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シスターアタック  作者: MMR
1章 俺と妹との日常
10/42

10.お勉強もいろいろ?

「ねえねえ、おにいちゃん。お勉強教えてよー」

 

 夕食も済んで、これといって特にやることもなかったのでとりあえずベッドに横になって雑誌を読むなりして時間をつぶしていると、ノックもせずに美央が入ってきた。

 まあ、美央がノックしないのはいつものことなので今更気にしても仕方ないんだけど。

 

「俺の成績を知っててそんなこと言ってるのか?」

「じゃあ、一緒に勉強しよ? わたし一人だと全然進まないの……」

 

 予想はしていたが否定なしか。

 

「ねえ、一緒にしーよーうーよー」

「わ、わかったから放せ……っ」

 

 首をつかまれ、視界がぐるぐる回る。今ちょっと首からグキッという感じの鈍い音がしたぞ。

 これ以上続けられると酔うの必至なので、仕方ないので折れておく。

 ここのところあまりに流されすぎな気もするが、それは思い過ごしだと信じたい。今だって折れたように見せといて、勉強は自分のためだし、決して美央のためにやっているわけではなくて……

 

「おにいちゃん、なにぼんやりしてるの? 早く始めようよ」

「はいはい」

 

 すでに美央が勉強道具を持ってテーブルの上に並べている。なんだろうこのスピードは。美央のフットワークが軽いのか。それとも俺のいろいろ考えている時間がそんなに長かったのか。

 

「ほーらー、早く用意してよ」

 

 どうやら、美央にとってみれば後者の方らしい。

 

 

「うう……おにいちゃんって」

「なんだ」

「ホントに勉強できないんだね……」

 

 さすが美央、心に突き刺さることを平然と言ってのけてくれる。事実なだけに反論は不可能だ。

 しかしまさか、美央の範囲において自分が教えられてしまうとは思いもしなかった。なんとも情けない話だ。

 

「おにいちゃんのために休憩してあげようか?」

 

 おまけにとんでもなく屈辱的なことを言われたぞ。

 とはいえ、それを突き返すことはできない。俺の集中力の持たなさも相当なものだ、休憩したくて仕方ない。

 

「じゃあ休憩中は違うお勉強しよっかー」

「ふざけてないでちゃんと休憩させてくれ」

「えー? わたしは本気だよ?」

 

 美央がテーブルの向こう側で前かがみになる。胸元が緩い服を着ていたので見えそうではらはらして仕方ない。


「えへへ、かーわいー」

 

 そう言いながら美央は手でその場所を押さえる。まっすぐ俺を見たままだったので、胸元が開くことは最初から想定済みだったのだろう。

 見透かされてるかのようで、それだけでも充分なのに、加えてかわいいと言われるのは気分のいいものじゃない。目の前ではバカにしているような、もっとも何も考えていないのか、にやけた顔を向けてくるし。

 

「隠されたところに魅力を感じる。うんうん、わかるよ」

「美央はなんとも思わないのかよ」

「おにいちゃんだから別にいいと思ってるよ?」

 

 なんとも反応に困る返答だ。

 

「じゃあ、お勉強始めよっか」

「な、何言ってるんだ。俺はやらないぞ」

「何勘違いしてるの? 学校のお勉強の続きだよ? やっぱりちょっと期待してるんだ、にやにや」

 

 だめだ、完全に美央のペースに乗せられてしまっている。

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