第1話
「オギャーオギャーオギャー。」
「誰だこんなところに、、、、赤ん坊なんて、、、。」
「オギャーオギャー」
「よしよし、、、、困ったな、、、警察へ届けても可哀想だし、、、しょうがない私が家へ連れてくか。よしよしもう大丈夫だぞもう心配はいらんのだから、、、、でもこの赤ん坊妙な物に入ってる、、、なんだこれ、、、。」
勝夫が手にした妙な物は、赤ん坊が入るくらいのバスケットじゃなくて、ロケットみたいな形をしたカプセルだった。色は全体が、青で中間に赤い線が入ったものだった。
「なんだこれ、、、まあいい、、、早くお家へ行こうなあ。よしよし、、、。」
「ただいま。」
「おかえんなさい。どうしたの、、、こんなに遅く」
「いやいや、ちょっとしたハプニングがあってね、、、それよりこの子」
とカプセルに入った赤ん坊を幸恵に見せた。
「まあ赤ちゃん、、、どうしたのよ、、、この子どこの子」
「幸恵この子、道に捨ててあったんだ、、、、こんな編な物に中に入って」
「まあ」
「警察へ届けようと思ったんだけれど、、、連れて来たんだ」
「じゃあ捨て子」
幸恵は、もう言葉がなかった。
「美加もいるんですよ。、、、、赤ん坊が2人になったわ。、、、でも美加に弟が出来たんですもの。美加も私も賛成よ」
「よし、話は決まった。この子をうちの戸籍に入れよう。」
あれから20年ー。
あのカプセルに入った赤ん坊は、進と名付けられた。そして、美加は今ファションモデルになってる。進は医者をやってる。ここは、進が仕事をしてる坂本病院。
「どれ、はい口を開けて、、、あっ喉が赤いですね。あ〜これは風邪のようですね。じゃあ今日は喉の薬と風邪薬をあげますから、、、、それで一応様子を見て見ましょう。」
「ありがとうございます。」
「うんお大事に、、」
「先生、もう休憩時間です」とはるえが、言った。進が
「あと何人残ってる患者は」
「あと3人です」
「じゃあやる」
「えっ先生無茶です。一睡もしてないんでしょうに。先生疲れているの、、、」
と言いかけると進は
「いいから早くあと3人じゃないか」
と言うとはるえは、
「まったく進先生ったら、、、。」
と言うと、外の看護婦が
「そこがまたいいんじゃないの。いいわね進先生って、、、!かっこよくて頭が良くてそして優しくって!私断然進先生のファンになろうかしら!!」
と言うと、はるえが
「聞いて呆れるわ。どこがいいのよ。あのヘボ先生の」
と見栄を張って
「さ仕事仕事!何してるの」
外の看護婦に指示した。さっきの会話でもわかるように、進はここの看護婦や先輩同僚など患者にも、人気があった。だから次の医院長は進だと、噂が広まっていた。しかし、その噂を一番嫌ってる者が一人いた。
その名は、水島春夫だった。進は内科だけれども水島は外科だった。水島は進とは大の仲良しだった。それだけに、自分の親友が医院長になるなんて、ちょっと癪に触ると言うかライバル同士でもある。だから進に、やきもちを焼いていた。だけれども進は進で
「俺は、医院長になるなんて出来っこ無いよ。やっぱり次の医院長はお前だよ」
といつも言う。春夫はそれを聞いて安心するだけであって、進には一回も同情なんかしたことないのだった。
「さて3人終わった。よしみんな、休憩にしていいぞ!!」
と進は叫んだ。はるえは、
「先生は、休憩にしないんですか?」
と聞いた。進は
「うん、このカルテを田上くんに渡さなければならない。」
「それなら、私が渡して、、、。」
「いいんだ。これは大事な書類なんでね。」
と進は部屋を出た。部屋に残ったはるえは、
「何よ、人がせっかく親切に行ったのにイーダ。」
と言って舌を出した。すると親友の緑に
「はるえ、昼食どこか食べに行かない?!」
「待って着替えてから行く。2回のロビーで待ってて」
と言ってロッカー室へ走って行った。パタンとドアを閉めると、首にかけていたペンダントの蓋を開けた。
そこには、進の写真が入ってあった。そして、
「進先生、、、」
と言ってペンダントを握りしめた。すると緑の声がして
「はるえーまだー私はもう着替えたわよ」
「はーいすぐ行くわ!!」
と叫んだ。そして、急いで全速力で階段を降りて廊下を走っていたらドンと、水島とぶつかってしまったはるえは、
「すすみません!!」行こうとすると水島が
「ねえ今日の夜空いてるかい?!もし空いてたら今晩俺と付き合わないか?!返事は後でいい。じゃ。」
と言って走って行ってしまった。はるえは、
「あの〜水島先生、、、今晩は予定があって」
今日は進の家に行って患者のカルテを渡しに行くことになっているのだった。どうしようと考えていると、向こうの方から
「はるえ〜何してるの。そんなところにつったちゃって、、、休憩時間終わるわよ〜」
と走って来た。はるえは、
「あごめん。さ行きましょ」と言って坂本病院を出て行った。
「田上、、、はいこの書類。」
と進は田上に渡した。田上はそれを受け取ると急に
「ううううー痛いー。腹が急に〜こんな時に〜」
田上はしゃがみこんでしまった。進は
「おい急に、どうしたんだおい!!」
「すすまん、なんでもないんだ少したったら良くなるんだ。何でも無いんだ。毎日同じ時間に痛くなるんだ。大丈夫だ。」
「えっ毎日同じ時間に?おい服を脱げ、俺は内科だ。見てやる。さっ」
と進はいうと田上は慌てて
「えいいんだ。そうなんだ。僕はちょっと疲れてるだけなんだ。そうなんだ。」
その時に時計が鳴った。キンコーンキンコーンキンコーン
「あっ休憩時間が終わった。さてと仕事をするか。あっいけね次は、7号室の患者の手術があるんだ。じゃこれで、、、、。」
と行って部屋を出て行った。田上は廊下を歩きながら心の中で(危ない危ないもしあそこで服を脱いで診察されてたら俺が、機械だってことが分かってしまう、、、、。それにしても、、アンドリュー様は、今この地球の何処に居るのだろう、、、、。早く見つけ出して、俺を自由にしてもらうんだ。機械じゃなくて本当の人間になって、、、その為には、絶対このことを誰にも知られちゃまずい!!いや知られてはならない)
その頃進は
「何だあいつ、でも確か、でも確か毎日同じ時間に痛むとか言ってたけれども、、、心配だな」
と言ってと言って廊下を歩いて居ると、すれ違いにはるえと会った。
はるえは、
「先生休憩しなかったんですか?」
「ああ」
「先生今晩2、3、6号室のカルテお渡しに行ってもいいでしょうか?」
「ああ、、、そうだったな。それじゃ8時ごろに家に来てくれ」
「はい」
と行って赤くなりながら、はるえは、駆けて行ってしまった。進は進でまだ田上のことが頭に残っていた。
「はい、お疲れ様ーーー!」
とスタッフの声と同時に、根川美加は、タオルを片手に持ちながら記者を囲んでインタビューに応じるのだった。
「美加ちゃん、すごい人気ですね」
「ありがとうございます」
「今年のデザインや色などは、ファションモデルととしてどうですか?」
「はあ、今年のポイントの色は、爽やかなブルーなので私はとってもいい色だと思いますし、先生の感覚が私も好きなので、先生の作品なら全部着たいと思ってます。」
「そうですか、ところで、美加ちゃんは、今度テレビのCMに出るそうですね。」
「はい、缶コーヒーのCMなんですが、今ビデオ取りしてるんですが、仕事が忙しくて、、、あと1回で取れば終わるんですが、、、、、時間がなくてね、、、なかなか、OK貰えずにいます。」
「ところで、今好きな人はいるんですか?美加ちゃん」
「好きな人はいまいません」
「いいなあーとなんて思ってる人もですか?」
「いません時間がありませんから、、、」マネージャーが
「すいません、次の仕事があるので、、じゃこれで、、、、さっ美加ちゃん」
と言って記者をかき分けて車に乗った。後に残った記者たちは
「あーあ、また逃げられた。どうも好きになれないなー」
というと他の記者も「本当いつも何かってえと『時間が時間が』だもんね。
ー車の中ではーーー
「ね、次の仕事はどこ?」
と、美加がマネージャーに質問した。マネージャーはニヤッと笑いそしてだんだん高まって着て多声で笑った。美加は
「どうしてそんなにおかしいの?!
「だってあの記者たちの顔、、、ハハッは本当は次の仕事はないのに」
「えっ仕事無いの?!」
「うん、後2時間経つまでは、スケジュールなんて、真っ白さ。ねえ、俺とどこかでお茶でも飲まないか」
「誘ってるの?!このヘボマネージャー!嘘ついて、、、ふんいいわ、、、、お茶なんてセコイこと言わないで、『ラブホテル』って言えばいいじゃ無い?!その代わり私の肌は高いわよ。」
「分かってる。金は後で払う。」マネージャーはラブホテルへと向かった。
ラブホテルでは全てが終わって、ベットの中に寝てるマネージャーが
「今日はとっても気持ちがいい。、、、、ねまた時間が空いたら付き合わないか?!」
「ふん付き合ってもいいけれども、、、現金はちゃんとあるの?!」
「金」
「そう今日の金そうね5万は軽々よ。分かっての」
「もちろんさ、、、。ところで君は兄妹いるかい?」
「兄妹、、、。ふん居ないわ。一人っ子」
「ふーん故郷は何処?」
「東京、、、、。このごみごみした中で生まれて育ったの。両親は私に、優しくて、、、そのせいでこういうわがままになったせいもあるわ。」
「ふーん。でも俺噂で聞いたことあるぜ。根川美加にもう一人弟が居るとか、、、、その人は今医者になって居てう〜んと何処の病院だったかなぁ。」
「、、、坂本病院じゃなくて?」
「そうそれ。」
と言うと急に美加が笑い出した。さとしは、
「何がおかしいんだよ」
と聞き返すと美加は
「ごめんなさい。でもどうしてみんな兄妹だって分かるの。顔も形も、あの人と違うじゃ無い。それにあの人とは赤の他人同士よ。」
〜〜病院ではーーー
「ねえねえ、はるえ大変よ。進先生には本当は実の姉が居るんだって!!」
「えっ」
と言ってはるえは、緑の方へ振り返った。緑は興奮して
「その姉というのが、なんと今すごい人気の根川美加よ!!」
「えっ、今なんて、、!!」
とはるえは、びっくりして声も出せなかった。
「でもね、はるえ、聞いて、根川美加は、それには答えないようよ。」
「そ、それもそのはずよ!!だって似てないわよ。」
とはるえは、ムキになって言った。そして、はるえは、おどおどしながら
「そ、それじゃあね。緑。私9号室の体温測んなくては、いけないから、、、」
と言って2人はすぐに別れた。でもはるえは、まだ緑の声がこだまして耳から離れられなかった。はるえは、今日の夜8時に、本当のことを聞こうと決心した。