十二
「手加減?当たり前。必要ないよ
じゃ、スタート・・・・」
合図で始まる。
拳が正面から飛んでくる。
「いい拳ね。だけど、遅い・・・」
ドスッ・・・!
拳をかわして、
千津の横っ腹に蹴りを一発いれる。
「・・・ッく」
ドサッ
「「「「千津!」」」」
千津が倒れた。
「だから言ったでしょ?勝てないって
冬夜、治療してあげて。
あまり酷くないはずだから・・・」
冬夜に治療を任せて、次の戦い。
「一気に来てよ。
1人では無理だと分かったでしょ?」
驚いた顔をしている楝達。
1発でやられるとは思ってなかったでしょうね
「ハッタリでも無かったようだな。
次は3人だ」
3人?全員でこればいいのに・・・
「いいよ。楝以外?」
「あぁ。朱鳥は副だ強いぞ」
ほかの幹部よりは....でしょ?
「懍・・・全部、嘘だったのか?」
「・・・・・・・・・・裏切者」
「懍・・・あなたは優しい」
今までの時間は"嘘"じゃない。
裏切ったわけじゃない。
優しくなんかない。
だけど、そんな事言うしかく無いよね...
「・・・・っスタート」
私が悪いの・・・全部、全部私が・・
3人相手でもすぐ終った。
「祥、ごめんね。楷、その色好きだった。
朱鳥、私は酷い女だよ」
後は、楝だけ。
「楝、ごめんね・・・・
あなたの仲間を傷付けて・・・」
本当はこんな事したくないよ・・・
でも仕方ないでしょう?
「懍・・・お前は美しく強い女だ。
けれど、気取らず優しい。
そこに惹かれたのかもしれない・・」
そんな言葉を今言うのはずるいよ
・・・・・・楝
「ごめんなさい、
今はすぐ決着を着ける。
後でみんなの事見にいくから・・・」
私が傷付けたんだから
少しだけいいでしょう?
パシッ!
総長なだけあって威力が違うね・・・
でも私に勝てるほどでもない。
バキぃッッ・・・
「終わった・・・・・ね」
グィッ・・・ぎゅっ
「ゆ・・ずき?どうしたの
私、大丈夫だよ?」
「大丈夫なら、泣かないでよ・・・
手加減してたじゃん・・・」
私・・・泣いてるの?
頬に触れると何かが伝っていった。
ーーーーーーー涙?
「ほんとだ・・・なんで泣いてんだろ?
柚木、楝達のとこ行ってくるよ。
ちょっと待ってて?」
楝に約束したから、いかないと・・・
「嫌だ。俺もついてく!」
もう・・・ワガママなんだから・・
でもこれが柚木の優しさなんだもんね?
「じゃぁ、行こっか?
來達は待っててね、ごめん」