おっさんスライム竜に出会う 23
くそーー 覚えてろ!!
ちんぴらさんみたいな台詞を振り撒いてスライムのオレはオレの中でクールに去るぜ! 去るぜ!!。
色々勝手に敗けたような気分になる。
うーーん おにょれ、次の敵かかってこいやー。
あ、やっぱいいです精神的に触れあう前に不意打ちで尚且つ一撃で倒させて下さいオナシャス!!。
と更に勝手な願望で違う脇道を索敵索敵。
さーち&ですとろーい!!。
……居ません。
三回ほど空振りして理由を考える。
ひょっとして目ぼしいのってタコ(がらはど)の餌じゃね?。
正直スガルガ抜くといままで出会った中で一番強い魔物な気がするし。
あかーん。
しっかしなんで、がらはどはオレを食わなかったんだ? 旨そうじゃないから? そうね。スライムだもんね。
いやいやいや、カエル先輩やヤゴシロウは爆釣やったぞ?とスガルガの台詞を思い出す。
奴らが食おうとしてたのはオレの核。スライムの魔石だった。
確か一定以上の力を魔物は必要以上に魔石を摂取しない。だっけか。或いは一定以上の知性や精神構造を持つ魔物はあのフラッシュバックだかサイケデリックだかに耐えられない、或いは体験したくないから狙わないって事か。
自分が自分で無くなるのは怖いよな。混ざるのも嫌だが上書きすらありえる。折角強い敵を倒してもこっちの肉体乗っ取られたら取り込む意味が解らない。
そうなると知性の低い、ないし精神的に他者を理解出来ない魔物は逆に際限なく取り込んでデカくなるとか?。無いもんは混ざりようがないワケだし。
アレ? でもその場合ブランクなら上書きしやすくもなるんじゃないのか? いやそれとも脳の、ハードの方の限界値に知性、ソフトの方がついて来ないとか?。
……わからん。
海の中とかカオスになってそうだな……。
そんなバケモンどもと会敵するとかややぞ。
出会いたくないなー やだなー 怖いな、怖いなー。
海に近づくのは止めておくか。
とそんな先の予定とかええねん。
今のオレに必要なのは魔石なんだよ!!。
そう自分の思考を打ち切り探索を続行したった。
うーーん ない。本当に何もない。
仮にも竜の迷宮、洞窟だけど脇道に冒険者が喜ぶ宝箱なんかあったりなんかしちゃったりして!。
とか思っていた時期がオレにもありました。
いや、そりゃ無いよねー ゲームじゃないんだからあるわけない。まぁ、仮に魔王城よろしく伝説クラスの装備がゴロゴロしててもオレには装備出来ないんですがね。
ポーションの類いなら使えそうな気もするけど。
そう言えば指輪やアミュレットって言うんだっけ? 刀槍の類だけでなくその辺のもスガルガに借りてたけど、あの辺りの装身具の類いもやっぱり装備出来ないし、そも鑑定がないからどれが何やら解らんのだが。
だからここでお宝手に入れても多分なんも使えないんだけどね、あははー。
でもまぁ、やっぱりお宝はロマンだよねー。
ましてスガルガから借りたモノでない自力入手のお宝とか超欲しいじゃん。折角異世界ファンタジーなんだから。
ん…… お、なんか光ったか。おたからー?。
スガルガの為になるアイテムだといいな。
やほーい。光ってる宝石か!? 宝石だな!!。
緑色だから翡翠かなエメラルドかな!?。
超☆らっきー!! 神様からのプレゼントだー!! イイコにして良かった!。
いや、待て光りゴケとかかもしれない。
とハタと気が付く。いや、そうだよなそんな旨い話があるわけない。そして更に気が付く。
……つーか、宝石って自力で発光しないよね?。
え…… 待って、アレって…… なんぞ? やっぱコケか?。
ネズミ足を止めて足元というには高すぎる岩に隠れながら近寄り自分より巨大な光を仰ぎみる。
ははは、はひ。
チクショウ!! 神様なんて居やしない!!。
これは悪魔からの贈り物だ!!。
洞窟の脇道で見つけた光る物体。
それは緑色に淡く光り輝く【人体の魔石像】だった。
百合を書きたいんだけど前置き長いー。




