二十二
「ねぇ、懍...?いなくならない?
約束......したよね?」
不安そうに柚木が私を見るのは、
“はずれの廃工場。今夜1人で来い。
すべての決着をつけたくばな...”
手紙にあった言葉。
私のお父さんは桜花の10代目総長だった
お母さんはその姫だった。
不意打ちだったんだ....
殺された時既に引退していたのに。
「大丈夫だよ。
柚木を1人にしていなくならないから」
これは本音。アイツ等....蛇紀を潰して
必ず帰ってくる。
「.......たまには頼って?」
幸いアイツ等蝶姫の正体知らないし。
頼れないよ。迷惑をかけつづけたんだから。
「明日、2人でどこかに出かけよう?
待ってて。あの場所で。
必ず行くから。」
思い出の公園。初めて会った公園で。
待っていて、必ず帰ってくるから。
「やっぱり行かしてはくれないね。
待ってるよ。ずっと、懍が来るまで。
懍、これだけは覚えておいて。
ひとりじゃないんだよ。」
ありがとう。柚木。みんな。
気付いてるんだよ?私。
みんな自由な事やってるけど、ほんとは
こっちの話も聞いてるんでしょ⁇
「そろそろ......かな。
行ってくるよ、みんな。」
1人呟いて。
足音、気配を消して部屋をでた。
一筋の涙を落とし、目的地に向かった。