表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
“Kiss to Freedom”  ~世界で最後の聖夜に、自由への口付けを~  作者: 夏空海美
Chapter5:Kiss to freedom , because Kiss to love.
179/187

第168話:『笑顔の重奏』と『彩雲の未来』

 本当に舞人や惟花や桜雪や静空ちゃんだけだったのでしょうか? この聖夜の日に冬音ちゃんの事が大好きで助けてあげたいと願っていたサンタクロースたちは。


「はぁ。貴方はこんな時も道に迷っていたのですか。驚くような役立たずですね」


「貴女の居場所はもちろんわかっていましたが、これだけの干渉はやはり厄介で」


「厄介なのはこちらでしょう。なぜに貴方は私の居場所を把握しているのですか」


 冬音ちゃんが桜雪たちを導いてくれた“異空間への幻想の街並み”。そこがあとわずかのところで崩れ去ってしまう時に、桜雪たちに手を貸してくれたのは――、


「“なんか大福でかくない?”じゃないのよ怜志。奏大たちの事はどうしたの?」


「なんていうか俺もやっぱり静空さんたちのことが心配で助けに来ちゃった」


「そんな言い訳はもう舞人だって許してもらえないのに、あなた本当に馬鹿ねぇ」


 お化け青年と怜志くんでした。


「! 怜志くんとお父様のお友達の不思議な帽子のお兄さん! やっぱり怜志くんと不思議な帽子のお兄さんもギャグキャラだったんですか、ギャグキャラ!?」


 冬音ちゃんはお化け青年と怜志くんの登場にも大喜びのようでしたが、溜息気分である桜雪と静空ちゃんはそれぞれそういうわけにはいかなかったようです。


 でもこうして冬音ちゃんの笑顔を守ってくれる怜志くんやお化け青年が冬音ちゃんにとって優しいサンタクロースなら、怜志くんを送り出してくれた奏大くんたちも冬音ちゃんにとってはやっぱり優しいサンタクロースなのかもしれません。


「でも俺達はさみんなこんな冬音に魅了されたサンタクロースなんでしょ静空?」


「まぁもしかしたらそういうところも冬音の不思議な力の1つなのかもね?」


 桜雪たちが誘われた幻想街。そこでは終わるべき世界へと最後を招いているような黒き霧が包んで、無限の黒き影たちが生み出されているようでしたが――、


「でも貴方も律儀な方ですね。最後まで怪しい道化のままこの世界にいたなんて」


「私にとっての舞人様や惟花様は貴女にとっての風歌様のような存在ですからね」


 冬音ちゃんのお願いを叶えてあげたいお友達サンタクロースたちの活躍はもちろん、どこかでは“本物の絵本サンタクロースさんのお姉さんたち”も微笑んでくれているのか、黒き霧の世界でも止まることなく光を探し続けられましたが――、


「!!! 桜雪ちゃんと不思議な帽子のお兄さんと、静空ちゃんと怜志くんと、お日様ちゃんと大福ちゃん! やっとギャグキャラの本領領揮ですよ!」


「「「「「「?」」」」」」


「あのすごく恐そうな嵐にもとりあえず突っ込みましょう!」


 優美なる滅びの世界を描いているような幻想街に相応しく”数千の魔法の破片を燃やしているような焔の大嵐”が行く手を遮りましたが、”おそらくこのままでは終わらないんだろう”と、誰もがこの先の驚くような展開を信じた中で――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ