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蝶姫  作者: 檸檬
30/35

三十




海龍に行った4日後

桜花、來に電話を掛けた。



「あ、來?今から桜花も傘下全員倉庫から

出るな。これ、総長命令」


《はぁ!?お前なに言ってんの!!?》


「じゃ、バイバイ☆」


《ちょっ懍!!》



無理矢理電話を切って槐雨の倉庫へ

向かった。ここから行けば7時には着く。



ーーーーーーーーーーー



ーーーーーーー



ーーーー



もしもの為に煉と來にこの場所と、

ショーの始まる時間をメールで送った。

どうせ、大人しくしてないだろうし。



「さぁって行きますか♪」



バァンッ



ドアを蹴破った。



「こんにちは。槐雨の皆サン♪」


「ってめぇ!!桜花の総長さんじゃねぇか。

俺らになんか用か」



目の前には500程の男の大群。

キモッ....!



「えぇ。槐雨、潰そうと思って」


「1人で?わらわせんな!!てめぇら殺れ!!」



その男達が一斉にかかってきた。



「Let’s show time♪」



鉄パイプやらなんやら持っていて

戦いずらいが弱い。

でもこの人数ではなかなか減らない。


30分程たった時、立っているのは

ボロボロな私とボロボロな槐雨総長。

やはり女の体力には限界がある。



「.....ぅ...うわぁぁぁ!!!」



大声をだして殴り掛かってきた総長を

抑えて顔面を殴った。



その時、爆音が聞こえた。



「「「「「「「「懍ッ」」」」」」」」」



あはは、もう終わっちゃったし。



「遅...い....っつーの...」



フッとそこで膝から崩れ落ちた。




そこで暖かい、愛しい香りがしたーーー



ーーーーーーーーーー



ーーーーーー



ーーー

來side



ーppp


倉庫で雑誌をよんでいると携帯が鳴った。



《あ、來?今から桜花も傘下全員倉庫から

出るな。これ、総長命令》


「はぁ!?お前なに言ってんの!!?」


《んじゃ、バイバイ☆》


「ちょっ懍!!」



プッツーツー



あいつ何考えてんだよ!!!!

いつもなら一番に冬夜に伝えるのに、

今日はちゃんと副総長の俺にきた。


なんか、おかしい。



「ねぇ今の懍なんでしょ?

どうしたの??」



コイツ。柚木が知らないのもおかしい。



「傘下も幹部も全員外に出るなって...」



懍が嘘までついて学校を休んだのは

分かってる。

でも、それだけじゃない気がする......


ーppp



また、俺の携帯が鳴った。


「もしもし?」


《懍、いるか?》


「いないけど。どうした?煉」


《あいつ携帯出ねぇんだけど》



それは俺も同じだ。



「知らね。さっき電話きたけど」


《4日前に倉庫来て暴走止めろって

言いに来たんだよ。俺を気絶させてまで》


「....懍、4日前から..っとメールきた」


《俺もメール....切る》



新着メールの内容に驚愕する事になる。



「ッ...おい!!今すぐ槐雨の倉庫行くぞ!!」


「「はっ!?」」


「もちろん」



流石、冬夜もその情報を見つけたらしい。


現在時刻は7:00

槐雨の倉庫に行くには30分かかる。



「飛ばせよ!!」



信号なんか全て無視して速さだって

尋常じゃない。

でも、懍が危ないーーー



「ってめぇん所の総長は人を頼れねぇのか」



すぐ横に煉達、海龍がきた。



「知らねぇよっ今はそれどころじゃねぇ」



きっと一番柚木が責任を感じている。

懍の一番近くにいたのに気付けなかった。

バイクの速度が速すぎる。



槐雨の倉庫に着くと中から奇声が聞こえた


「...ぅ...うわぁぁぁ!!」



バンッ


「「「「「「「「「懍ッ」」」」」」」」」



その光景は異様だった。


500程の倒れた男の中にただ一人、

少女がフラフラと立っているのだから。



「遅...い....っつーの」



フッとそこで膝から崩れ落ちた。

煉が走りだし、受け止めた。



ーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーー



ーーーーー




「.....ん....」



眼を覚ますとそこは白い天井、

右手に温もり。



「柚木.....」



そのふわふわの髪を撫でると

眼を覚ました。

私を視界にいれるとぽろぽろ泣きだした。



「懍ッ...懍、り、ん...」



ぎゅっと抱きついてくるから

髪を撫で続けた。



「ん。おはよー」



ガラッ



「「「「.....。」」」」


「あ....」諒


「り、ん?」楷


「え?」優弥


「りぃぃん!!!!」千津



あのさ、マジ怖いんですけど。

來と冬夜と煉と朱鳥。

無言止めてくれない?



「痛っ」



何故か煉に叩かれた柚木。

やめてよー私の柚木にぃー!!



「ちょっと柚木叩かないでよっ

ありえな...」


「ありえねぇのはてめぇだ懍」



ギロリと睨まれて何も言えなくなった。



「何故あの日暴走を止めた?」



いきなりの質問に一瞬なんの事か

分からなかったけど理解した。



「煉達の暴走のルートが漏れてた。

いや、漏らされてた。槐雨に。

暴走の途中に警察に囲まれる様に

槐雨が警察に流したって感じ?」



考えたくなかった、最悪の方法で。



「じゃあ俺の所為、ですか...?」



情報の管理不足....朱鳥の所為じゃない。



「傘下に槐雨のスパイがいた。

あは、ごめんね。潰しちゃった」



蝶姫として。



「緋雷ですね?でもあそこは蝶姫が...」



そこまで情報出てきてるならわかるでしょ?

蝶姫が誰なのか。



「そう“蝶姫”が潰した。薬中もいたし」



にこりと笑いながら言うと、

眼を見開いた。



「ッじゃぁ、蝶姫は懍ーー?」



コンコン



「佐久間さーん面会時間終わりです」



返事をしようとした所で看護婦さんがきた。



「はーい。じゃあね、バイバイ」



柚木と楷が離れようとしなかったけど

無理矢理剥がして帰らした。


静かになった病室に一人は寂しい。



「煉、出てきてよ。いるんでしょ?」



病室のドアの方へ話しかけると

静かに開いた。



「お前、止めてくれよ。無茶すんな」



あぁ、これだ。意識を失う時にした、

愛しい香り。煉だったんだ。



「えへへごめんね」



抱きしめる力がさらに強まって、



「お前だけは失いたくない....



懍、好きだーーーー」



どうやら私は頭がおかしくなったらしい。



「.....え?幻聴?」



煉が私を好き?



「違ぇ...お前だけを愛してる」



もう、涙腺崩壊です......



「泣くなよ」



もう何言われても泣いちゃうって....



「煉、好き。大好き...んっ..」



「..ふッ...れ、ん...ぅ」



甘い、甘いキスが降ってきましたーー



「海の続き....していい?」



甘い言葉と共に。



「だ、駄目ッ」




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