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第136話:『秘鑰の白翼』と『声涙の大空』
羨ましかったのかもしれません。
自由なる翼を持っている白き青年のことが。
憎ましかったのかもしれません。
自由なる翼を持っている白き青年のことが。
確かに白き青年は何も悪くありません。
でも彼は”この世界でたった1人の罪人”なのです。
少女は青年の全てを知っていました。
だから白き翼をさらってしまいましょう。
そして翼に“神の名”を刻みましょう。
世界はこんなにも広いのです。
“純白の神”は翼を背負った時にどれほど自由にこの大空を飛べるのでしょうか。