十三
ーーー楝達の所で・・・・
「楝・・・みんな、大丈夫?」
休ませてある場所へ行き、
声をかけた。
「よく、ノコノコとこれたな?
大丈夫?だと⁉なにいってんだよ!
お前がやったんだろ!」
楷・・・初めて会話した言葉がこれかぁ...
ヤバぃよまた、泣いちゃうよ・・・
「ごめんなさい、本当にごめんなさい。
楝・・・少し話したいんだけど・・
歩けるかな・・・?」
駄目だ・・・ここに居たら泣く。
楝だけでもいい・・・
「あぁ、行くよ。」
こんな事をした私に今も優しく話してくれる。
「そんな奴と話さなくていいだろ!
俺らを裏切った奴なんかと!」
ぃや・・・もう・・ヤメテ・・・
聞きたくない・・・・
視界が滲んでくる・・・・・
「楷!少し黙ってろ!」
れ・・・・ん・・?
なんで私のために怒ってくれるの?
「チッ・・・」
ごめんね、ごめん。
「楝、私は本当に知らなかった。
楝達から海龍って聞くまで誰か分からなかった
少なかったけど楝達との時間は楽しかった
だけど私は桜花の総長。
貴方達といる事はできないの。
でもこれは言い訳だよね?
楷の言ったとおりだよ。
私はっ楝達を・・・裏・・切った」
あーぁ駄目じゃん・・・
泣いちゃ駄目じゃん・・・
「懍・・・?裏切ろうとして裏切った奴が
泣く?懍は俺らと居て楽しかったんだろ?
だったらそれでいいじゃん。
懍は裏切ってなんかないよ」
子供をあやすような優しい口調で
楝がはなす。
「でもっ!
楝達は私の事知らなかったからっ...!」
そう。知らなかったから優しくした。
知ったら敵として瞳に映ってた。
「楝って奴は分かってくれたじゃん
來のとこに戻ろうよ?
懍は笑ってる方がいい・・・」
私を後ろから抱き締める柚木。
心配しているのがよく分かる声。
「ハッ!なにが"ごめんなさい"だ
さっきから思ってたんだけどさ、
ずっとそいつとくっ付いてて
結局は桜花の仲を見せつけにきた
だけじゃねぇの?」
あぁ、もう駄目だ・・・
ここには戻れないよ・・・・
楷が認めてくれないだろうなぁ・・・
「ー・・・・っ!ごめんねっ・・・
楝・・・サヨナラ」
私は柚木を連れて、走る。
泣きながら走って來達のとこに戻る。
途中で止まって、
「柚木・・・ごめんねっ?
でも.....あそこまで言われるとっ
さすがに・・・キツイよぉ・・・」
ボロボロ泣いて、
そして私は眠ってしまった。
「懍、おやすみ・・・
よく、頑張ったね・・・・・」
優しく囁く柚木の言葉は
眠っている懍には届かないーーーー