表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスターアタック  作者: MMR
1章 俺と妹との日常
8/42

8.手取り足取り

「はあ、ようやく終わりか……」

 

 最後の授業の終わりを告げるチャイムを聞いて、ひとまず達成感を身に染み渡らせておく。

 美央との昼休みの攻防は、予鈴という助け船のおかげで一旦は収束を迎えることができた。

 が、昼の時間をフルに充ててしまったわけで、午後の授業に影響は必至だったわけだが……

 結果としては、なんとか1回怒られるだけで済んだ。

 いや全然無事で済んでいないだろと言うかもしれないが、注意だけで終わっているというのは、充分上出来なのだ。

 なんだか言っててむなしくはなるな。

 

 さておき、今日の授業はしっかり終わったわけだ。

 これから何をし……

 

「おにいちゃん! 一緒に部活行こ!」

 

 分かってたさ、そうなるってことくらい。夢見ただけだよ。決して逃げようとか思っていたわけじゃ……

 

「早く早く!」

「いててっ、引っ張るな!」

 

 昼休みの攻防をしたのは同じはずなのに元気なものだ。若いっていいね。もはや自分はどうなんだということを考える気分はなかった。

 

 

 俺はテニス部に所属している。といっても本格的にインターハイとか大会を目指しているというわけではない。

 せっかくの高校生なわけだし、有り余る体力をどこかにぶつけたいという気持ちはあるじゃないか。

 そりゃあ、まあ、淡い期待がなかったわけでもないが、特に比率が高いというほどではないのだ。

 体力が有り余ってたのは去年の1年間だけだったけどな。今じゃ美央にどんどん吸い取られているんじゃないかといった感じだ。

 そして、当たり前だが……と言いたくないところではあるが、美央もテニス部に入っている。

 といっても美央の場合はソフトテニスだ。硬式のボールだと当たった時に痛いからとか言っていたが、ソフトだって当たったらそれなりに痛いんじゃないだろうか。

 

「おにいちゃーん、見て見て? 体操服だよ?」

「わかってるわ、毎回部活で見てるだろうが」

「ええー、露出した太もも見れば毎回だって飽きないでしょー?」

「おまえはどこのオヤジだ」

 

 いや、オヤジに失礼か。ここまで直接な言い方はしないだろう……たぶん。

 

「ねね、打ち方教えてよー。手取り足取り、ついでに腰取り?」

「ふざけてないでそっちの先輩に教えてもらえ」

「つまんなーい」

 

 だいたい、ソフトテニスと普通のテニスじゃ、ラケットも打ち方も違うじゃないか。

 とりあえず、自分で露出している状況だって言っている時に後ろから抱きつかないでほしい。

 こっちも体育着だ。通すものが少ない分、色々と伝わってきてしまうのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ