魔術師の『夢』
人は生きるために何かを足がかりに探そうとするものだ
だがその行く末は時に歪なものに行き当たることがある
誰かを守る為に力を欲し 今度は他の誰かを傷つける存在に成り果てたり
自分を守る為にと力に縋ったものが 己を滅ぼす顛末へと行きついたりと
まさに過ぎたる『夢』を望むものは後をたたない
『真実』を見定めることなくしてそこへ正しく行きつくことなど出来はしないのだから
その『魔術師』の名は アセリア・ブルームーン
かつて己が責務に囚われ国というシステムの生贄となった哀れな乙女なり
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???「暗くて何も誰もここには見えない…私を置いていかないで
誰か私を助けてよ!!」
暗い闇を纏う影はそう呟く
ルミナ「そういえば私の世界のアセリアは自分の両親を自分の手で殺したのだったかしら」
???「…あぁまた私を殺しにあの影はやってくる、でも私は殺されなきゃいけないから」
そう囁き影は濃さをさらに増してゆく
エルミナ「あの世界は起こってしまった『過去』を消すことで自らが望む都合の良い『未来』へと書き換えるシステムで運用されていたんでしたよね」
ルミナ「そうそう、そういうシステムで運用される以上
あの世界ではあったはずの『可能性』は全て消されちゃうのよね」
???「お父様…お母さま…どうして私を生んだの
私はどうして殺されなければならなかったの…」
ルミナ「とにかくあちらのアセリアと対峙させるなら当然あの子の出番よね」
ルミナは『ラスト・ドリーマー』を開き詠唱を始める