NO!薬
無農薬野菜が持て囃されていた時期がある。テレビや漫画などで無農薬野菜を絶賛して取り上げられていたからか、今も無農薬野菜に対して世間は好意的だ。
そこで考えた。農薬とは悪なのだろうか、と。
「無農薬野菜」と「農薬を使って栽培した野菜」、どちらかを選ぶなら「無農薬野菜」が選ばれる。自分でもその選択をする。殆どの人がそうするであろう。
農薬、えらく嫌われ者である。
そんな嫌われ者の農薬ならいっそ完全撤廃し、全ての作物を無農薬栽培にしてみてはいかがだろうか?
まあ、本当にそんな事が実現してしまったら、多くの人命を失うことになるでしょうが。
農薬や耕運機などによる生産効率の向上によって、今がある。にも関わらず、世界では貧困にあえぐ者がいる。
こんな状況下で農薬を無くしたらどうなるかは、火を見るよりも明らか。農薬が農業にとって必要不可欠な存在なのは、疑いようの無い事実である。
そんな必要不可欠な存在でありながらの嫌われ者。農薬への評価とは、なんと理不尽な事であろうか。
テレビや漫画などで、田舎暮らしをしている人をよく見かける。無農薬野菜を栽培した晴耕雨読の生活。なんとも羨ましい話である。
そう、羨ましいのは当然。何故ならそれは本当に贅沢な事なのだから。
先に記述した通り、世の中の殆どの人間は農薬の恩恵の元に生かされている。
そんな中で無農薬栽培で生活できるのだ。贅沢以外のなにものでもない。
世界中の人が真似をして無農薬栽培が主流になれば、生産効率は低下して食料自給率は低下。野菜の値は高騰して真っ先に被害を被るのは、自分の様な貧乏人。
つまり「農薬の恩恵によって生かされる大多数の人間」の上に成り立つ「少数派の無農薬栽培派の人間」。
だからこそ羨ましい。
見方を変えれば農薬とは貧者の味方であり救いである。自分の様な貧乏人が、嫌っていいものではない。むしろ感謝しなければならない存在。
勿論、妊娠した女性に少しでも農薬の少ない食べ物を摂取する様、心がける必要もある。胎児に少しでも悪影響を与えない為の配慮は必須。
嫌わずに感謝。されど配慮も忘れずに。
施設内での水耕栽培によって天候に左右されず、作物の安定した供給を可能に。更に無農薬で栽培が可能。なんて話も耳にします。
そう遠くない未来、貧乏人にも無農薬野菜が安定供給される日も近いかも知れません。いつになるかは分かりませんが、科学の進歩に期待です。
結論…農薬に背を向けず、キチンと向き合うのが理想ではないかと思う。貧乏人にとっては特にね。
頭ごなしに「NO!薬」などと言わずに、向き合う事の大切さを忘れずに!
…では最後に、この問題に向き合って貰いたい。
先日、アメリカに新たなる大統領が決まりました。一癖も二癖もある年寄りだ。
それによって問題になるのがTPP(環太平洋経済連携協定)である。
TPPは参加する各国の代表達が、自国の利益の事のみを考えて有利にことを進めようとする、観ていて吐き気がする集まりである。
参加する日本の代表達も自国の利益の事ばかり考えている。嘆かわしい。
利益の事も確かに大切かも知れませんが、その前に考えて貰いたい事もある。
例えばアメリカ産のオレンジ。
昔、日本への輸出が始まったのは、アメリカの圧力に日本が屈したから。
まあ、日本が輸入するのにはある程度の理解はできる。しかし、農薬についての規制については理解はできる訳がない!
柑橘系の作物にはカビが生えやすく、輸出するのにポストハーベスト農薬を使用する。
ポストハーベスト農薬とは、収穫後の作物に使う農薬。ここで使われているのがイマザリルという劇薬。日本では禁止薬物である。それが使われているのだ。それも合法として。
何故、合法か?それも輸出の時と同様にアメリカの圧力が強行されたから。
劇薬であるイマザリルを農薬の散布ではなく、添加物とみなして合法として扱われる事に。劇薬の何が添加物やら?
かくして未だに劇薬であるイマザリルを散布したオレンジが、日本に輸入されている訳です。
確かにTPPで利益を考えるのは必要かも知れませんが、輸入作物の安全、安心をまずは第一に考えるのが必要なのではないだろうか?
こういう時こそアメリカに対して断固たる決意を示して貰いたい。
「NO!薬」と言った感じでね。
FIN
【あとがき】
子供の頃から「農薬=悪」の図式があり、それに対して不満がありました。
歴史を紐解けば、農薬が無いばかりに飢饉で死亡する人が多数いました。今だって農薬が無くなれば飢えて死ぬ人は増えるはずです。
でも、作中にも書かれている様に、アメリカのオレンジは輸出を強行。それに伴い劇薬である農薬の散布も強行。
農薬に対してしっかりと考えるべきですねと、素人なりの意見です。
少しでもこの問題に対して興味を抱いて貰えたら幸いです。
(●´ω`●)