表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シスターアタック  作者: MMR
2章 おかいもの
15/42

15.にゃ?

 とりあえず母親にはリビングへお帰りいただいたが、俺はメイドスキーという誤解が完全にインプットされてしまったようだ。

 俺は何も悪くない……よな?

 

「ごしゅじんさま、ご迷惑おかけしましたにゃ……」

「いや、そもそもその呼び方をやめろ……って、なんだその語尾は」

 

 さらにツッコミどころが一つ増えている。正直、頭が痛い。反省している感じにはまったく見えない。というか反省する気もないな、こいつ。

 

「おにいにゃん!」

「だから抱きつくなって!」

「だめだにゃ、にゃーにゃー語で話さなきゃいけないんだにゃ」

 

 いくらなんでも切り替えが早すぎやしないか。とりあえずこのうっとうしいにゃーにゃー語とやらをやめさせなければ。

 

「にゃーにゃーうるさいにゃ」

「にゃーん! うれしいにゃー」

「くそっ……つられてしまった」

 

 美央がメイド服で小さく跳ねながらにゃーにゃー言っている。もはや俺には理解不能の域だ。

 よくよく見てみると、美央がつけているカチューシャの両横から、ふさふさとやわらかそうなネコミミらしきものが出ている。

 まさか、そういうことなのか!

 ……と、乗っかってみようと思ったが無理だった。

 無性に腹が立ってきた。ネコミミをつまんで引っ張りあげてみる。

 カチューシャと一体になっているからそれごと取れるかと思ったのに、意外としぶとく残っている。

 と思ったら、美央がこめかみを押さえるようにして抵抗していた。

 そりゃそうだ。これで本当に一体化していたら怖いものがある。

 

「いきなりにゃにするにゃ! これがないと破壊力が半減するにゃ!」

「なんの破壊力だ、なんの」

「世の男の人のハートを侵略するための必須アイテムなのにゃ! おにいにゃんにどんなにがんばってもだめなら、手当たり次第にまき散らすのにゃー!」

 

 もはや言っていることも理解できない。俺、どうすればいいんだろう。

 

「大丈夫にゃ、わたしにまかせてにゃ」

「さすがにまかせられない」

「正直じゃないにゃ、きっとすぐ気持ちいー気分になるにゃ」

 

 美央が俺に飛び込んでくる。完全にダイブというような勢いで、俺の胸のあたりで一瞬、息が止まるようなダメージを食らった。

 

「にゃーん、にゃーん」

 

 美央がそのまま、顔をすり寄せてくる。何この状況。

 で、まあたぶん、このあとどうなるか俺には予想できる。

 

「雄斗、いい加減に……!」

 

 ほら、やっぱり。

 

「雄斗……あれほどだめよって言ったはずだけど?」

 

 おそらく、言い訳なんて聞いてもくれないんだろう。

 俺は覚悟を決めていた。

 覚悟決める必要なんて、絶対ないはずなのに……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ