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聖なる日に対する疑問点

作者: 藤乃花

聖なる日には、お菓子たちが会話に花を咲かせます。


ドーナツちゃま

「ひとつ疑問があんだな……」



某コンビニエンスストアのお菓子売り場にて、お菓子たちがいつものように雑談を始めた。


今回、雑談の中心にあげられているのはチョコレート君だ。


ガムさん

「毎年の事ながら、このイベントが来ると女子の気合は凄いモノね。

普段のラブアピールもグイグイ来るけど、この日ばかりは気合いが強烈だわ」


あめちゃん

「私達あめは来月になると売り上げが上昇するけど、それは男子の数によるもんね。

そこへいくとチョコレート君の今月の売り上げは半端ないわよ。

羨ましいわ」


せんべい様

「左様、チョコレート君の人気は日頃から凄いものだが、おなごが愛を伝える時の情熱は誠アッパレじゃぞ!」


ドーナツちゃま

「情熱はいいねえ!

出来立てホヤホヤの俺たちドーナツみてえだ!

けど、思うんだよ。

チョコレート君を買う時の娘っこの考え……100パー正解とは限らねえぜ?」


酢こんぶ殿

「限らねえ……って、なんで?

情熱には本物の愛が宿るよな?」


グミ氏

「重すぎるとか?」


ドーナツちゃま

「それもあるけどさ、チョコレート君を買う日って二月前か……或いは二月上旬だろう?

んで、準備が出来たら女子が男子のもとへ行くんだ」


ガムさん

「そうだけど……それのどの辺が問題なの?」


せんべい様

「分からぬのう……ドーナツちゃまの考えを聞かせてくれぬだろうか?」


ドーナツちゃま

「チョコレート君を買う日って云ったら、卒業間近だろう?

万一女子の情熱が男子に伝わって上手くいっても、間もなくしたら卒業して別れるんだぜ?

これは、悲恋だぜ?」


酢こんぶ殿

「云われて初めて気が付いた‼

確かにこれは、悲しい結末だな」


グミ氏

「そう考えると、二月のイベントは残酷なモノだよね。

女子も男子も、涙涙の物語だよね」


ドーナツちゃま

「だろう?

残酷にもほどがあるよ」


あめちゃん

「けど、逆のパターンも考えられるわ。

もしもよ、女子がフラれた場合は気まずくならなくてすむわよ」


せんべい様

「確かに気まずくはならぬが、やはり悲しいのう……」


ガムさん

「幸せなはずのイベントが、バッドエンドになるのは、あまりにも辛すぎる。

誰もが気持ちに実りが付いて欲しいわ」


酢こんぶ殿

「友情と違って恋の相手は一人しか選べないから、実らない可能性の方が高い……」


グミ氏

「貰えた分を全て受けとるだけ受けとって、一人だけを選ぶなんて酷い事」


せんべい様

「わしは微塵もそんな事を考えた事等ないのう。

若いおかしの意見にゃあ、頭が下がるわい」


あめちゃん

「これほど悲しいイベントはないわね……」


ドーナツちゃま

「悲しい事しかないような気がしてきたよ!

もうひとつ、疑問があんだな……何故、贈るのはチョコレート君なのか、だよな」


酢こんぶ殿

「……?

それは、気温的に時期が丁度良いから?

それと甘いって所が、恋を連想させるからかなあ?」


ドーナツちゃま

「まあ、基本はそう考えるんだけどさ……チョコレート君でアレルギー反応が出る場合があるらしいぜ?

男子にもし、カカオアレルギーの持ち主がいたら……それはもう、最大級の悲恋になるのは間違いなしだぜ!」


せんべい様

「なんと、それは……くわばらくわばら……!」


ガムさん

「情熱を伝えるはずの日が、よりにもよって闇の男子キラーイベントになりかねないわ‼」


あめちゃん

「本来楽しむべきイベントが、地獄の幕開けとなるわ」


グミ氏

「イベントのメインであるチョコレート君の意見を聞きたいが、彼は売り切れてしまったね」


主役のチョコレート君がいないお菓子売場に、悲痛な願いがほとばしる‼


お菓子たち

《男子にも女子にも、全員ハッピーな未来が訪れたまえ!》

お菓子たちの台詞を均等にすること、話し方が変わらないように用心すること、気を付けながら書き上げました。

不可解な点が在れば、御指摘お願いいたします。



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