十五
ーーー次の日
私は昨日のように來達と話していた。
〜〜♪〜〜♪
私の携帯が鳴った。
着信画面を見ると・・・・楝?
少し出るのを躊躇ったけど
出る事にした。
「・・・・はい・・楝?」
『懍か?昨日はごめんな。
そこに柚木って奴いるか? 』
「・・いる・・・けど」
『そいつにかわってくれる?』
「うん・・・。柚木、かわって」
携帯を渡すと不思議そうな顔をしていた。
なんで柚木なの?
携帯が返されて、
「ごめーん、ちょっと行ってくるー」
なんで?どこ行くの?
「柚木?どこ行くの?
待ってよ、私も行く!」
いつの間にか私と柚木は1セット。
なにより私は不安感がおしよせた。
"また"大切な人がいなくなっちゃう。
大きな恐怖感が。
「懍も来るの?んー・・・まぁ、いっか
1人でとかいわれてないからね♪
じゃ、いってきまーす!」
柚木についていき、着いた場所には
楝と朱鳥がいた。
楝は柚木の後ろにいる私を見ると
苦笑いして、
「やっぱり懍も来たかぁ・・・」
と言った。
楝が朱鳥しか連れて来なかったのは
昨日の事があるから、
楝の優しさだろう。
「で?聞きたい事って何?」
まだ・・・なにか聞きたい事あるの?
「あぁ、お前と懍はどういう関係だ?」
言いたい事は分かる。
私と柚木はいつも一緒。
「どうって総長と幹部だけど?
それ以外になにが?」
そう。私達は総長と幹部。
來達より一緒の時間が長いだけ
「ほかに・・・あるだろう?
他の幹部とは違う事が」
なんで、
こんな事を聞くの?
「柚木っ・・・帰ろうよ」
もういいでしょ?
私に関わらないで。
これ以上私の大切な人を奪わないでよ
「大丈夫だよ懍。
俺はいなくならないから。
懍を独りにしないから」
もう、
アノ人達のように・・
お母さんとお父さんのように・・
誰も、失いたくないの...
「海龍の総長さん、
別にそんなに深い関係じゃない。
ただ、幼馴染って事だけ
昔から知ってるからね」
私と柚木は幼馴染。
だから柚木は知ってるんだ。
アノ事件を・・・・・
「なるほどな・・・
懍、もう屋上に来てくれない?
俺は来てほしい」
なにいってるの?
いけるわけないのに・・・
「楷が可哀想だよ。
楷の居場所は海龍だけでしょ?
そこに私が居てはいけない。
私の事を楝はわかってくれた
私はそれだけで十分だよ」
本当は、海龍と桜花はなぜ敵なの?
って思っちゃうよ・・・
仲間ならこんな事にもならなかったのに
「懍、仲間なら来るか?
仲間になれたらそいつの様に
そばに居てくれるか?」
本当に・・・
仲間になれたらいいのに・・・
「そうだね、でも無理な話でしょ?」
無理に・・・決まってるよ
「なら、同盟を結ばないか?
俺等が仲間になったら
争いも減る」
ど・・う・・めい?
「「は・・・・?」」
柚木も吃驚してるよ
「じゃ、考えといてな」