三十四
「はーるーくん♪...死ぬ?」
春にしがみついていると突然聞こえた声。
この声は....!!
「ゆずきー!!!!」
「よしよし怖かったぁ？」
てかどっから出てきた?
....部屋の中にいたよね？
「なんで隠れてたの?!酷いよっ」
真っ暗だったのも全部意図的にやった事!?
「えへへごめんね。
でも言いだしたのは來だよ」
「柚木ィィィ!!裏切るのか!?」
!?まさか全員いるの?
「え、だって本当の事でしょ？」
「つーかお前出てくの早ぇんだよ!!
もう少し隠れてろよ!!
煉もちゃんと隠れてたんだぞっ」
......煉？
「れ〜ん〜くんっ出てきてよ」
ふざけてんなよ、馬鹿どもが☆
「あ？なんだよ」
えへへ〜なめてんの？
「なんだよ、じゃねーよっ!!」
「!!ってぇな」
え？なにしたって？殴ったんだよ☆
「知るか!!こっちは...こっちは...
怖かったんだからぁ..っ....」
「わかったから泣くなって...」
「泣い..て...ない、もんっ」
泣きそうだけど泣くもんか!!!!
こんなやつの前で泣かないもんっ
「あ〜煉が懍泣かせてる〜」
今は悪魔にしか見えないわ!!馬鹿諒!!
「ちょっ...懍、ごめんな？な？」
「ゆぅ〜やぁ〜っ」
まともなのは君だけだ!!
どっかの腹黒二人組は笑ってるし、
馬鹿共も爆笑してるし.....楷は寝てるよ!?
「わわっ....////」
「....おい、御堂」
優弥に抱きついてるとひっく〜い声が...
「俺!?これはお前らが悪いだろ!?」
「...あ？」
煉サンです。
「煉なんか嫌いっ」
「あわわ...り、懍っ...それはヤバイ...」
なによぅ....ヘタれ？優弥はヘタれなの？
「ヘタれじゃないっ!!」
え〜でも煉にそんなビビってたら.....
ヘタれでしょ。
「違う!!!」
ってかまさかのまさかで.....
「声にだしてる!?」
「思いっきりな」
「うみゃ!?」
腕...!!肩の関節外れる!!
「んっ...!?ふ...ぁ...」
え？え？えぇ?!
き、キスされた....？
「隙、ありすぎ」
「ば、馬鹿煉ー!!!!」
みんないる前でなに堂々としちゃってんの!?
羞恥というものはないのかー!!
「嫌じゃないくせに」
ぎゃー!!!!やめてー!!
思わず柚木の後ろに隠れた。
「ちょっと煉今はやめてあげなよ〜
なんか怯える仔猫みたいになってるよ」
今は!?今はって言いました？柚木さん!!
今じゃなけりゃいいの!?
「....そうだな。ボソッ....後で」
今ボソッと後でって言わなかった!?
に、逃げなきゃ...!!
「しゅーちゃぁ〜ん...」
あぁ...なんか疲れたよ.....
いつの間にか春はいないし....
「ん？あ、懍お疲れ様。煉と付き合ってるの？」
そうですとも。俺様ですけど？
「秋良さんの息子だよね？」
そーですよ...てかいつの間に仲良く？
「うん、問題ないね」
なにがですか...萩ちゃん....
すごく怪しいよ、そのスマイル...
「今日わかるよ。本家いくから」
へー...本家ですか...って、え!?
「聞いてない!!」
「だから迎えにきたんだよ」
退院してすぐだよ？
「あ、もう時間。ゆずも行くよ」
よかった〜柚木も一緒か...
あ、別に家族関係が悪いとかじゃないよ？
まぁ...わかるよ。
「はーい。って事だからじゃーね」
「「「オィィィィ!!!」」」
みんなの突っ込みを無視して車に行った。
ーーーーーーーーーーー......
「...て....き..」
「ん......」
「おーきてっ」
んぬ...柚木おはよー
「懍、着いたよ。組長のとこ行っておいで」
萩ちゃーん...ヤダよ...
「萩さん、俺は？」
「ゆずも一緒に」
だっておじいちゃんって.....
「りーんー!!!!」
「うげ....」
「遅かったのぉ〜」
孫LOVEだから....
「組長....懍が死にかけてます」
助けてぇぇ...柚木.....
「おぉ!!ゆず坊か!!」
「いや...ゆず坊って歳でもないですって..」
「がはは!!わしの事もじいちゃんと
呼んでくれ!!」
「無理です」
押されてるよ...おじいちゃんの勢いに...
止めよう。うん、帰りたいし。
「おじいちゃん、話って何？」
「おぉ、そうじゃったな。
では、わしの部屋に行くぞ。
萩は夕飯の手伝いでもしてやってくれ」
「はい」
はぁ...やっとか。
「「「お嬢、頭、柚木さんお疲れ様です!!」」」
いや、なにもしてないよ？
全くもって疲れてないです。
君たちのが疲れてんじゃないすか？
「おぉ、お主ら萩を手伝ってやるのじゃ」
「「「はいっ!!」」」
ーーーーーーーーーー.....
「懍、よく聞くのじゃ」
部屋に入るといつになく真面目な面持で
おじいちゃんは話しはじめた。
「お前に....
見合いを考えておる」
「「え!?」」
い、いきなり!?
えぇぇ!!?高校生だよ?しかも一年!!
「ま、待ってください!!
そんなのいきなりすぎませんか?!」
ほら、柚木も言ってるよ?
「ならゆず坊はどうじゃ。
よく知っとる相手じゃろう？」
なぜ柚木ー!!!?
「い、いやいやいや!!!!
俺まだ死にたくないです!!」
死ぬ!?なんで死ぬ!?....あ、煉
「まぁ待て。その見合い相手じゃがの
イケメン(?)っていうんか？
まぁ顔がええんじゃ。
どうじゃ？考えてみんか」
顔とかの問題じゃないー!!!!!
煉に言ったら何されるか.......!!
「だ、誰なの？その相手...」
する気ないけど。
「懍も秋良の事知っとるじゃろ？
その柊の息子じゃ」
.......柊？
「「....煉」」
柚木と顔を見合わせた。
「ねぇ懍...煉って柊組だよね？」
「う、うん」
「じゃあ見合い相手って煉？」
いや、もしかしたら違うかもだし...
「おじいちゃん...その相手って
暴走族の総長やってる？」
「おぉ!!興味を持ったか。
たしかにやっとるぞ」
可能性....大
「その暴走族の名前...わかる？」
「たしか...海龍」
はい決定ー
「ねぇその総長の名前って柊煉？」
「なんじゃ、知り合いか？」
うん、まぁ知り合い...だね。
「あ....まぁ「煉と懍は付き合ってますよ」
すっごいアッサリ言っちゃったけど...
柚木サン...
「おぉ!!そうだったのか!?
丁度いい、煉くんを呼ぼうじゃないか」
えー!!!!!マジですか？！
ガラ
「竜樹〜!!来たぞー」
.....いやだ。
「柚木、逃げよう。今すぐ」
「む、無理だよ....
もう屋敷の中に入ってきてる」
ヤダァァァ!!!!!
「お願いー!!ね??」
「ごめんね」
うぅー...やだぁ...
パタリと柚木の膝の上に倒れた。
「頭、柊さんがいらしゃってます」
「通せ」
「はい」
ガラッ
「りーんちゃん♪」
あぅぅぅ.....
柚木に抱きついて顔を隠した。
「すみません...秋良さん...」
謝んなくていんだよ柚木ー!!
「相変わらずゆず坊にベッタリだなぁ」
うるさぁーい!!顔あわせたくないんです!!
「....おい」
「こら!!お前なんて口の聞き方を」
......え？幻聴？幻聴だよね??
「....懍」
「懍ちゃんを呼び捨てにするな!!」
幻聴じゃないようです。
「れ、煉....!!」
パッと顔をあげると、そこには
あからさまに不機嫌な煉様が.....
「な、なんでキレてらっしゃるのでしょう?」
「あ"ぁ"？」
ヒィィィ!!!!
怒ってるよ!!なんで!?Why!?
「はいはいわかったから怒んないでよ」
柚木!!何がわかったの!?
「わぁっ!?」
「っと...危ねぇな」
ぎゃー!!投げるなよ!!
しかも不機嫌総長様のとこに!!!
「ボソッ...お前安藤とイチャついてんじゃ
ねぇよ」
ビックゥ!!!!
み、耳元で喋るなぁぁぁ!!!!
前も言わなかったっけ!?
てかイチャついてないし!!
「降ろして!!」
「無理」
出来るだろー!!!!
「っお願い!!」
「無理」
何がだー!!!!!
「煉っ...おね「まぁまぁ」
まぁまぁじゃないしー!!!!
親父が二人そろってニヤニヤすんな!!
「なーんだラブラブじゃねーか」
「そうじゃな」
「そうなんですよ。もう俺らも呆れるくらい」
柚木ー!!便乗しないでぇ!!
「もう分かってると思うがお二人さんには
高校を卒業後結婚してもらいたい。
様子を見てればラブラブだしいいな」
あきちゃーん様子で決めちゃう!?
てか結婚て!!!
「じゃ、わしらは大広間におるからな。
懍、煉くんに屋敷を案内してやれ。
じゃぁ仲良くのぉ〜」
ガラガラ...ピシャン
「.....。」
「.....。」
「..案内するよ」
「お前の部屋見たい」
私の部屋？別にいいけど....
「なんもないよ？」
「いい」
って事で部屋にきた.....けど。
「煉....？離して下さい...」
「嫌」
「おねがっ...んんッ...ふぁ....」
「その顔...ヤベェ」
「ちょっ...れ、ん...」
入って座るとこないんでベットに座ると
押し倒されちゃった☆的な。
「んゃッ...やめ.....」
「なんで？」
そんな問いかけいりませんー!!!!
「ほら、おじいちゃんもいるし...
あきちゃんだって...っ....」
「きにすんな」
気にします!!!!
「だ、駄目だってば...!!」
「俺とすんの嫌？」
き、ききき聞くなー!!!!!
それになんか可愛いしっ....
「ち、違うけど....っん!?」
「なら問題無い」
あります!!!!
ッガン
「いってぇ...」
「わわわ....ごめんねっ...大丈夫!?」
おもいッきり突き飛ばしちゃったぁ!!
