第8話
「美加辞めなさい!!」
そう言って幸恵は、大声で叫んだ。美加の腕には、ナイフがあった。
「お母さんも、お父さんも大嫌い。私の好きにさせてよ。もう嫌!!」
そう言うとナイフを胸に当てて突き刺そうとするが、勝夫が横からナイフを奪いに行ったが、幸恵が、
「危ない!!」
そう言って、美加に刺さるナイフの先を、幸恵がかばったために、ナイフは幸恵に刺さった。
「きゃあー!!」
美加は喚いた。勝男は、とりあえず進の病院に電話すると。進が出て。
「そちらへ行くから、、、」
そう言って院長先生からのPHSの電話で病院を後にしたが、どうも解せない。(女っていうのは流産で、命を簡単に落とすものなのかな?!自殺未遂とはな。。。。)と思って車に乗り込んだ。真っ青の顔がさらに青くなっていった。車の中でもゴホゴホ咳をしていた。
どうやらそのまま心不全になったらしい、、、、と進は思っていた。食事に気をつけなくては、、、とも思っていた。苦しい時はこれを使えと田上から、渡された呼吸器の道具だった。パイポのように見えるが、タバコじゃ無かった。空気を吸い込む道具だった。それを吸うと楽になれた。しかしまた咳をゴホゴホし始めた。もう辛い、、、そう思ってると、手のひらには咳と一緒に赤い血がついた。またパイポを吸う。
根川家に着くと、久々に玄関を開けた。
「進お母さんを助けてやんなさい!!」
そういって勝男は、ナイフと母を抱きかかえて泣いていた。事情を聞くと、美加がバカなことをしようとして、勝男とナイフを奪い合ってる時に母も乱入して、母が脇腹に刺さったというのだった。
手のひらの血をハンカチで拭き何事もなかったように、進は母の応急処置をして、病院に付き添った。美加も強引に連れ出して腹の流産の様子を、医者としてみたが、何と、美加は流産などしてなかった。
妊娠5ヶ月だった。胎児の様子も見て取れて即入院した。それより、母の方が重症だった。
すぐに水島が、オペを担当して、無事にことなきに終わると。勝男はまだ母と美加に寄り添っていた為に進も、何となく側にいたが、胸が苦しくて、水を飲んで何とか耐えた。パイポも吸ったが、顔は真っ青だった。
「どうして、こんな事になったんだよ」
進が言ったら、美加がこう言って来た。
「私捨てられるのよ。さとしに、捨てられるのよ。みんなあんたのせいよ!!進あんたよ!!」
「何のことかわからないから、もうちょっと詳しく教えてよ。姉さん。」
と言ったが、顔はもう耐えられないというように真っ青になった。
事情を聞くと付き合ってる彼は、どうやら本気じゃ無いらしくて、遊びで付き合ってやったということで、そのぶんはちゃんと現金で手渡されていることも、分かった。それでノイローゼになって、赤ん坊を殺そうとしたと言った。
美加の腕には点滴がしてやって刺したのは進だった。
「全く、誰の子だって健康ならばいいじゃ無い」
そう言って、姉の美加を慰みにかかると、
勝男も幸恵も、点滴をしてる美加に、みんな笑っていた。進はくらっとして、よろけると、それを見ていた水島は、
「お前さんもこれやったらどうだ」
そう言って、進をベットに連れて行き、腕に点滴の注射を打つと、進は
「どうして分かった?!心不全だとどうして分かった!!」
という前に水島は
「慰めなんてしてない、後ちょっとの命だからな。それまで、生きてて貰うから、、でも一年後にはお前ともお別れだ。せいぜいだったね。それまでゆっくり休めよ」
勝男はびっくりして、
「水島先生うちの子は、病気なんですか?!」
「まあね。。。」
「何の病気ですか?進は何の病気ですか?!」
しかし進はそれを遮って、
「言うな!!お願いだ」
田上がそこへやって来て、
「風邪ですよ。風邪をこじらしたんですよ。大丈夫です」
と応援して助けてくれた。
「そうしときましょうかね、、、」そう言って、
水島は、行ってしまった。
「借りだよ。ふふふ」
田上は、進の点滴を違う点滴にすると、
「3人とも家族で入院となります」
と言ったが、進は点滴ばりを外すと、
「俺は大丈夫だから。みんなきょうはゆっくりしってて、、、」
そう言って自分のファインコートマンションに帰ってパジャマで寝ていた。眠ってしまった。
血圧は異様に低かった、体重は痩せて来てた。何も食べないから、水分でやっと来てた。
病院では、さとしが訪れたが、モデルのマネージャーを辞めると言うことだった。
こうも言った。
「俺一般人と結婚するからさ。美加とお別れするよ。」
田上はそれを見て、
「お前の子を宿っていても美加さんを捨てるのかよ」
と言うと、
「そんなに美加が欲しいのならあんたにやるよ」
「ちょっと待ってよ、どう言う意味?」
「俺は普通の生活がしたいのさ。周りがキャーキャー騒ぐの嫌なんでね」
「さとし〜。捨てないで。。。お願い」
美加は点滴してる後から言ったが、もう遅くて、さとしは、出て行ってしまった。水島は
「ちょっと君、君のことは調べた。お前もアンドロイド星の、人間だってな。お前のお母さんを殺したのはお前だって言う事も知ってる。車で引いたんだってね。アンドロスは、つまりアンドロイド星の王は、お前をそそのかして、自分の子を手放して、国を継ごうって思ったんだってな。君はアンドリューに、復讐する為に、地球に来たとか。。。当たりか?!でもアンドリューはもう死ぬから大丈夫だよ。安心してね。俺は君の味方だ。君の憎んでるものはもうじき死ぬから、、、安心して一般人と結婚でもしなさい」
「ペラペラと貴様誰だ!!」
「俺か、スザーカムだよ。最後の根をとどめに刺しに行きたいか?1」
「ままさか、スザーカム様。こっこれはご無礼申し訳ありません。ところで探してる。アンドリュー王子はどこにいるんでしょうか?!」
「ああ」
「あいつなら、ファインコートマンションで寝てるよ。行ってくればいい。根岸進の所へ。今頃無意識に青血でも吐いてるよ。きっと。何か可哀想だからパンでも買っていくと喜ぶよ。しかし後、半年後には死ぬがな」
とはきすてた。