表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

なんで?

「楓、何でこう言う風になるん?」

「ああ〜そこはね。代入してないからだよ。てか、海斗時間やばいよ?」

「だいじょぶ。だいじょぶ。で、これは〜?」


私が朝、見たその光景は私をどん底に突き落とすものだった。

私に告白してきた海斗は私の親友・楓とものすごく仲良さそうに話をしていた。

「あ、雨音、おはよう!」

みなとはすぐ私に気づき笑顔で話しかけてくる。

「おう、雨音」

「あ、うん。2人とも、おはよう。」

私はぎこちない挨拶をして席に戻る。

「で、だからここはこうなるの!」

「あ〜!そういうことか!楓分かりやすいな」

「そう?嬉しいな!」

みなとの恥ずかしいけれど嬉しそうに弾んだ声が聞こえてくる。

私はその場にいるのが辛すぎてトイレに駆け込んだ。


ねえ、昨日は好きだって言ってくれたじゃん?

どうして楓と仲良くしてるの?

私なんかだめなことした?

もう少し考えさせて欲しいって言っただけじゃん。

たぶん、みんな楓のことを好きになるんだよね。

だって、私が大好きだもん。

友達として最高だと思ってる。

だから尚更だよ。

私はまた楓に負けるの?

勉強でも運動でも顔でも仕草でも行動でも。

全部負けるの?

私がいくら頑張っても楓はずっと先にいる。

私がクラスで上位の成績でも楓は満点をとってる。

ああ。

羨ましいな。

悔しいな。

楓は女子から好かれ、男子からも好かれる。

私の努力って何?




「やっぱ、私いらないのかな?」



「そうじゃね?だって生きてる意味ないし。」



「そっか。だよね。あの子が羨ましいって思ってる時点最悪だし。」



「わかるようになってきたじゃん!あんたのこと、愛してくれる人なんていないよw」



「そうだよね‥。死んじゃう?」



「まあいいんじゃね?あんたが決めろよ。」



「ねえ、選択を私に委ねないで!あなたが決めてよ!」



「ねえ?返事して?」



「私はどうするのが正解なの?」




「ごめん。俺やっぱ楓のことが好きだ。こないだ告白したのは忘れてほしい。」

海斗は私に笑いかけた。

「え。」

突然のことに私は何も言えない。

「また、相談とか乗ってくれよ!楓のことなら何でも知ってるだろ?」

海斗は曇りのない晴天みたいな笑顔をこっちに向けた。

「うん‥いいよ」

こんな風に思ってもない言葉を言う自分が大嫌い。

ほんとは傷ついてるくせにね。

寂しいって言えないの?

私も好きって言えないの?

何でこんなに素直じゃないの?


ねえ、死にたい。

殺してくれたらいいのに。

安楽死っていう制度があったらいいのに。

私に生きる価値なんてない。

ああ。気持ち悪い。

吐きそうなくらい自分がきらい。


寂しいなら寂しいって、

悲しいなら悲しいって、

好きなら好きって、

ちゃんと言えたらいいのに。

何で言えないんだろう。



楓は顔に感情が全部出る。

疲れた時は疲れてる顔、

嬉しい時は嬉しい顔、

寂しい時は寂しい顔、

退屈な時は退屈な顔。

かわいすぎじゃん。

最強じゃん。

女の私でも惚れちゃいそう。

なんでなの。

何でそんなにかわいいの。

何でそんなに頑張るの。

何でそんなに頭いいの。

何でそんなに天使みたいなの。


一生勝てる気がしない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ