二十七
水着の上にパーカーを羽織って、
さっきの場所に戻って来た。
........皆さん囲まれてますけど。
「煉様ぁ〜私と遊びましょうよぉ」
「來くぅーん」
私にはあんな恐ろしい所に入る勇気は
持ち合わせていません。
明らかに怯えてる人一名はっけーん!!
「うわー...楷大丈夫かな?」
ほんとにねぇ...
朱鳥達が触らせない様にしてるけど....
あれはヤバイよ。...って、ん!?
「ゆ、柚木!?」
影からこっそり出てきた柚木。
「あんなとこに堂々と立ってれば女が
よって来るに決まってるでしょ?」
......だから隠れてたわけですか。
「んーでも來と千津はいいんじゃない?
危険なのは楷と冬夜と優弥かな。
まぁ優弥は女慣れしてないだけだけど」
何気に冬夜も女嫌いなんだよねー。
楷ほどではないけれど。
でも初めて会った時は楷以上だね。
「懍、どうするの?助けるー??」
もう一度あの集団を見ると..........
うん、大丈夫そう。
「いや、もう終わるよ。待ってよっか」
眺めていると案の定すぐ終った。
煉が「失せろ」って言っただけなんだけどね。
「お帰り。お疲れ様でした〜」
慰めの声をかけると何かが抱きついた。
「懍....助けてよ.......」
楷くんでした。
どうやら相当疲れたようです。
「ごめんね、あの女の人達怖いんだもん」
私の隣に座ったのはどうやら冬夜らしい。
大丈夫かな?顔色悪そうだけど....
「冬夜、だいじょーぶ?」
俯いている顔を覗き込んで聞くと、
今度は赤くなった。
「だっ大丈夫だから!!」
熱中症かなぁ?
ただでさえ暑いのにあの集団に囲まれたしね..
「懍、可哀想だからやめてあげて。
とりあえず煉の所行っといでよ」
え、なにが可哀想なのか教えてくれよ柚木。
まぁいいや。煉の所行こう。
「...........。」
行くまでもなかったようです。
恐らく私を抱き締めてるのは煉でしょ?
「懍.....、ナニあの女共」
んーなんか最近煉に抱きしめられるの
多い様な気がする......
「とりあえず離してくれるかな?」
「嫌」
即答だよこの男!!!!
マジ俺様!!!!!
「懍はなんか抱き心地がいい」
いや、そんな事言われても......。
着てるモノ薄いから体温が感じて
ドキドキするんだよぉー!!
「ひゃぁ.....っん」
首筋を舐められて耳たぶを甘噛みされた。
「ココ、弱いんだ?」
首筋、背中と舌を這わす煉。
必死に声を抑えて涙目になる。
「フッ冗談だ。バーカ」
ぽんっと頭に手を置いて煉は朱鳥達の所へ
行った。