表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスターアタック  作者: MMR
ちょっとひといき 萌え要素?
27/42

27.つんつん

 土曜日に続く、休み二日目の日曜日。

 昨日の買い物に付き合わされた分でよっぽど疲れていたのか、俺は不覚なことに目覚ましのセットを忘れており。

 

「起きろー!」

 

 午前七時を、時計より前にその声でお知らせ頂いた。

 布団の上から、石でも落とされたかのような衝撃を食らう。

 

「まったく、ひ……一人で起きなさいよね!」

 

 しかも普段と違って、起こし方が乱暴なだけではなく言葉までもが変に刺々しい。

 俺が目を開け美央を見ると、更に違うところがあった。

 髪型がいつものような高い位置でのポニーテールではなく、それを両サイドに一つずつ結んだような……そう、聞いたことがある。これはツインテールというやつだ。

 なぜそんな髪型をしているのかはわからない。というか考えても意味ないような気がする。

 

「どうしたいったい……なんか態度が変だぞ」

「別にわたし、いつもおにいちゃんが振り向いてくれないから性格変えてみようかって思ったわけじゃないんだからねっ!」

「何そのどっかのアニメみたいな発言」

 

 特にアニメ好きとかそういうことはないが、聞いたことがある。これはツンデレというやつなのではないかと。

 初めて目の当たりにした。美央が相手だというのは一旦忘れたことにして、なんだか感動してしまう。

 

「あうあう……そ、そんなの見てないもん! 参考にしてないもん! 勘違いしないでよね!」

 

 微妙に使い方変な気がするし、それに別に見ているかどうかなんて追求してないし。

 ほぼアニメ引用なのは確定として、それとは別に美央が俺に顔を迫らせてきている方が気になった。

 

「というかなんで近づいてきてるんだ」

「うう……えっと、キスなんてしようと思ってなんかいないんだから」

「誰もそんなこと聞いてないから」

「おにいちゃんがしたいって言うんだったらしてあげてもいいけど? あ、先に言っておくけどわたしは気が乗ってるわけじゃないから勘違いしないでよね」

 

 今度は使い方が正しくなったようで。正しいツンツンぶりを指導したところで何も得るものはないと思うが。

 かまわず更に美央が迫ってくるので、俺は美央の顔を手で横に避ける。

 

「朝からいい加減にしろ……っ」

「あうあう、この流れだったらいけそうな雰囲気だと思ったのに……」

「いや、どこにもいけそうな雰囲気なんてないから」

「おにいちゃんも素直じゃないなー。ちょっと嬉しかったくせにー」

 

 美央が俺の頬を人差し指でつつく。なるほど、態度のツンツンとつんつんつつくのをかけてると。

 ……こんなことを考えた自分が嫌になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ