか学んだ方がいいかな。剣術とか、体術とか。なんかそういう道場に入ればいいのかな」

 三頭目を換金した後、街中を適当に練り歩き、そんな事を考えた。
 この分じゃそのうちだだっ子パンチをやっても狩りが出来そうで、それはあまりにもかっこわるすぎる。

 色々考えて、適当に歩く。
 通行人の中に、魔法使いらしい格好をしてる人がいた。
 長いロープを着て、杖を持っている。
 魔法か、そういえばアルモッソに魔法喰らってたな。あれも技って言えば技なんだよな。

「そういえば」

 ……魔法って、おれには使えないのかな?

     ☆

「結論から申し上げますと、可能性はございます」

 もうすっかり顔なじみになったサラマス。
 商会をたずねて、魔法を使えるのなら使ってみたいって話したらそう言ってくれた。
 おれが色々知らない事をもう知っているから、話が早くて助かる。

「本当?」
「はい。基本的に人間であれば魔力は持っております。それが多いか少ないかで、うまく魔法として行使できるかどうかというだけの話でございます」
「誰しも? 例外はないのか?」
「ございません。弱くて実用のレベルに達しない、というのならままありますが」
「へえ」
「診断をお受けになってみますか? すぐに使える様になると言うことはありませんが、どれほどの魔力があるのかをすぐにチェックする方法がございます」
「ここで出来るのか?」
「しばしお待ちを」

 サラマスは店の奥に引っ込んでいった。しばらくして、水晶玉を持って戻ってきた。
 それをカウンターの上に置いて、言った。

「これがそのための道具でございます。このようにして手のひらを開いて触れると――」

 透明だった水晶玉、サラマスが触った途端、真ん中が光り出した。
 豆電球のような、弱々しく揺れて、今にも消えそうな光だ。

「外れてたら悪いんだけど……これって結構弱いってことなのか?」

 直感的に感じたものをそのまま聞いた。

「左様でございます。当方には魔法の才能がございませんな。まあ、王家の紋章の真偽を確かめる魔法を使うのが精一杯でございます」
「ああ、あれか」

 この街に入ったとき兵士がやってたのを思い出す。

「これに触るだけでいいのか? なんかする必要は?」
「ございません。ふれれば判別される。そういう代物でございます」
「わかった」

 おれは手のひらを水晶玉の上にのせた。
 瞬間、同じように中心から光り出した。
 白い光、直視しているのも辛いほどのまぶしい光。
 それが爆発的に広がって――水晶玉も爆発した。
 粉々に砕け散った水晶玉。破片が部屋中に散乱する。

「こ、これは……」
「えっと……これってどういう事なんだ?」
「しばしお待ちを」

 サラマスはもう一回奥に引っ込んで、一回り大きい水晶玉を持ち出した。

「ささ、これでもう一度」

 なんかの故障か、不良品だったのかな?
 おれはそんな事を思いながら、大きい水晶玉に手のひらを重ねた。
 真ん中が光り出して、白くまぶしい光が広がる――ここまではさっきと一緒で、今度はまぶしく光るだけで爆発することはなかった。

「この色合いは……よもや……」
「どういう事なんだ?」
「強大な魔力でございますな」

 サラマスが感嘆しつつ言った。

「ざっと見積もって、一般的な成人男性の百倍はございますな……いやはや」
「百倍か、まあそんなもんだろ」

 微妙にへこみそうになる結果だ。
 だってここに来る前にもらったスキルって「全能力777倍」だぜ? それで上がった結果普通の百倍っていうのは、もとは相当低いって事だ。
 ……いやよく考えたらそんなもんか。日本人のおれが普通に魔法使える程の魔力を持ってたら逆におかしい。
 元が0で、777倍にしても0だって言われても普通に納得しちゃうな。
 うん、納得だ。
 おれはそれで納得してたけど、サラマスは変な顔でおれを見ていた。
 ビックリしてるような、尊敬? してる様な顔だ。

「さすがユウキ様、お見それいたしました。まさか魔法においても宮廷魔術師レベルの力をお持ちだったとは」
「魔法を使える位にはあるんだよな? それで、実際に使うにはどうすればいいんだ?」
「方法としては二つございます。一つはしかるべき師をつけて、得意な魔法を見極めてもらって、それを習う。正道ですな」
「だな。もう一つは?」
「攻撃魔法に限定されますが、実際にその身でうけた魔法がもし才能的につかえるものなら、自然と使える様になります。ただしこれは命の危険があるため、邪道中の邪道――」

 サラマスは眉をひそめながら言った。
 えっと、喰らったら使える様になる……ってことは。
 おれは手をかざして、なんか感覚的にそれをやった。

「アルモッソから喰らったのが確か炎の魔法だから――」

 手のひらから火の玉がでた。
 おお、魔法が使えた。なるほどなるほど、一回どっかで喰らえばいいんだ。
 それならわざわざ学びに行かなくても、そのうち少しずつ使える様になっていくから、それでいいだろう。
 しかし、魔法かー。
 炎の魔法が使えるんなら、次は出来れば氷の魔法でも覚えたいもんだ。
 たとえばこうやって左手に炎をだして、右手に氷を――。

「おお! 氷の魔法も。さすがユウキ様ですな」

 サラマスがいうが、おれはビックリした。
 おれ、なんで氷の魔法が使えるんだ?

     ☆

「ご主人様!!!」

 帰宅すると、ミウがいきなり涙目で抱きついてきた。

「どうしたんだミウ、お帰りのもふ――」
「ご主人様! ご主人様!」

 一生懸命しがみついてくるミウ。なんかすごく必死で、体も震えてる。

「どうしたんだ?」
「で、出たんです」
「なにが?」
「出たんです!」
「だから何が?」
「うぅぅ……」

 顔を埋めて、しがみついてくる。
 一体何が出たって言うんだろう。
 ネズミか? それともGか?
 女の子だしどっちもあり得る――。
 パチン! 何かがはじけた音がした。

「ひぃ!」

 ミウが怯える。原因はどうやらこの音みたいだ。
 音の方向を見た、屋敷から聞こえてくる。
 はじける乾いた音――ラップ音。

「ああ、そうか。そういえばここって幽霊屋敷だったっけ」
「えええええ! ご主人様ぁ……」

 ミウがいよいよ泣き出しそうな雰囲気だ。

「ごめんごめん、言うの忘れた。というか普通に忘れてた」

 でもそうか、本当に幽霊屋敷だったんだ。普通に過ごせてたから、その事をすっかり忘れてたよ。
 おれはいいんだけど(実害ないし)、でもミウがこれじゃなんとかした方がいいよな。
 屋敷の方を見て、考えて。さて、どうしたもんかな、と。

「ん? 今一瞬光らなかっ――」

 言い切るよりも先に、屋敷が氷の魔法を放ってきた。
 氷で出来た矢が何本も出現して、おれめがけて飛んできた。
 それを叩き落とす。
 屋敷が氷の矢を放ってきた。

「すごいな、まるで要塞みたいだな」

 なんだか楽しくなって、テンションが上がってきた。
■ドラマCD試聴サンプル公開
活動報告、もしくはyoutubeに「くじ引き特賞」で検索してみてください。

【タイトル】くじ引き特賞:温泉ハーレム権
【キャスト】
カケル :石川界人さん
ひかり :山下七海さん
ヘレネー:佳村はるかさん
ナナ  :諏訪彩花さん
イオ  :三森すずこさん
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