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蝶姫  作者: 檸檬
33/35

三十三




「そこに正座しなさい」



こ、怖いよ朱鳥さん...



「で?懍、どうゆう事?」



きみも怖いよ...冬夜くん......



「いやぁ〜煉達が知らないのは知ってたけど

まさか冬夜達も知らないなんて...」



マジですから。

本気で知ってると思ってたし!!



「佐久間組って事は懍はただの組員って

事じゃないよね」



はい、その通りでございます...

今の組長は私...だけど高校生だから

祖父ってことになってる。



「一応、組長は祖父って事になってるけど

実際は私に全て決定権がある」



ようするに祖父は名前だけってこと。



「ふーん...柚木は?」



「えー...俺のことは別にいいでしょ?」



柚木は跡継ぎのいない佐久間にとっては

若頭みたいなもの。



「駄目。話して」



...言おうよ。お二方の後ろに般若と魔王が...



「もー怖いなぁ。俺はねぇ幹部だよ」



組の幹部にいる柚木。

私の幼馴染だからって理由じゃない。

ちゃんと幹部になれる強さがあるから。

まぁ言っちゃえば副総長の來より強い。



「あ、最年少幹部ね☆」



高校生だしね。



「でも他にもいるじゃん、次期組長」



私に隠し事は不可能だよっ☆



「「「「は....」」」」



そーんな驚いた顔しなくてもよくない??

苗字聞いたときから知ってたしー!



「ね、れーんくん♪」



柊煉...柊組ってね繋がっちゃったわけ。

珍しい苗字だし確信してた。



「...あぁ」



全く問題ないけどね。



「あきちゃん元気?」



柊秋良ことあきちゃん。

柊組現組長。



「親父のこと知ってんのか?」



「もっちろん」



だって柊と佐久間は仲良いもん。



「あ、奏と陸矢と萩ちゃんも幹部だよ〜」



桜花を引退した人は大体佐久間に入る。



「「「「「えぇぇぇ!!?」」」」」



まぁ萩ちゃんは例外。



「だからあんなに怖いんやな...」


「いやあれはもともとだよ千津」



でも奏って怖いかなぁ?

怒ってもそんなに怖くないんだけど...



「ねぇ今思い出したんだけどさ...

なんで幹部室いれてくれないの?」



みんなが、あっ....って顔した。



「ねぇねぇなんで?」



煉の顔を覗き込んで言うと、

.....目を逸らされた。


うりゅ...なんだよぅ...



「煉ー....?」



ちらっと横目で見られてまた逸らされる。

うー...あ、泣けてきそう.....



「....。」



煉から離れて柚木のとこにいった。

こんな事で泣きたくなくて近くにいたら

泣けてきそうで離れた。



「懍...」



柚木は多分わかってる。泣きそうな事。



「おいで」



差し出された手を握ると柚木が微笑んで、

少し落ち着いた気がする。



「ちょっとお散歩してくる〜」



そうやって小さい時から助けてくれて...



「懍、大丈夫?」



お散歩とかいいつつ倉庫にある柚木の部屋に

きただけ。



「ん....」



あんまり喋ると煉のいつもより素っ気ない

態度と柚木の優しさに泣けてきそうで...



「泣いていいよ」



頭を撫でて優しい声をだすのは反則だ...

泣いちゃうでしょ?



「ふ...ぅ....っ...」



ギュッと柚木の胸に顔を埋めて泣いた。



「...うぅ.....ッく」



だんだん落ち着いてきた時に、

柚木が話し始めた。



「ねぇ懍、俺ね嬉しいんだよ」



なにが...?



「懍に特別な人ができたこと」



特別って言うなら柚木だって...

來達に泣けって言われても私は泣かない。



「それでも変わらず俺といてくれる」



大切な人を失いたくない。

笑っていてほしいから。



「煉はねさっきの邪魔されたから

拗ねてるんだよ。

それに好きな子に上目遣いされて

頑張って理性を保とうとしてたんだよ」



あれは邪魔されてよかったよ。

だってあのままだと抵抗しきれなかった。



「懍が俺の所来たとき

俺、物凄い睨まれたしね。

懍が俺の手握った時とか出てくときとか

今にも殴りかかってきそうだったよ」



...嘘。だって殺気とか全く感じなかった。

きっと告白は煉の気の迷いだったんだ。

ほんとは私の事なんて好きじゃない...



「柚木....どうしたら煉の気持ちわかるかな」



「煉も素直じゃないからね」



知ってる。素直じゃないけど、

不器用だけど優しいんだ。



「もう戻る?」



「やだ....後ちょっ..「バァンッッ」..!!?」



「やーっと来た」



なんでここに?

荒々しく部屋の扉を開けたのは


ーーーーー....煉



「懍こっち来い」



顔を向けると走ったのか息を切らしてる煉



「な...に....」



ゆっくり近付いてくと痺れを切らしたのか

腕を引っ張られた。



「わ....っ」



抱き締められて動揺する。



「勝手に離れてんじゃねぇ」



「れ、ん...?」



どうしてそんな切ない声だすの?



「じゃーねぇ〜」



柚木がでてった部屋は静か。

だけど心地いいものだった。



「俺はお前が好きだ」



胸が高鳴る...どうして?嘘じゃないの?



「お前にとって安藤が必要なのも、

そこに恋愛感情がないのも知ってる」



「...うん」



柚木に恋愛感情を抱いた事はない。



「でも...嫉妬する」



なんか可愛い...



「んっ....」



「お前は俺のモノだ」



やっぱ俺様だった



「...ん、ッふ....煉...」



酸素を求めて口を開けばさらに激しくなる。



「ー..!!?んんッ....ハァ..」



逃げてもすぐ舌でからめとられて

力が抜けた時やっと唇が離された。



「あの上目遣いは...ヤバかった。

他の男にやるなよ」



してるつもりないけどなぁ...



「...幹部室、もう入れ」



入れっておかしくない??

いれなかったのは自分達なのに!!



「はいはい」



でも嬉しいから見逃してあげる。



ガチャ


「ただいま〜」



ってあれ...誰もいない?



「煉、誰もいな....」



煉、どこ?

さっきまで横にいたのに....

部屋は暗いし怖いよ...



「れ、煉っ!!」



シーン...


あぅ....怖い.......



「ゆ、ずき....?」



返事はない...

なんでっ?怖い、怖い怖い!!



「萩ちゃん...っ...」



怖いよ...涙がまた.....



「來....?冬夜ぁ...ゆーや!!

うぅ〜...みんなどこぉ...?」



(ちょ、泣き始めちゃったよ)


(優弥まだだ)


(懍、暗いとこ苦手なんだよ?

一人も嫌いだし...)


(仕方ないよ柚木)


(冬夜だってでたいくせに...)



暗いし一人ぼっちだしで不安な私には

そんな声は聞こえなかった。



「楷〜...朱鳥ッ....」


コンコン


「失礼します...って暗!!あれ、懍?」



「うわぁぁぁん!!春ぅぅぅ!!!!」



暗くて怖くて泣いてた私に救世主が...



「ど、どうしたんだよ!!」


「ヒック...みんな、いないの...っ」


「はぁ?そんなわけないだろ」


「怖かったぁぁ...!!」



パニックに陥ってた私との会話不可能。



「つか離してくんね?総長に殺される」



そういえば春に抱きついてるんだっけ...



「やだ...怖いもん」



離したら春も消えちゃいそうで怖い。



(ねぇ春殺してもいい?)


(駄目だ早まるな柚木)


(チッ...)


(煉も抑えてください)


(懍....)



「頼むから離してくれ...皆さんに

殺される...!!」



怖いもん!!やだぁぁ!!



「お願い春...みんなが来るまで側にいて」



こんなとこに一人でいられない!!


180cm位ある春と160cm位の懍との

身長差で上目遣いになってて、

顔が真っ赤になってる春に懍は気付かない。




「わ、わかったよ...」



「ありがと春!!大好きっ」



その言葉でさらに赤くなった春に

そろそろ幹部達も我慢の限界に...


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