「何言ってんだお前?」
先が思いやられるな…
(-ω-;)ウーン
手続き終えて受け取った黄色ナンバー、其の侭RZに装着する、このナンバーのRZは先ず居ないだろう。
原付一種の侭でも勿論都心には入れるが、速度規制受けるし、未だ走った事の無い都心の渋滞路は車の流れに付いて行くだけでも一種の儘だと違反に為るし、彼等の姿を何も介さぬ此の眼で見る為にも二種への変更は必須だった。
今日受け取った黄色ナンバー、コレで大手振って都心に入れる、なら最初から二種を買えば良かったんじゃ無いかって?、確かに其れも頭を掠めたが何時かは手に入れようと思ったのはRZ50、それに初任給の残りで手に入る金額にピッタリに併せた様な出物だったからな。
初任給の残りって後は何に使ったって?。
考える事は皆同じだろ?、送り出して呉れた両親に東京の土産と少しのアルコール、少額だが弟妹に小遣いを詰め込んだ小包代、後は今月のRZのガス代分と貯金で粗終わったよ。
(⌒▽⌒)
もし仕事の募集が掛かっても車両持込みの会社なら、高速に乗れるバイクが必要になるし、買えても遅いバイクで仕事を熟せない車両じゃ本末転倒、今は二種にしたRZで満足だよ!
(*゜∀゜)
寮の自室に戻りカレンダーを確認、実行日を計画して二週間後の火曜日に決めた、今週末も先方都合で休日に現場作業だ、何故なら皆さんが良く知る黒い炭酸飲料の工場で新旧のタンクの切り替え作業、工場が休みの日の作業だからね…。
興奮冷めやらず夜も中々寝付けずに居たが、いつの間にか眠りに落ちて翌朝眠い眼を擦りながらバンに揺られ工場へ、兎に角彼等の姿をこの眼に焼付けたい、俺が何時か成りたい姿だから…。
ネムイ(´・ωゞ)
数日後計画した其の日を迎えた、起床の知らせの鳴る前に覚醒し、私服で朝食を頂くと親方に声を掛けられる。
「今日は何処かに出掛けるのか?」
「東京迄行って来ます!」
「だから気合い入ってるんだな、東京見物か…、電車の乗り換え間違えてトンデモナイ処に行かない様に気を付けて楽しんできな。」
「気を付けて行って来ます、有難う御座います。」
まぁバイクで行くとは誰にも伝えて無いからな…。
「さあ、此れから都内だ」
今、市川から大きな橋を越え都心に入る、正直千葉県内でもこんなに車が多いのかと思って居たので此の先どれ程多くなるのか?。
東京都心は田舎にいる時にTVで見た渋滞だらけの印象しか無い、今日の予定は14号を西進しその侭名前の替わり蔵前橋通りを走り続け、昭和通りを南下して皇居の有る内堀通りへ向かう予定。
(*゜∀゜)
内堀に沿う大手町付近に誰もが知る大手の新聞社が固まってる、ほぼ反対側に警視庁含めこの国の政治を司る官庁が在る、其処に行けば必ず彼らが通るはず、唯々彼らの姿を何も介さぬこの目で見たかった、都心に入り車は割と流れて居り其の侭流れに乗って大人しく走る、勿論初めて走る都心だ状況も解らぬ状態で全開呉れる程馬鹿じゃ無い、<ソレってホントか?>、田舎者に訪れる試練は直ぐに向うからやって来る望む望まぬに拘わらず…。
(-ω-;)ウーン
田舎者が新小岩付近を通過中に待望の最初の洗礼を受ける事になる。
「そこのRZ脇に寄せて止まりなさい!」
ご想像通りGSの白バイが追ってくる。
「違反はしてないはずだ?、速度も50キロ出て無い筈だよな?」
素直に脇に停車すると前に被るように白バイは停車する、隊員は白バイを降り近付いて来たが、俺は隊員が発した言葉が理解出来なかった。
「点灯しての走行は違反だぞ!」
今でこそ昼間のライト点灯は常識だが、未だ此の頃は一般的で無い。
「ハイ、免許証出して。」
ン?、一寸プチッときた。
「何が違反なんですか?」
何も違反をしてない筈、其れで逆に食って掛かる。
「だからヘッドライト点けてただろ!」
隊員も少し切れ掛かる。
「だから、何でそれが違反なんですか!」
勿論此方も引き下がらない、当たり前だ違反はしてないんだから。
「良いか夜間以外のライトの点灯は違反なんだよ!」
お互いの会話は平行線、でも俺が次に発した言葉で流れが変わる。
「昼間もライト点けろと強制したのはそっちだろ!」
「えッ?」
隊員の顔色が変わる。
「何言ってんだお前?」
少し間を置き…。
「そんな法規無いぞ?」
確かに俺の言葉に嘘は無い、でも白バイ隊員の行動も間違ってない。
矛盾するお互いの主張、そう此の頃はまだ条例で交通法規ではない。
俺の意見も隊員の行動も確かに間違ってない。
何故なら此れは俺の故郷でバイク通学が当たり前の地域の事、バイクの事故を減らす為に昼間点灯し己の存在を周りにアピールする為県が定めた条例で在り、勿論未だ交通法規には示されていない、全国に先駆け俺の田舎が初めて条例化された筈。
隊員は慌てて白バイに戻り何処かに相談を始めた、僅かな時間の後戻ってきた隊員の口から顛末を伝えられる。
「言ってた通りだが此方ではまだ制定されて無い、今回は注意として置くから消して走れ!」
今思えば多分知らずに俺の事を違反と決めてかかったのが恥ずかしく、隊員は此の後続く言葉を言ってしまったんだと思う、でもそれは俺の心に火をつけるには十分だった。
「そんな田舎から来ているんだからもう都心に入って来るなよ!」
頭の中で何かが切れる音がした。
そそくさと白バイに乗り走り去って行く隊員の背中に呟く。
「嗚呼、其の積もりで居れば良いさ、お前らが追い付けない位俺は速く為ってやるさ!」
俺も気を取り直し走り出すが…。
「最初から此れかよ…、先が思いやられるな…」
そう思ったが又此のやり取り有っても時間のロスにしかならない、一応忠告通りライトはオフにした。
「どうやって此方の存在を周りの人間に知らせれば良いのだろうか…」
(。´・ω・)?
出会いは突然、車の間をパッシングして来る車両!。
気が立って居たので予定を変更し蔵前橋通りを左折し明治通りに入り直ぐに右折、京葉道路の錦糸町駅前を通過中の車は流れていても渋滞してる、俺は流れに乗って40位、渋滞している車の間を真っ直ぐに猛烈な勢いで突っ切って来る、全身に鳥肌が立ち身構えるが目で捕らえられたの2秒程、黒い車体に目を奪われ車のミラーとの間隔は数センチも有るだろうか?、渋滞の中で大柄な車体を正確にコントロールして視界から消えていった、恐れに近かった。
眼に飛び込む光景は恐れに近かった…
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル