二十四
「ねぇ、どこ向かってるの?」
今日は約束の日。
今は車の中でどこかに向かってる。
私だけどこに行くか知らない。
「着いたよ」
朱鳥の声で車から出ると、
そこは、
「ショッピングモール.....?」
なぜかショッピングモール。
「せや!もうすぐ夏休みやろ?
その間に3泊4日くらいで海行こう思ってん。
今日はその為の買出しや」
泊り!?皆で海行くの!?
「じゃぁ、水着欲しい...」
そう呟くとどこからか、
店員さんがたくさん水着を持ってきた。
「俺らが選んだやつを着てもらおうよ!!
なぁ!!いいだろ、懍」
そんなに目をキラキラさせてお願いされたら
「來、いーよ」
ってゆーしかないじゃんかぁぁ!!
「よっしゃぁ!!勝負だっ!!!!」
しょ、勝負!?
「水着が懍に選ばれた奴の勝ち!!いいな」
「「「上等だ!!」」」
喧嘩するわけじゃないんだから...
数分後ーーーーー
「懍、選んで!!」
前に並べられた数着の水着。
誰が選んだか分かんなくなってる。
うん、この露出がヤバイやつ千津でしょ。
一つの水着に目がとまった。
「.......これ」
上はビキニで左胸に2羽の蝶。
下は短いスカートがついている。
黒を基調としたデザイン。
「「「あぁぁぁぁ」」」
そんなに落胆しないでよ.....
罪悪感が芽生える。
「これ、誰が選んだの?」
「俺だ」
...............煉。
煉か朱鳥か冬夜らへんだとは思ってた。
でもさ、煉が選んでるとは思わなかった。
「懍、悩んでたよね?どれと悩んだの?」
そうもうひとつ候補はあった。
それは黒の下地に色んなとこに桜が
散りばめられていもの。
「これ」
指差すと柚木の顔が明るくなった。
とゆーことは、
「それ、俺の!!」
そういってぎゅっと抱きついてきた。
そのまま頭をなでなでしていると、
「離れろ」
煉が引き剥がしてきた。
なによー...いいじゃんっ別に。
煉は不機嫌だし
他の皆はニヤニヤしてるし....
「ありゃー、そーゆーこと?奥様」
「そうなのよ、うちの息子ませちゃって」
「誰でもあるものですわよ奥様」
「そうですわよね」
「「おほほほほ」」
來と千津の小劇開催された。
「わー、馬鹿が2人いる」
優弥が呟いた。
副総長、馬鹿呼ばわりされてますよ!!
「「だ、誰が馬鹿だ!!」」
「「「お前ら」」」
即答されていじけはじめた馬鹿2名。
その間にも着々と買い物は進んでる。
「馬鹿共歩いて帰りますか?
嫌ならさっさと着いてきて下さい」
大魔王朱鳥様降臨!!!!!!
こえーよ!!笑顔が真っ黒だよ!?
「「はぃぃぃ!!」」
朱鳥最強....いや、最恐。