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みなそこの夢  作者: 幹まなと
【第一章】大陸一の審神者 華陀
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一世一代の天体祭典

 ヒネが住むこの惑星の空には、すべてを照らし、暖かい光を届けてくれる大きな恒星がある。人々はその星を「御日様」あるいは「ラーヨウ」と呼んでいる。それが、海の向こうから昇ってくれば一日が始まり、海の向こうへと至るならば一日が終わる。そのため、ラーヨウが昇る方角を「日が始」(ヒガシ:以後「ヒガシ」で表記)、沈む方角を「日に至」(ヒニシ:以後「ヒニシ」で表記)と呼ぶ。ラーヨウがヒニシへ沈み、ヒガシから再び昇るまでの時間は夜と呼ばれ、闇の時間である。晴れていれば夜空には美しい星々が瞬いているが、夜の活動を助けてくれるような強い光を放つ星は、この惑星には無かった。

挿絵(By みてみん)


 ところが、夜闇を照らすどの星よりも明るい星が、数十日前から宵の時刻、ヒニシの空に現れはじめた。星の正体は彗星で、発見されたのは半年ほど前のことである。本来なら、地上から観測できるようになって初めて発見されることが多い彗星だが、件の彗星は非常に大きかったために、遠い宇宙を観測していた際に偶然発見された。地上から初めて実際に観測されたのは、最初の発見から約3か月後のことであった。そして今や肉眼でもはっきり確認でき、その光の強さは日に日に大きく、大きさも増していく一方である。


 発見当初より、有識者の間では幾度となく彗星の分析と軌道の計算、またそれに基づく検討会が行われた。彗星が、遥か彼方の宇宙からやって来たものであるという結論は早々に出ていたが、いったいどこから飛んできたのかは不明であった。惑星パムゥに人が降り立ってから約1200年の間、その歴史の中で件の彗星は一度も発見されたことがなく、またその直径に至っては、惑星パムゥの3分の1ほどもある惑星級の超巨大彗星であった。だが、その大きさに見あわず質量は比較的小さく、彗星の核を覆う成分のほとんどは大量の水素を含んだ氷とのことだ。


 その規格外の大きな彗星に当初は誰もが恐怖を覚えたが、専門的な知識をもつ者たちと人工知能を駆使して導き出した計算結果によって、惑星パムゥへの衝突はないと結論付けられた。惑星パムゥから数十万キロメートル先を通過したのちには、再び遠い宇宙を目指して去っていくのだという。巷間では、一世一代の天体祭典として、最近では至る所で持ちきりの話題となっている。


YouTubeで、作者みずから読み上げた動画を投稿しております。


イラストはAI生成画像ですが、YouTubeでは未掲載のイラストも多数載せているので、興味があればのぞいてみてください。

https://youtu.be/68pkUbOLxy4

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