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学校に行け!

 親が死んでから大分たった…。


 今のルーファスは15歳になる。

 4歳のときであったから11年たったことになる。

 月日の流れるのは早いものだ。


 今日はトルディーの奴が何やら話しがあるらしい。

 呼び出されたレストランに行くと、トルディーはすでに待っていた。


「若。15歳の誕生日おめでとうございます。」


 今は若と呼んでいるらしい。


 この国は1年は12カ月、一月30日で360日。1日24時間と日本と殆どかわりない。

 そしてルーファスは某ねこちゃんと一緒の誕生日で、11月1日産まれだ。

 

「それで。」


 そっけない返事を返す。


「はい、それでですね。若には春から学校へ行ってもらおうかと思うのですが。」

「いかん。」


 あくまでそっけない返事を返す、ルーファス。


「だいたい習うことなんざなにもねえだろ。」

「はい。どこに出しても問題ないようにと私の知識のすべてを若に伝えたつもりです。ですがそれが知識のすべてではありません。私の知らないことなどまだまだ沢山あります……。それに若は同年代の付き合いをされたことがありません。」

「いらん。」


 ふう、とため息を吐くがそう言われるのはわかっていたようで続ける。


「本当にいりませんか?同年代というのは目線が同じ。私とは違う発見もいっぱいあります。そしてなにより……。」


 一度言葉をきり、ここが重要だとルーファスを見る。


「このくらいの年齢の男女は恋愛が一番大事だと私は思います。これは先の話になりますが、そこでの出会いがきっかけで若もどこかの女子と結婚なんてことになるかもしれませんぞ。いや若ほどの男ぶりならきっと誰もほっときません!」


 実際ルーファスの容姿は優れている。肩甲骨くらいまで伸びた髪は金髪(女も羨むさらさら)で、目は二重の切れ長で凛々しさを感じる。背もガッチリした体型ではなくスラっとしていて180㎝ある。


 やっとここでルーファスは考える素振りをみせる。だが今までトルディーとほぼ二人で生きてきたルーファスは同年代の付き合いというものが全く想像できなかった。

 やはり断ろうとすると、その気配を感じたのかトルディーはいきなり頭を下げた。


「後生ですからこれだけは聞き入れてください。絶対若のプラスになります。」


 たのみます。と下げた頭を上げる気配はない。しかし今までずっと一緒にいてくれた、云わば親のような存在であるトルディーにそこまで言われて渋々だが納得した。


「無理だったらすぐやめるぞ。」

「結構でございます。願いを聞き入れていただき感謝します。」


 やっと頭を上げ、料理を注文する。


 今日はルーファスの誕生日。






 














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