表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Not The Majorityな魔法使い  作者: 気マグレガーおじさん
1/4

美学っていうのがどういうものかは知らない。けどね、

 「自分」の始まりは「脱線した」ことだった。

 ……「普通」や「正常」というある種の呪縛から。

「僕」の原動力は「君」と「世界」の……


 そう、まずは「僕」の話だ、聞いてくれ。



  この物語の主役(Title role)、つむぎは、()()()幼い頃からファンタジーが大好きであった。

 ……魔法を使ってみたい。超能力を使えたらな、等と考え、思考し、想像し、時には眠気を飛ばす為に目を開き、鍛え、鮮明過ぎる視界に頭痛を覚える程度には好きなのである。

 そんな(無駄な)日々を過ごしていたため、幼稚園の頃何をしたとか、誰がいただとか、ほとんど覚えていない、そんな小1予備軍(一人)が出来上がってしまった。





目が覚めて一番に窓の外を見る。

次に時計。

なるほど。今日の天気は曇りのようだ。

そして9時半に起きた。強面ドライバー トゥー・チン(けつあご)

今日じゃないし、何して遊ぼうか。



___この日だった。僕の人生で最初の分岐点になったのは。




 親が言うんだ。()()()()って。

驚いたね。だって、それまでは東京の幼稚園からそのまま東京の小学校に行くと_


          ___そう___


    ______言ってたじゃないか。


僕は聞く。「なんで……」



母さんが言う。「……離婚するからよ。」



もう一度聞く。聞くことしかできない。「なんで!!……」



母さんは少し黙って、口を開く。「いいから。父さんが車で待ってるわよ。」




絶望だ。


僕が世界(Story)に絶望した瞬間だった。


心がざわめく。鼓動の音が大きい、望んだ未来(約束)は千切れ………させていいのか?


頭の中で悪魔の囁きが聞こえる。


約束を違えさせるな(楽しませてくれよ)


ここで動かなければ(死にたいか)


死と何も変わらない(生きたいか)



______逃げなきゃ。




咄嗟に走り出す。

大丈夫、玄関は開いている。遠くへ行こう。


なるべく早く。


必死に走る。走る。走り続ける。瘦せた体を、追い詰められた鼠が猫に嚙みつくように、選択を迫られた未熟者が運命に抗う物語のように動かし、逃げるのだ...!!


後ろの方から父親の声が聞こえる。

___このまま走っても追いつかれるだろう。

ならばどこかに隠れようと、周りを見渡す。

近くにあるのは____路地裏。____焼き鳥屋さん。____ボロボロのレストラン。


路地裏は(ワクワクするけど)怖いし、焼き鳥屋さんは隠れる場所ないし……


よし!


誰も居なさそうなレストランに隠れよう。



取り敢えずレストランの裏。ありがちなごみ箱の中………は酷い匂いだから、やっぱりありがちな、裏口の段差のところ。そのあたりにもごみ箱があった。その物陰に隠れて、やり過ごす………


しかし見つかったら人生終わるのだ、心臓に悪いったらありゃしない。


____________声がした。......その声は。


  「ねえ」


振り返る。


____その時、そこに居たのは...

心臓が肋骨を殴る。衝撃が肺へ、肺から喉へ、全身へ。段々呼吸が速くなる。段々顔が熱くなる。

赤くなった顔を手で隠す。


  「ねえってば、大丈夫?どうしたの?こんなところで。」


...僕が恋をした君だった。

つむぎくんはちょっぴり変わった子です。そう、ちょっぴりね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ