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神様がいるとすればそれはとても意地悪で、いないとすればそれはとても残酷だ。そう彼が次に無くしたのは愛だった。喜びと悲しみが残った。ただ彼は私のことを好きだったという事実は覚えていた。
もう馬鹿みたいに求めあうことができなくて悲しんで、それは彼の死にまた一歩近ずいたということでそれがさらにくるしかった。
私達はそれでもたくさん遊んだ。彼は必死で楽しいことをして喜ぼうとし、私は喜んでもらいたくてなんでもした。
同じ本を2冊買って一緒に読んだりした。彼は昔のようにカラフルではなかったけど、とても綺麗な二色をみせてくれた。必死に本を読んでいる彼は自分の感情を探しているようで、見るのは少し辛かった。
「俺さ愛子のこと好きだったこと覚えてるよ、死ぬまで忘れない。そしてね、今は二つしか感情がないけど、君と一緒に遊んでと嬉しいし、君が辛そうな顔してると悲しい。
恋愛の、愛はなくなっちゃったけど、多分俺は君に恋してる。」
すごい嬉しかった、そして返事をした。
「私も君のこと好きだったこと忘れないよ、そして私は死ぬまで君のことが好き。」
彼は少しだけ悲しそうに、でも嬉しい色もひめて笑ってくれた。
「それは羨ましいな、少しずるいよ」
彼の喜びのオレンジも悲しみの水色もとても澄んでいて、とてもきれいだった。
私達は私達にとって幸せだった。不幸な未来しか見えなくても、幸せで後悔なんか絶対しない。
こうして幸せな一カ月がまたたった。