十九
ーー楝side
キィィ.......
屋上の扉を開けると風がふいた。
少し肌寒い。
「....で、どういう事だ?
朱鳥は知ってるみたいだけど」
全員が座ると、千津がきりだしてきた。
「あぁ、お前らがどう思っているかは
わからないが、俺は懍ともいたい。
だから......桜花に同盟を求めた」
言いきると、
千津も諒も楷も驚いた顔をしていたが
すぐ真剣な顔になった。
「そしたら、承諾された。
後は俺ら次第だってさ」
俺の言葉に続いて朱鳥が話した。
「俺は大歓迎だ!!承諾したって事はさ、
懍も俺らと居たいって思ってくれてる
って事だろ?」
にこにこ笑って千津が言う。
感謝するよ....千津
「だよな!懍とは争えねーよ!
懍の笑顔も嘘じゃねぇし‼」
その通りだ。諒。
懍の今の笑顔は嘘じゃない。
瞳にまだ闇があるけれど、
それを減らしたのはアイツラ、
桜花の存在だろう。
「俺は....、懍を......信じてみる」
楷は懍の涙を見てから変わった。
確実に動揺していた。
怒ったのも、俺らの事もあるだろうが
懍を仲間として見ていたんだろう。
「ん、ありがとう。
じゃ、行くか‼最強の姫のもとに」
そういい、屋上を出た。