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18 嬉しい出来事

 読者の皆様ブクマ、感想、評価、誤字脱字訂正ありがとうございます!

 今日はキリが良いところで短めにしました。それではどぞ!



 孤児院への1ヶ月後の訪問を約束し、帰宅。それから数日。



「フフフ♪」



 ちょっと、いや、かなり嬉しいことがあった。

 そのせいかここのところニヤケ顏が止まらず、時々顔面崩壊してしまう。



「お嬢様、とてもご機嫌ですね」

「そりゃいいことじゃないのか……主人の機嫌がいい方が仕事しやすいだろうし?」

「一昔前の気難しさは完全行方不明ですね」



 使用人のヒソヒソ話しが聞こえるが、そんなことも気になら「確かに、というか本当に本人? 入れ替わりとk!?……た、大変申し訳ないですお嬢様!!」



 ジト目で睨むと土下座せん勢で頭を下げた従者ルカ。顔色をクルクル変える様を見て、以前と比べて随分使用人との距離が縮まったと実感した。

 衛生改革を進める上では良い傾向だな……階級社会としてはアウトだけど。


 最近になって、私に現在仕えている3人それぞれの個性に気がついた。

 ちょっと軽率でKYなのが玉に瑕なルカと、それを面白がって増長させるティナ。頃合いを見て調整するマリアン。中々良いチームではなかろうかと個人的には思う。


 何より、見ていて大体楽しい。流石にいつもとは言わないが。

 偶にイラッとくる時はマリアンの説教(物理)が炸裂するので黙って見ていれば良い。今はマリアンが不在なので例の如く調子に乗っちゃった感じか。


 黙って真顔で見ていると、青色から白色へと顔色を変えるルカ。ティナもやばいと、そそくさ逃げようとしているのが視界に入った。お灸を据える為に、偶にはやれとマリアンから忠告されたから実行したのだが……効果覿面過ぎたな。


 というかあかん。これパワハラ一歩手前。

 おちょくるのもこの辺にしよう。



「まあいいわ、私とっても機嫌がいのですから♪」



 内心ちょっと訴えられないかドキドキしつつ答えた(←『パワハラ』という言葉が存在しなかった事へは後で気付いた)


 私の顔色を見て安堵するルカとティナ。やらなきゃ良いのにやっちゃうんだよな、この2人。まあそれだけ心を許してくれていると思っておけば良いか。


 まあ、2人が心配する程私も機嫌は悪くないからな。悪いどころか良過ぎて笑いが止まらないくらいだし。


 だって、嬉しいことが立て続けに3つあったのだから。



 1点目としては、領内孤児院を対象としたアンケート調査のデータ収集が順調なこと。

 なんと、回答率が今の所95%を優に超えているのである。


 識字率の低さに関して失念していたこと、公爵令嬢の我儘で行っていること等の事情で回答率に関しては期待していなかった。けれど、皆真面目に答えてくれたのでとても嬉しかったのである。

 いやぁ、頑張って考えた甲斐があったものよ。これからも頑張ろう。

 まだアンケート回収前の孤児院もあるが、回答自体は全院で終わったとのこと。本当に順調で、嬉しい。結果が届くのが楽しみである。



 2点目としては、腐敗した教会本部出身の一部を一掃できたこと。


 今回の功績者は妖精3人組のジャック、ユール、カルロ。暗殺者を生け捕りにした際容赦のない妖精式の尋問をした結果、証言が取れたのである。そこから芋づる式に不正な金や人の流れを知ることができた。

 そして、先日裏帳簿の抜き取りと証言者保護を同時進行で行い、明確な証拠を得られたのである。

 教会本部と国王陛下、そして民衆へ同時進行で報告を提示した。そして、国からの信頼喪失を恐れた教会が腐敗司教を正式に破門し、先日逮捕に至った。

 聖職者は法で裁けない存在なので、如何に破門させるかで悩んだ。結果的に上手くいったものの、教会から恨みを買ってしまったかもしれない。


 でも後悔はない。

 移動時と睡眠時の安全がある程度保障されたことを考えればトントンかと思う。



 実は先日の孤児院訪問でも、帰宅中に不穏な出来後が立て続けに起こったのである。


 野盗の襲撃2回、魔物遭遇が驚異の5回。

 そして、馬車の事故3回。

 わざとミスリード用に罠の痕跡を残す徹底ぶりである。


 そもそも、イスカリオテ公爵領で野盗や魔物との遭遇、馬車の不整備が頻発する。それ自体がありえなかった。


 イスカリオテ公爵領は『森林討伐隊』という私兵を抱えている関係上、治安の良さには定評がある。盗賊・害獣の駆除は勿論、道路整備(森へ不法投棄)も通常業務の一環として行っている。ここ2年で起きた馬車の事故発生件数は、驚きの28件。内貴族様の馬車が22件(お父様と私が乗車者)。


 また、馬車に関しても公爵家御要達となることから最高品質であると言える。耐久性が良好で10年保障がついており、整備も乗車の有無に関わらず毎日点検を行っているとのこと。

 そうした条件下でこの不自然な事故件数である。もう暗殺未遂以外ないだろう。


 そうした経緯で孤児院から帰宅後にジャックがブチ切れた。

 正義感の強いユールとカルロもそれに同調し、今回の結果に相成ったということである。


 教会司教の逮捕後、公爵家馬車の事故・襲撃件数と家宅訪問してくる暗殺者の数は激減した。イスカリオテ公爵家の睡眠不足要因がこれで1つ払拭された事になった。


 ただ、私の胃はこの件で荒れる結果になった。

 何と、国王陛下並びに王妃陛下がイスカリオテ公爵家を王国の憂い払拭に役立ったと表彰するとか言い出したのである。年末で功労者であるお父様と私へ特別賞を贈ると話しているとか。


 お父様はわかるけど、何故私……むしろお父様だけにして(切実)

 あれ? 途中まで嬉しい話だったのによく考えてみれば全然嬉しくなかった。



 ……気を取り直して3点目。賢者モードから「行く」と連絡が来た事。


 やっと繁殖期が終わったので領内が落ち着き、事後処理をおこなっているときてから3日後。2週間で片付けてから公爵邸へ行くというメッセージが来たのである。それも、魔物素材(大盛り)と共に。

 もう嬉しすぎて、周囲がドン引きするのも気にせず狂喜乱舞した。


 一番嬉しいことは、魔術『拡張』の応用編と『錬金術』の習得へ入れること。

 魔術修行が順調だったので、次の段階に行きたいのである。


 ああ、個人修行の成果を披露するのが楽しみだ。


 何と、『保存』が出来た途端、空間属性魔術の習得速度が段違いに上がったのである。どうやら『保存』する空間に関する概念理解ができたことで一気に基礎理論に対する理解力が上がった模様。



 これほど私が急いでいる理由だが、魔導具だったら王宮の持参が可能だとわかったからである。

 そう、2~3ヶ月実施予定の悪臭(王子)との茶会。


 魔術は魔法同様、王族への危害阻止のため王宮での使用は禁止されている。その上『魔力反応感知結界』と『魔法反応防御結界』が作動しているので使えば一発でお縄になる。

 それでも使っている一部の貴族はいるにはいるが、『イスカリオテ公爵家』は敵が多いのでリスクは冒せない。


 けれど、悪臭は絶対に嫌。


 一方、王宮では魔導具の作動だけは許されているとのこと。公爵家書庫にあった『王宮滞在法』にそうあったので、正しいと思われる。


 理由に関しては、王宮内で使われるシャンデリアと一部の毒味用カトラリー類が魔導具だからである。シャンデリアは一度小火騒動があったことで蝋燭禁止になり、カトラリーは毒味係の買収問題が発覚した後導入された。

 それ以外にも理由はあるみたいだが、濁されていて不明だった。


 こうした背景から、魔導具作成を早く身につけ、空気清浄機を一刻も早く作成することを決意したのである。悪臭退散。



「絶対、絶対に間に合わせますわ!!」



「どうしよう……お嬢様ご乱心?」

「いや、いつもの発作だろう。王宮行きたくない病の」

「それな。王子への初恋も前回で覚めたみたいだしな」

「なる、女心は秋の空ってやつかぁ」


「うふふふふ……」


 色々言われているけど、気にならないもん。



「放っておくのが一番ですよ」

「そうだな」



 ……でもちょっと、あの生暖かな目線へイラッと来たので、料理長へ今日の夕飯人参とパプリカ多めにしてもらおう。確かルカとティナは人参が、サルマンはパプリカが苦手だったはず。それとブロッコリーも、だったかしら。


 でも残されるのも癪だし、わからないように入れてもらおう。


 あとで気がついて、唖然とするがいいわ!

 その日の夕飯、大人気のマカロニグラタンが出たこと、デザートにシフォンケーキが出たことで使用人のテンションは爆上がり。翌日マリアンたちに笑顔で感謝され、「解せぬ」と1人眉間に皺を寄せた6歳児がいたとか。

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