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俺と僕  作者: tama
13/26

番外編 久々の地球

これからちょくちょく番外編を入れていこうと思います。番外編では、登場人物視点のものとしたいと思います。

「おきろー!」

 耳元でそんな声が聞こえた。目を開いてみると、そこにはアカリが居た。どうやら僕は寝てしまったみたいだ。む、よく見てみると彼女は馬乗りになっているじゃないか。ソファで寝ている僕の股間辺りに彼女の股間が丁度当たって…やっべ興奮してきた。

「目覚まし美少女とはなんて贅沢な生活をしているんだろう僕は。」

「そりゃどうも!てゆか、ボクの出番が少なすぎるから遊ぼうよ!誰もいないんだしさ。」

「それはプロレスごっこかい!?それともお相撲大会かい!?」

「ちげーよ!なんでそんな卑猥な方にいくんだよ!」

 その突っ込みもどうかと思うけどね。

 エウリアたちは近くの町へ買い出しに行っている。近くとは言っても、ここ『コロナ邸』はどこの国にも属さない無法地帯にあるが故、往復でも三時間はかかる。僕はすぐに寝たみたいだけど時計を見るとまだ三十分しかたっていない。

「遊ぶって言ってもなぁ…気軽に町へ行こうっていうほど近くもないし、この家にはテレビもないし…。」

 ていうか、この世界にテレビと言うものが存在しない。なんて暇な世界なんだ…ああ、世界の彼方まで行ってRが見たい…

「そのテレビって良いよね!ボク、まだ見たことないんだぁ!」

 アカリは依然として僕の上から退かない。嬉しそうにピョコピョコ跳ねるから、僕の股間が程よく刺激されて色々危ないです…はい。

「…て、あれ?アカリはテレビを知ってるのか?」

「うん。知ってるよ?」

 なんでだ?まぁ、ロード(あんまり知らないけど)の指輪なだけあって、異世界の文化ぐらい知っててもおかしくはないよね。うん。

「まあこの世界にテレビはないし、僕に作り方の知識も備わってないので、叶いそうにないですなぁ。」

「じゃあ、元の世界に戻っちゃおー!」

 アカリはそう言って右手を天井に掲げた。

「出来るの?」

「そりゃあね!なんたってタイガをこの世界に連れてきたのもボクだからね!」

 ん?てことは…

「あのじいちゃん?」

「ピンポーン!まぁ、ばあちゃんだけどね。」

 熟し終えたじじばばなんぞに性別なんてあるのか?

「へー。なんにしても、ひさびさに元の世界に戻りたいな。」

 この"グランドアース"の世界は悪くない。元の世界を忘れていられるから。少しだけ、気分が楽になる。それでも、エロ動画ぐらいは久しぶりに見たいかなぁ…。

 僕がそんなことを言っているとアカリが魔法を繰り出した。そのか細い手の先に大きな魔方陣が浮かぶ。

「ここをくぐったらタイガの部屋だよ!」

 部屋っつってももうこの世界に来て一ヶ月は過ぎてるから、もう大屋さんに処理されているだろう。からっぽだろうな…ああ。

 そんな事を思いつつ、アカリの指示にしたがい僕は魔方陣の中に入っていった。


 一瞬グラリとした重たい気分が全身を襲った。


 しかしそれもすぐになくなり、気がつけば僕の部屋に着いていた。

 処理はされていない。なんでだ?もう解約されててもおかしくはないはずなのに…。

「ああ、それはね、異世界に人間がトリップすると、その人間が元々すんでいた世界の時間が止ま るんだ。」

「うおっ!心を読んだ!?って、どゆこと?」

「うーんとね、つまり、タイガは今この瞬間まで、存在を忘れられていたんだよ。だから大屋さんも家賃の事を忘れていた。因みに今は地球に居るからグランドアースの世界ではタイガの存在が忘れられているよ。複数の世界に一人の人間は存在出来ないんだ。」

「なんか難しいんだな。まぁいいや。それなら今はこの世界をenjoyしよう。」



 とりあえず僕は自分の部屋にあるものを確認した。

 ごく普通のパソコンデスク。19インチの薄型テレビに、シングルベッド。それだけだ。いや、パソコンデスクの机の裏にエロ本を隠してある。あとギャルゲーも。

「タイガの部屋ってフツーだな!」

 アカリがテレビをつけ、番組を見ながら言った。

「まぁ、必要最低限の物しか置いてないからね。」

「エロ本とか?」

「まぁね。ゲームもあるよ?やる?」

「やる!」


 僕はテレビゲームを出した。カセットを入れる。内容はバトルもので、キャラクターを一人選んで対戦するものだ。ストリートフ○イターを思い浮かべてくれたらいい。

「おー。操作は大体…こんな感じかな。」

 アカリはあぐらをかいてコントローラーを握る。因みに彼女は赤いワンピースを着ていて、それ以外は下着すらもつけていないので、上から見ると結構…ムフ、ムフフ…

「てい。」

「いでっ!?」

 アカリが僕のすねをコントローラーで殴ってきた。ま、まさか見てたのがバレてたのか…?

 そんなこんなでゲームをすることになった。アカリは筋骨たくましい大男をチョイスした。動作は遅いけど一つ一つの攻撃の威力が高く設定されている。僕は爆乳美女のチャイナドレスを着たねーちゃんをチョイス。軽やかな動きと、トリッキーな技で相手を翻弄するテクニシャンなキャラだ。あっちのほうもテクニシャンだったりして…ムフ。

「やったるでー!」

 アカリは元気満々にコントローラーを握りしめた。ふふふ、すまんなアカリよ。僕とてそんなにやさしい訳ではない。ある程度このゲームをやっていた僕に初心者が勝つのは不可能。


 ―――十分後―――


「三連勝目だね。タイガよわーい!あははっ!」

「な、なじぇ?スピードが速い分有利なはずなのに…。」

 え、ええい!こうなったら裏技だ!

「あっ!?電源消しやがった!?せこいぞー!!」

 ふははは。都合の悪いことは揉み消す。これが大人のやり口だよ。

「他のゲームをやろうか。」

「むぅ、自分が不利だからって都合の言いように言うなよ…。まあいいけどさ。」

 なんか、罪悪感が凄いけどまあいいや。

 アカリはゲームが収納されている箱を探った。

「これって…。」

「それは…。」

 アカリが手に取ったのはギャルゲー。しかも僕が持っている中で特に際どくて危ない物だ。

 内容は透明人間が美少女達を犯していくというありがちな物だが、描写がとてつもなくリアルで、ヤったことがない僕でもヤっているかのような感覚に陥る。

「結構、エッチなやつ?」

 お?アカリが珍しく赤くなってる。はっはーん。以外と興味深々なんだな?

「大分ね。」

「ふぅーん…。」

「やりたいの?」

 僕がそう聞くと顔を赤くしてアカリがこちらを見てきた。そしてもう一度ゲームのカバーを見る。しばらく考えた末

「ちょっと…。」

 だそうだ。僕は無言でそのカバーを受け取り、セットする。

 そのあとアカリに操作方法を教えて一人でやってもらった。

 設定は普通の男子高校生が透明人間になり、クラスメイトを犯す物だ。まずは尾行から始まり、人目のつかない所に行ったらアクションが起きる。そこで如何わしいことをして、美少女を興奮させる。あとは……流れにのってって感じだね☆

 しばらく進めているとアクションが起こった。アカリはお尻を触るのを選択した。無言だ。なんか……女の子が無言でギャルゲーをするって生々しいな。それを見て興奮する僕も僕だけど。


 一通りのアクションを終えると映像にはいる。

「おっ!これは、結構際どいやつだね。」

 その映像は放送禁止用語をいっぱい並べなければいけないので割愛。そのかわり、アカリの反応をお届けしよう。

「いっ……!そ、そんなとこさわんの?うわぁ……えっ?そ、そこも!?うそ……こ、こんなの…駄目だよ…ボクだったら…ひぁ…うわぁぁ…。」

 右手で目を覆い(とはいっても指の隙間からばっちり見ている)、正座を崩したような座りかたで、太ももの間に左手を挟んで、もじもじしながら映像を見る若干一四歳の美少女、アカリ。


 ご馳走さまです。


 そう言えば、初対面のとき、僕がアカリを襲おうとしたけど逆に誘惑してきたよね。なのに以外と純情って…萌えぇ…。

「めっちゃ興味深々だね、アカリ。」

「う…まぁ。ボクってば指輪だから性に関することに興味があるんだよね。なぜ生命は交尾を必要として、母なる存在を必要とするのか。こんな風に犯されたり、子作りが目的じゃないエッチが何故存在するのか。ボクは興味があるんだよね。ボク自身、造られてから何万年と存在してきたけど、シたこと無いし。」

「ほほぅ?つまり処女ビッチという訳だな?」

「言い方よ。」


 その後、アカリと僕は特に何もせず、暇をもてあましていた。

「そろそろ帰りますかぁー!」とアカリが僕のベッドの上に座り、背伸びをして言った。

「そうだな。」


 ……本当にこのまま帰っても良いのだろうか。


 アカリは例のごとく、魔方陣を展開し、"グランドアース"への通路を造る。

 最早、あちらの世界の方が元々住んでいた世界のようになってきているな。

 でも僕は――あの世界で――償わなければならない。


 ふと、僕の目に一枚の写真が目に入る。パソコンデスクの上に立て掛けられた、額に飾られた写真だ。


「おーい!何してんだー?早く行こうよー!」

「ああ。今いく。」


 これも僕の償いだ。


 僕はその写真を伏せる。


 そしてアカリの元へと行き、グランドアースへと戻るのだった。




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