序章
まだ本編に入らない序章です。この主人公のモノローグ部分は最終話とリンクしてます。
真実の光が現世に残された想いを包む時、
古の妖刀、残光刀が神秘の虹を纏い降臨するだろう。
人々のその地に残された慚愧、憎悪、憂い…の念が癒され、
正しき輪廻へ還るまで。
はらり…、はらり。
薄紅色の欠片がいくつも視界を過ぎり、薄紅色に染めていく。
とても綺麗だった。
それが最期に見た記憶。
私は臆病だから、やっぱり君に苦しむ姿を見せたくなかった。
そんな姿を見せたらきっと君は悲しむ。
だから君の記憶には私がいつまでも元気で笑っている姿だけを刻んで欲しかったんだ。
君にも笑っていて欲しい。
もしも奇跡がおきて、また君と私が巡り会えたらまた二人で笑い合いたいんだ。
強くありたいと願う先には守りたいものがあって…。
それを貫く為には、時に大きな代償や痛みを伴う事がある。
そして自らの弱さを呪い、過ちを犯そうとする。
それが正しい道なのか、それともまたあの惨劇の繰り返しとなるのか…。
やがて私の視界は全て薄紅色で覆われていく。
意識すらもその柔らかで温かな色彩の中に溶けていった。
なんちゃって平安モノです。だからちょっと時代考証が甘い部分もあるのはお許し下さい。一応しっかり完結まで組み立ててあるお話なのでコンスタントに連載出来れぱ…と思ってます。