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シスターアタック  作者: MMR
3章 妹とでーと?
34/42

33.ジェットコースター乗車後にて

 久しぶりのジェットコースターは、成長した今でもかなりの迫力だった。とはいえ、最初に乗った時は恐怖で涙の少しは出たけれど、今は楽しめたという方が勝っている。

 

「うーん……気持ち悪いよ……」

 

 あ、そういう意味ではあくまで成長したのは俺だけだということになるのだろうか。俺の横で美央が視線を下に落としたまま、酔っぱらった人のようにふらふらしている。どちらかというと、前に進むよりも横に引っ張られている方が大きくなっていて、むしろ横向きにした方が先に進めるんじゃないかと思ったり。

 冗談はこれくらいにして、さすがに助けてやらないといけないか。今にも地面に頭から突っ込みそうな勢いだし。

 

「美央、大丈夫か。肩貸すぞ」

「や、やだっ……そんな酔っぱらいの介抱みたいなの、恥ずかしいからだめっ」

「いや、もう酔っぱらいの歩き方だから」

 

 そもそも調子悪いはずなのによくそんなことが言えたもんだ。

 

「じゃあ、おぶさるか」

「えっち」

「なにその即答」

「そうやってわたしの成長を見るつもりなんでしょー? さっき抱きしめてくれなかったのって、もっとはっきり知りたかっただけだなんてっ……えっち」

 

 なんてひどい言われようだ。そこまで話ができる体力がありながら、本当に調子が悪いのか疑いたくなってくる。

 

「じゃあどうすればいいんだよ、このままじゃ全然先に進まないぞ」

「お姫様だっこ」

「却下」

「じゃあここに座り込むもん」

「子供か」

「子供だもん。『遊園地って子供かよ』って言ったのはおにいちゃんだよ?」

「恥ずかしいだろ」

「今日はスカートじゃないから恥ずかしくないもん」

「美央の恥ずかしさの心配じゃないから」

 

 こんなに舌が回っても、美央の足のふらつきは収まらないのだから意味がわからない。

 

「はあ……わかったよ」

 

 体調の悪い美央に対しても、舌戦で勝てる気がしない。いやむしろ体調の悪い方が調子よくなるのか? とにかく、あきらめて美央の言うことに従うことにする。やらないと本当にここから動けない。

 確かジェットコースター乗り場の目の前に、ベンチがあったはずだ。同じジェットコースターに乗っていた人は全員出口を抜けていったし、次が降りてくる前に、さっさと美央を持って抜けてしまおう。人に見られるのは、出口からベンチまでのわずかな距離だけ。そこまでの辛抱だ。

 ベンチに到着するまでの流れを確認して、俺はしゃがみ、美央の肩を持ち足を抱える。

 意外とそんなに力は、いらなかった。

 そうだな……感覚的には自転車を持ち上げるよりも少し軽いような。ありえないけど。

 

「こういう時は『軽いな』とか言うものだよ?」

「降ろすぞ」

「あうあう……ごめんなさい」

 

 久々に美央が謝ったのを聞いて、悪い気はしなかった。

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