たくらみ
少女を手放した中年女はずっと疑問に思っていた。見た目お金持ちで無い青年が大金を用意出来た事を。気になって数ヶ月隠れながら様子を見ていた。すると疑問はさらに増えていった。青年は働かずして毎日の様に少女と一緒なのだ。きっと遺産か何かを持っているか犯罪をしているに違いない。これはもっとお金になると考えた。そこで若衆を見張りにつけた。
するとどうだろう?留守に家に忍び込んでもお金を隠しているでもなく誰かが届ける訳でもない。
しかし毎日カフェでお茶を飲んだり食事をしてる。泥棒をしてるそぶりないのだ。ある時、若衆は一定の行動に気がついた。それは必ずカフェで宝くじを引いているのだ。そして小銭ではあるが必ず当たった。最初は偶然だと思っていたのだがわざわざ別のカフェで分けて買う事でそれはワザとだとわかった。きっと人にばれないようにしているのだ。早速戻って報告する事にした。
「親方、なんか怪しいですぜ。アイツはクジの当たりがわかる見たいだ。小銭みたいだけどそれで生活してるんでさ。」
「それは変だね。誰かと組んで不正してるのかい?それとも手品か詐欺をしてるんだろう?」
「きっと良い金儲けを知ってるだよ。少女を安く渡してしまったね。もっと踏んだくってやる。」
中年女は計画を立てる事にした。とにかくアイツは何かの秘密を隠している。仕事をしなくても平気な何かを。少女を手放した事に惜しくなった気持ちと金ずるを見つけた気持ちでいっぱいだった。