三十一
「うわあぁぁあぁ!!!!」
「ッえ!?な、何事!?」
いきなり聞こえた叫び声での起床。
最悪の目覚めデス....
「ななななんでれ、煉がおるねん!!」
え、煉??
「昨日いないと思ったら.....
ここにいたんですか」
ココってどこ?!
「煉がなんで懍と寝てるの!?」
煉?寝てる...?
「うっせぇ...てめぇらなんでいんだよ」
耳元から声聞こえるんだけど....
てゆーか息かかってるしッ...
「懍のお見舞い」
楷助けてぇぇぇ!!!!
私、耳弱いんですー!!
耳にフーってやられると死ぬ!!!
「いらん」
なんで煉が決めてんだよ!!
そんな事より離してぇぇぇ!!!
腰にある煉の腕が太ももらへん
撫でてるの気のせいですか!?
つーか耳元で喋んないでぇッ
「っれ、ん...!!耳ヤダ、手も..ぁ」
変な声でるじゃん!!
喋るのもやっとだし...っ
「何が?」
楽しんでるよコイツ!!!!
悪魔の笑み浮かべてるよ!!!!
「〜〜ッ...////」
...あれ?千津の顔真っ赤なんだけど。
まさかの意外な純情boy!?
「ちゃうわ!!俺は純情やないっ」
新事実発覚。女たらしだと思っていた
千津くんはただの純情boyでした。
「千津、懍は俺の女だから手だすなよ」
改めて言われると恥ずかしいね、うん。
「はいはい分かってますぅ〜って
えぇぇぇ!!!?」
「やっとくっつきましたね」
「え〜...懍〜...」
「....懍、ほんと......?」
うぅぅっ楷が可愛いっ
諒より可愛くみえる.....!!
「ん、ほんと」
煉の呪縛からとかれて自由の身になった
から楷を撫でながら言った。
「そっか」
楷と諒を足して2で割ったら柚木になりそう。
だから楷はこんなにも安心するのかも。
「今、何考えてる?」
突然の声を誰のものかも確かめずに
答えた。
「柚木に会いたいなぁって」
ハッや、ヤバイ....
「へぇ、安藤?」
まさかのまさかで俺様魔王様総長様降臨!!
「え、えーと...ね?柚木は、その...」
ガラ
「懍〜」
な、なんてタイミング!!
「お前の大好きな安藤が来たぞ」
嫌味だろうけど“大好き”っての間違ってないし。
実際、大好きだし!!!!キスされたけど!?
「え?何??煉に敵視されてる?」
うん、可愛いよ柚木。
「來達は一緒じゃないの?」
煉は不機嫌だけど本物の柚木の登場に
少しテンションあがる。
「うん。來と冬夜は下っ端とか傘下に
懍の入院を伝えてて忙しくて、
優弥は.....まぁ、ね?」
え、ね?って言われてもどうしようもない
んだけど。
まぁ可愛いから許そう。
「でもよかったね」
いきなりですね。
「煉と付き合ってるんでしょ?」
.......!?何故にわかる!!言ってないよね??
凄いね、勘が冴えてんね。
「...煉も大変だね」
「あ?分かってんなら離れろや」
煉くん!!口調がヤーさんだよ!!
「それは無理かなぁだって俺と懍だしね。
懍のファーストキス俺らしいよ」
何!?どういう意味!?俺と懍って何!?
てゆーかキスの事覚えてたの!!?
確かにファーストキスだったけど
ここで暴露するなよぉぉぉ!!
「....あ"?」
ギャー!!!!!!魔王様再びー!!!
「んぅ...ふ、ぁ...」
って何ー!!!!魔王様の綺麗なお顔ドアップで
唇に温かくて柔らかい感触がー!!
「な、ななな...!!/////」
ありえない!!みんないる前でキスする!?
「こいつは俺の物。お前は別の探せ」
物って何!!!!人だし!!に・ん・げ・ん!!
「あははっ懍を奪おうとかじゃないよ?
ただ俺のお姫サマは懍だけだよ♪」
ちゅ、とほっぺにキスして病室からでてった。
煉に何かを囁いてから。
「んじゃ俺たちも帰ろか〜」
「そうですね」
「懍ばいばーい」
「.....またな」
ピシャ
「懍、安藤がファーストキスの相手って
本当か」
みんな帰った瞬間ベッドに押し倒された
懍ちゃんです。
「本当、です」
嘘ついたら危険そうなんで、正直に。
「ディープだってな」
煉さん最近よく喋るね。
無口キャラ崩壊してるよね。
「ッ/////」
思い出させないでよ。
アレ真面目に窒息寸前だったからね!?
「....。」
って何してるの!?
煉の手が裾を捲り上げようとしてるんだけど!!
「やだっ...何したいの?!」
抵抗しても男の力には勝てなくて、
下着があらわになった。
「煉〜っ////」
ブラまで取ろうとするのには
全力で抵抗した。
でもやっぱり勝てなくて.....
「やだぁ...も、恥ずかしぃッ」
手も抑えられて足も動かせなくて
ただ見られてる羞恥に耐えるしかない...
「チッ...」
舌打ちしたと思えば顔が近づいて来た。
「ぁんッ...ヤ..ぁ....れ、んッ」
こんな事無理矢理やる煉が怖くて
涙がでてきた。
「ぁ...ごめん....」
涙を見て煉の眼が揺れた。
「ごめん、懍ごめんな」
服を元に戻してギュッと抱きしめられた。
いつもの煉と落ち着く香りに
涙が止まった。
「ん....あのね煉が嫌なわけじゃないよ?
いつかは起こる事でしょ?
急すぎてちょっと怖かったんだ」
煉の何も映してない瞳が怖かった。
「ごめん。安藤の言葉が本当だったから
アイツとそういう関係になった事が
あるかもって思った」
柚木?
「“懍の左胸に黒子が一つあるんだよ”
って言って行きやがった」
あのさ、なんでそんな事知ってんの?
いくら小さい頃お風呂とか入ってるからって
なんで覚えてんのぉぉぉぉ!!!!