おっさんスライム竜と出会う 19
万策ツキター!!
嗚呼、ケーキ屋さんになるのが夢だった……。
一。カウント再開。
って、テメェ、呼羅まだネタ終わってねぇぞ!?
こーこうだな!? あ、やっぱりイイデスぅぅぅーー。
妄想ヤゴシロウ相手に痛いスタンダップコメディをセルフで繰り広げる。
不味い。何も解決していない。
小首を一つ傾げて (無いけど気分)
んー じゃあこういうのどうよ?。
と更に小細工に走る。
0.9、0.8、0、7……
カウントは進むよどこまでも。ただし小数点の単位で。
新しい時間稼ぎ方法は玉ねぎみたいに沢山のちょっとだけ硬い被膜を新たに何枚も作り出し壁にするというモノ。というか、たいして硬く出来ないからその程度なだけなんだけど。
がやっぱり向こうの進攻速度のがヤバい。此方の被膜作成と向こうの進攻速度の比がの差が一対0.9位。それがカウントを小数点の進行にする。一対一までもってイケりゃ諦めて…… くれんわなぁ。
必殺にならない奥の手、開陳すんのは嫌なんだがもう背に腹は変えられない。
喰らえ!! 俺の竜王の財宝!!
横置きバージョン!! 槍をぶん投げた。
というか吐き出した。割りばしを一本口の中に横置きした所を想像して欲しい。つまりはそういう事。
だがかわされた。
デスヨネー。
しか~しまだまだアルよー?。
ふははは、そーら、剣も斧も喰わしてやるッ! 腹一杯食らいやがれ!!。
って、うおにょれ! 一発位喰らえや!? 高いんだぞ! 多分。
繰り出す武器がことごとく不発。湖底に沈んで行く。ああ勿体無い…… 後で回収出来るのか? だがしかし命あっての物種、使わざるおえないッッ。
あたら名剣、宝槍を使い潰す事を強いられているんだッ!。
連射したら吐き出すタイミングちょっと上手くなった。でも向こうも回避上手くなりましたよ……。
カウントは三まで引き伸ばしたけどそこから増えない。上手く取り付き直してカウントを縮められる。
あ、あれ? ひょっとして纏めて玉っぽい感じで吐き出してやれば一本位顎に引っ掛けられて部位破壊狙えたんじゃね?。
……今更かッ!。もう絶対引っ掛からない気がすりゅうぅぅぅ。そもそも弾がないぃぃぃ。
ぐはぁ、うわぁ残弾確認したら後、一本しかねぇ!!。
百本近くあったのに! こんだけ粘ったら敢闘賞って事で見逃してくれよ。他にエサあんだろがよッ! オレ喰うのめんどくさいだろッ!。
時間かけた分より引けない感じですか、そうですか。ぎゃふん。
あークソ。離れらないなら、じゃあ近づくしかねーな。
自分から相手の口の中に飛び込む。
デカイ口だ。けどオレを一口で飲み込むほどじゃない。さっきまでギリギリまで寄られてから射出していた剣を零距離で発射。相手がかわした後逃げてたい所を、今回は変えて逃げずに相手に張り付き、水を吸い込み体積を増しながら核たる魔石をヤゴシロウの後頭部に死角に来るように持ってくる。
コイツが喰いたいのはオレの魔石。なら口が届かないとこにエスケープすればいい。ここなら顎は届かない…… ってあぶねッ!。
えっ? 尻尾届くのかよ、海老か? ふざけんなぁー!?。
尻尾の先のトゲっぽいサムシングで払われる所を必死でしがみつく。
ああ、畜生! ここで武器ありゃ自分の身体に貼り付けてヤドカリっぽく防御出来たんじゃね? 失敗したッ!。
うごご。さて逃げられないなら戦うしかない。でもどうやって?。
オレに出来る事ってなんだっけ?。
モノがいっぱい食べられる。
武器が吐き出せる (弾切れ)。
形態変化が出来る。
すらいむのほうそくがみだれる!。
いや、スライムってそうじゃないだろう。
酸が吐けて!。
そして 纏わり付く!!。
はっはー! ゴーストタイプ連れてこいやッ!。
そうだよ、これがオレの! スライムの必殺わざ!!。
呼吸しない生物なんかいねぇ!。
スライム玉になりヤゴシロウ。うんもうヤゴシロウでいいや。ヤゴシロウの顔包み込む。これで息が出来まい!。
尻尾が飛んでくる。耐える。
尻尾が飛んでくる。耐える。
尻尾が……。
体感三十分間耐えた。
あの…… そろそろ…… 死にません、か? 苦しくない? あ、そう。
まじいなこっちが耐えられな…… あ、そだカエルの骨有ったやん!?。
これを背中に (だからスライムに背中に無い)背負ってヤドカリモードになる。
ヤゴシロウの百裂尻尾 (盛った)から耐えるのがちょっと楽になる。
うーん。しかしおっかしいなぁ。
なーんでコイツ窒息しないんだ?。
倒せないやん。今度こそ万策尽きたか。
このまま一生ヤゴシロウの背中に寄生生活だろうか。それは嫌やなぁ。
つかそのうち羽化する気がする。
ん?。
尻?から泡がで出てる……。
あ…… 気門……。
ヤゴシロウを倒した。




