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第173話:『崩壊の寓意』と『泡沫の世界』
まるでこの世界の神話の終わりが近づいているように崩壊し始めた光りの都の市街地で、そうして崩れ去っていく世界へと響き合うように佇む青年がいました。
「やっぱりあなただけは舞人のために訪れていたわけではなかったのね友秋?」
「永遠に変わり続けないものなんてないからさ。この世の中や時の流れの前では」
この聖夜の神話の終わりの果てにはどんな物語が紡がれていくのでしょう。
魔術師の少女もまだそのことはわかりませんが、この世界の崩壊に溶け込む青年が"神々の大陸へと災厄を起こそう"としていることだけは確信をしていました。