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病室で彼はよく理不尽に怒っていた。
「なんで俺がこんな目に合わなきゃいけないんだろ神様がいるなら本当恨むわ」
私には彼が怒っているのがわかった。すごい燃えるような炎の色で、見たくはなかったけど、これを見ることができる時間も残りすくないと思うと目を離せなかった。その炎のせいで私のことを考えてくれないことが少し悔しいと感じる、自分に少し怒りを覚えた、自分本位な自分に。
残り時間が短いことを知って私は自分の気持ちを隠せなかった。
「私ね、死ぬまでずっと一緒にいるから。」
そう言ったけど、彼の中に喜びは見えなかった。何もできない自分が虚しかった。彼は一番最初のように素っ気なく返事をした。
「もういなくなるやつのことなんか気にしてもしかたないよ。」
彼にはまだ四つ残っているはずなのに、怒りと悲しみしか見えなかった。
すごい我儘だけど彼に喜んでほしいのに、何もできない自分が悔しかった。