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第134話:『劈開の本当』と『他律の虚偽』
友情が馬鹿らしいとも思いません。
本当の友情が壊れてしまうとも思いません。
でも人の絆というものは人の手によって壊されてしまうのが世の常なのです。
だから少女は願いました。
本当の愛や友情が壊れ行く定めなら、嘘の愛と友情で世界を染めてしまおうと。
真実のほうが偽りよりも素晴らしいなんて誰が決めたのでしょう。
偽りのほうが真実よりも劣っているなんて誰が決めたのでしょう。
世界はこんなにも誤っているのです。
なのにどうして人々はそこまでして“真実”のみを追い求めるのでしょうか。




