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◎吐く


「これが、あの町に降りかかった地震の元凶か。」


サロスがアストラ達と一緒に旅をしてから長い時間が経った。


クルックスを新たな仲間に加え、様々な村や町を魔族から救い、アストラの星剣の勇者の名は広がった。


そして今、新たな町の問題を解決しようとしていた。


「ほ、本当にこれを倒すの?アストラ。」


クルックスが聞くと、すかさず答えた。


「倒さないとあの人達が苦しむ羽目になるからね。」


アストラは剣を鞘から抜き、目の前のサイクロプスに突きつけた。


「よし!皆!行くよ!」


サイクロプスはその一つ目をギョロリとこちらに向け、自慢の巨大な棍棒をアストラ達に振りかぶった。


「サロスは私の足場を作って!ヴィルはヤツの動きを封じて!クルックスはみんなのバックアップ!」


「「「了解!」」」


そう返事をしてすぐクルックスは3人に加護魔法をかけた。


サロスは風の魔法を飛ばしアストラの足場を作った。


ヴィルトゥスは炎と風の併用により、高速に移動し、ヤツの足元へ。


水球を手に纏い、その中に電気を流した。


その水球を破裂させ、サイクロプスの足元に帯電した水を流した。


すると、もちろん、感電したサイクロプスは体をまともに動かせなくなる。


「ナイス!」


アストラがサロスの風を駆け上がり、サイクロプスの顔の正面に到着。


体を逸らし剣を振り、ヤツの目を切ろうと飛び込む。


「はぁっ!」


行けるっ!と思ったのも束の間、サイクロプスは咆哮し、アストラを吹き飛ばした。


受け身を取り、大事はないが、アストラは両耳を塞いでこう言った。


「うっるさい!!!」


ヤツは電気が抜けたおかげで体を捻り、肩を回し、ニヤリと笑った。


続けて足を振り上げた。


「まずいっ。ヴィル!!サロス達を!!」


ヴィルトゥスが気付くも、時は遅い。


ヤツは足を大きなヒビと音に伴って地面を打ちつけた。


土煙を撒きながら尋常ではない揺れがサロス達を襲った。


「サロス!!クルックス!!」


そう叫ぶが、反応がない。


しばらくの無音の間の後。


風が巻き起こり、煙を払った。


その向こうには、クルックスを庇いながら右手を突き出したサロスがいた。


「ヴィル!サロス達をお願い!私が時間を稼ぐ!」


「ああ!」


ヴィルトゥスは炎を両手両足から噴射し、サロス達の場所へ。


「おい。サロス。大丈夫か。」


震える手をヴィルトゥスに見せる。


「師匠。大体は大丈夫です。でも風を使って揺れを防いだら…。」


「私のせいで…」


「誰のせいでもない。」


ヴィルトゥスがクルックスにそう言い、サロスの手を診る。


「なるほどな。」


ヴィルトゥスが呟くと、クルックスから聖書を借りた。


紙を次々にめくっていき、目当てのページを探した。


「クルックス。これをサロスの右手にかけろ。そうすれば治る。」


「分かった!」


クルックスは早速、サロスの手を取り魔法をかけ始めた。


「サロス。よくやった。」


ヴィルトゥスはそう言って、アストラの元へ飛んでいく。


「ごめんね。私がいたせいで、サロスが…」


「大丈夫だよ。師匠も言ってたでしょ?それに、むしろ、君がいないとダメだ。」


「サロス…。」


クルックスは魔法に専念するためか、サロスから顔を逸らし、患部に移した。


「はぁっ!!」


アストラがサイクロプスの足に攻撃しているが、


「…効いてる気がしない。」


何度も様々な場所を満遍なく切り付けているはずなのにそのどれもに手応えを感じない。


サイクロプスがアストラに棍棒を振ってきた。


「アストラ!」


ヴィルトゥスが炎をヤツの体に放ち当てる。


サイクロプスは怯んだ様子だが、傷はまるで付いてない。


「アストラ。どうした。」


「コイツ、全然攻撃を通さない。」


「確かにな。どうする。」


「皮膚の薄い場所を狙ってみよ。」


「なら、俺に考えがある。」


「おーけ。じゃあ私は合わせるから、合図よろしく。」


「無くても分かるはずさ。」


アストラはそう、と片眉を上げ、サイクロプスと戦闘を再開。


ヴィルトゥスもアストラをサポートするように空を飛び上半身を相手にする。


大木を何重にも重ねたかのような太さのサイクロプスの棍棒をヴィルトゥスは炎と風を使い、空中で縦横無尽に避ける。


足を振り上げ、また地震を起こそうと言うのならアストラが足に攻撃をたたみかける。


そうして、サロスの治療が終わるまで、サイクロプスを引きつけた。


「終わった…!」


そうクルックスが言うと、サロスは手をグーパーと開いたり閉じたり確認した。


「治った!」


ヴィルトゥスはその言葉を見逃さなかった。


「サロス!」


空から降り立ち、作戦を伝える。


「師匠!」


「今から言うことをお前にはしてもらう。いいな?」


「は、はい!」


その案は、魔法をまともに使えるようになったばかりのサロスにとっては荷が重すぎるものだった。


「師匠!む、無理です!そんな!」


「いや、できる。あの揺れを風で防いだんだ。お前になら任せられる。」


「サロス…。私も全力でサポートするよ!」


クルックスがヴィルトゥスの肩を持ち、背中を押す。


「わ、分かりました。頑張ってみます!」


「よし。」


ヴィルトゥスはサイクロプスに炎と電気を混ぜた大技を放った。


その攻撃を喰らったヤツはもはやアストラやサロスに目もくれない。


「ヴィル!あんた!どういう…。」


アストラがヴィルトゥスからの目配せにより、サロスの方を見ると、


「なるほどね。」


サロスが空を駆け上がるための風の階段を作っていた。


アストラはそれに登り、サイクロプスの更に頭上へとたどり着いた。


サロスはアストラを包み、威力を高めるためにクルックスから魔力を貰い、風の強度を高めた。


アストラが風の中に押し込まれていく。


アストラも剣を構え、"その時"を待った。


ヴィルトゥスがサイクロプスを誘導し、1番皮膚の薄い場所、つまり首の裏筋をアストラの方へ向けた。


「サロス!!今だ!!」


「はぁっっ!!!」


風のトランポリンを、サロスは解放した。


その上から風の単純な力でアストラを押した。


アストラはその威力、速さに攻撃を乗せ、ヤツの首を切り落とそうと振りかぶった。


「終わりだ!星となれ!」


その刃がヤツの首を切った。


「本当にありがとうございました!!」


村民がアストラ達を見送った。


アストラは町民に笑顔で手を振っていた。


サロスはそれを見て、なぞるように手を振った。



そんなことがあってから、またすぐ彼らは新たな場所で寄り道をしている。


「あの遺跡、お宝が眠ってそうじゃない!?」


アストラが指を指し目を輝かせる。


「ここら辺は謎の遺跡が沢山あるから、きっと金貨とか、古代文明とか、発見できちゃうかも!!」


「アストラ。そんなことしてる場合じゃ…。早く魔王を倒さないと…。」


サロスがそう言う。


「もうー。またー?クルックスを仲間にできた時のこと忘れたの?」


アストラが反論する。


「あの寄り道があったからクルックスを仲間にできたんだよ?寄り道には何らかの良いことが起こるんだから!」


「あれとこれは話が違うでしょ…。」


サロスが呟くも、アストラは先陣を切って遺跡の中へと入って行った。


「あ!アストラ!」


サロス、クルックス、ヴィルトゥスの順でアストラを追いかけるように遺跡に足を踏み入れた。


その時、サロスの視界がぼやけ、謎の声が聞こえ…、いや、脳内に直接響いた。


「仲間の真実を見よ。さすれば道は開く。」


その声が頭から抜けると、視界は元に戻った。


「…今の。」


まだ違和感が残っている。


「どうなってるんだ。」


ヴィルトゥスが壁を叩いていた。


その壁はなんと、


「僕達が入ってきた入り口が塞がってる!?」


「どういうこと…。」


クルックスが混乱しながら、一言漏らした。


みんなはさっきの言葉を聞いてないのかな。


サロスは言葉について2人に聞こうとすると、


「みんなー!」


アストラが声を上げる。


「奥に出口みたいのがあったよ。」


アストラも入り口が塞がっていることを知ってるのか。


「じゃあ行ってみようか。」


ヴィルトゥスが反応し、サロスとクルックスも賛成する。


松明で等間隔に照らされているがまだ暗い廊下をひたすら歩いていく。


その暗さによりサロスは足元のスイッチを押してしまった。


すると、アストラ、ヴィルトゥスとクルックス、サロスの2つに分けるように壁が現れた。


「おーい!そっちは大丈夫か?」


ヴィルトゥスがこちらに向かって呼びかける。


「何とかなってる!」


クルックスが答えた。


「よし、じゃあそれぞれで出口を探そう!」


「了解!」


そして、サロスとクルックスは横道を歩いていく。


そんな時、声が聞こえた。


「ったく。何で私がこいつと一緒に…。」


うん?

この声…。


「クルックス?今、何か言ったか?」


「ん?何も言ってないよ?」


「…そうか。」


しかし、声色がクルックスに似ていたために彼女の言葉を信じきれなかった。


数分後。


歩き続けても出口らしいものが見つからない。


「こいつのせいで…。」


と、クルックスの声で何度も、何度も、言われる。


「こんなやつとなんで…。」


「またなんか言ったか?」


「だから!何も言ってないって!」


でも、聞こえる。


…「仲間の真実を見よ。さすれば道は開く。」…


真実…か。


「クルックス。りんごって心の中で言ってみて。」


「え?なんで?」


「いいから。」


クルックスは不服そうに考えた。


「りんご」


き、聞こえた。


「これで何になるの?」


「…いや、何でもない。」


「ふーん。」


「ったく。なんなんだか。」


やっぱり、聞こえる。


「な、なぁ。クルックス。僕、何かしたかな。」


「うん?どうした?」


目の前にいるのは、ヴィルトゥスだ。


「あれ。いや、何でもないです。」


そうだ。僕はアストラ、クルックスと別れて、師匠と一緒になったんだ。


「サロス。風でこの岩を退けてみろ。」


「う、うん。」


サロスは両手から風を放つ。


しかし、岩を動かせるほどサロスの風は力が足りない。


それを見て、ヴィルトゥスは思った。


「全く。こいつは何をさせてもダメだな。」


聞こえた。


「し、師匠?今、何か…。」


「どうした?」


師匠まで…。


皆の、これが真実なのか…?


瞬きをすると辺りにあった壁が無くなった。


そして、背中を向けているアストラが現れた。


「アストラ…。」


サロスはほぼ無意識に彼女に近づいた。


「君なんか、仲間にするんじゃなかった。」


この言葉ははっきりと耳に入ってきた。


「お前は才能が無い。」


「疫病神め。」


ヴィルトゥスとクルックスの声も聞こえる。


嘘だ。こんなの…。


皆、今までそう思ってたってことか?


信じられない。


信じたくない。


いやだ。


いや…。


…。


ずっと聞こえる。


いらない、だとか、邪魔だ、とか。


頭の中で、耳で…。


信じてたのに。


気づくとアストラもヴィルトゥスもクルックスもそこにはいない。


ただあるのは光輝く出口のみ。


「真実を知れば道は開く、か。」


これが、真実。


…なら、進むしか。



サロスが出口に向かおうとした瞬間。

一際目立つ声が聞こえた。


「君が嫌いだ。」


…。


アストラの声でその言葉。


…。


あり得ない。


…。


…「君が好きだから!」…


「アストラがそんなこと、仲間があんなこと言うわけないだろ!!」



サロスは飛び起きた。


「やった!!目が覚めたんだ!!」


クルックスがサロスに抱きついた。


「く、クルックス。苦しい…。」


「あ!ご、ごめん!」


「おー!やっと戻ってきた!」


アストラがサロスに近くに座り込んだ。


「おかえり。1番遅かったね。」


「え?遅かった?」


サロスが聞き返すと、アストラは説明し始めた。


どうやら、あの遺跡に入った時に4人とも眠り幻を見ていたらしい。


その時、聞こえたのはあの言葉。


「仲間の真実を見よ。さすれば道は開く。」


皆、捏造された仲間の真実と称された負の心の内を見せられていた。


「じゃあ、あれは…。」


「嘘だよ。全くのね。」


アストラは話し続けた。


「私とヴィルがほぼ同時に幻から覚めて、その後にクルックスが覚めて、君を外まで運んできたんだ。」


「…そうだったんだ。」


サロスはなんだか肩の力が抜けたようだった。


「で?誰の嘘で気づいたの?」


アストラが詰め寄る。


「え、えっと、それは…。」


…「君が好きだから!」…


…。


「ま!無理に答える必要もないけどね!」


アストラは立ち上がり、腰に手を当て顔を張らせながら言った。


「全く、これもヴィルトゥスとクルックスちゃんの2人がサロスにあんまり"好き"だって伝えないからだよ?」


「ふん。伝えなくても分かるだろ…。」


「ヴィル!伝えてこその想いだよ?」


ヴィルトゥスは呆れた顔でアストラから目を逸らす。


「…す、好きだよ。」


クルックスが小声でボソッと言ったが、


「ん?今、何か。」


「う、ううん!何でもない!」


サロスは聞き逃したようだ。


彼らは幻に翻弄され疲れたが為に近くの平野で野宿することにした。


「サロス。蛍だよ。」


「だな。綺麗だ。」


肩を寄せ合い、景色を見ている2人の姿をアストラとヴィルトゥスが眺めている。


「ふふっ。」


「どうした?」


「いやー。私、やっぱりこの仲間が大好きだなって。」


「またそれか。」


ヴィルトゥスの顔は少し微笑んでいる。


「そうだ!あんただけには言っておこうかな。」


「ん?何を。」


「私が寄り道するもう一つの理由。」


「…それは?」


「なるべく一緒にいたいからさ。どんなにつまらない話だって、どんな笑い話だって、君達と一緒にしたいんだ。」


アストラは続けた。


「…もし魔王と戦って負けても、これで良かったって言えるようにさ。」


「…そうだな。」


サロスはこの言葉を聞いていた。


そして望んでいた。


みんなが、仲間が、無事で魔王を倒すことを。


信じている。


アストラが魔王を倒せると。


だって、あの笑顔で言われたんだ。


彼女以外いないと思った。



割れた床の上で僕はクルックスを抱えてる。


「サロス…。」


下半身が丸ごと消し飛び、残った上半身が僕の膝の上で横たわっている。


「クルックス。良いんだ。無理するな。」


声が、声が震える。


「サロス。私、君のことが…。」


彼女の左手が僕の頬に触れている。


彼女の言葉に一心を傾ける。


それでも、彼女の声は…。


「君が…」


途絶えた。


そばを見れば、右半身がなくなっているヴィルトゥスが倒れている。


ヤツの最初の攻撃でほぼ致命傷だったのだ。


しかし僕達を守る為に残った左腕を使い、魔法を放ち続けた。


そのうち、出血量が限界を超え、その場に倒れた。


クルックスが治療しようとしても治らない。


そのまま、師匠は息絶えた。


残るのは、僕とアストラのみ。


「サロス!」


アストラが魔王からの攻撃を知らせるが、サロスは動かない。


絶望し切ったサロスに活力など残っていない。


アストラはサロスを抱え、攻撃を避けた。


「サロス!しっかりするんだ!!」


「…。」


反応がない。


「っ…。」


アストラも心身ともに限界である。


だが、魔王は攻撃の手を緩めることはない。


アストラは攻撃をいなし続ける。

後ろにいる最後の仲間のためにも。


ここで命を落とすわけにはいかない。


そんな使命を元にしても、目に入ってしまう。


仲間の亡骸が。


その度に心臓が握りつぶされるような痛みが全身に響く。


弱音は吐いていられない。


でも…。


無理だ。


彼女の前にいるその怪物はまさに魔王。


立ち上がることすらさせない気迫がある。


「…終わりですね。」


魔王の腕がアストラとサロスを目掛けて伸びてくる。


死ぬ。


アストラでさえ、そう思った。


しかし、星剣の勇者がそうはさせない。


決死の行動に出た。


自分の体を使って攻撃を止めたのだ。


左肩に突き刺さった魔王の触手はすぐに抜かれた。


関節部分のみでなく傷口は広く、抜かれた勢いで左腕が落ちた。


「っ!!」


歯を食いしばり、アストラは剣を鞘に収める。


「アストラ!」


サロスは眼前の光景を顔をぐしゃぐしゃにしながら目にした。


「サロス。」


アストラはサロスの呼びかけにも答えず、剣を腰のベルトから抜き、サロスに渡した。


「え。これって…。」


「君は生きるんだ。君が私を引き継いで魔王を倒して。」


「そんな、僕には!」


「いや、君ならできる。」


頭の上に残った右手を置いた。


「会った時から気づいてた。君は勇者になれるって。」


「僕は、」


「私が時間を稼ぐ。ヴィルほどじゃないけど魔法が使えるからね。」


サロスが剣を抱いたままいる。


「行くんだ。」


「…っ!」


サロスは走り出した。


「"私の"勇者。」


残った全力を尽くし足を動かす。


目に涙を浮かべ、鼻をすする。


サロスは振り返った。


その時、アストラも振り返っていた。


アストラの顔はその時でも歯を見せ、にっこりと笑っていた。


が、腹に魔王の触手が突き刺さった。


血を吐き、口から下垂れようとも、笑っていた。


サロスは再び走った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「俺は、その後、魔王の領域から出て受け継いだ剣を振ろうとした。でも、剣を鞘から抜こうとするとアストラの顔が浮かんできて…。」


「…なら今まで、ずっと嘘を吐いてたの。」


「…。」


サロスは何も言おうとしない。


「何で!?」


「勇者でありたかったんだ。それに、真実を言えばきっと離れると思った。だから…」


「だから!僕を、アンバーも、騙してたっていうの?」


「…ああ。」


コアは深呼吸し、サロスに告げた。


「剣の石。僕が貰う。」


「…?」


「サロスに持たせられない。僕が倒す。ドラゴンも、魔王も。」


「ダメだ!聞いてただろ。魔王はアストラでも敵わなかったんだ!無駄死にだ!!」


「うるさい!!それでも僕は!!勇者になるんだ!!」


コアは席を立ち、建物から出て行った。


それに続くようにスミルノフはアンバーに肩を貸しながら出て行った。


ソーフィエがサロスに近づく。


「託された者のくせに情けないな。」


そう嘲笑を混ぜて言った。


サロスは言い返すこともできず、ソーフィエが出た後、1人椅子に座った。


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